ボトックスの打ち方は、広頚筋や肩、汗にも!
ボトックスの打ち方として、首から肩にかけての効果についてご紹介いたします。
まずはボトックスについてのおさらいですが、あくまでも筋肉に収縮を抑えるもののため、表情しわなど浅い皺の改善や、予防、そしてアセチルコリン放出抑制での汗止めに効果があります。
下記以前のブログもご参照ください。
表情じわをボトックスでストップ、この時期脇汗止めにも。 | 日本を代表する美容健康再生医療のクリニック|BIANCAGINZA
皮膚科専門医の葉山愛弥です。
皆様にお知らせ!!
今月より勤務日が増えました!!より定期フォローができるようになりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本日は表情皺ではなく、特殊な打ち方として肩、広頚筋、汗止めについて書いてみようかと思います。
広頚筋
広頚筋は、首の前側にある非常に薄い表情筋の一つで、驚きや緊張の表情を作ったり、口角を引き下げたり、首の皮膚を引っ張る働きがあります。そのため、緊張が強いとフェイスラインが下がって見えることがあります。
広頚筋へのボトックスは、その緊張を和らげることで、顔全体が引き上がったように見える効果が期待できます。
また、年齢とともに目立つ首の縦スジ(筋肉のひきつれ)をゆるめて首元をすっきりさせることも可能です。
さらに、表情筋のバランスが整い、リフトアップに関与する筋肉(頬筋・咬筋など)の動きが有利になる効果も期待できます。
ただし、ボトックスの打ち方によっては、副作用やリスクも存在します。
特に解剖学的に広頚筋は非常に薄く、重要な筋肉にも隣接するため、慎重な施術が必要です。
例えば、広頚筋と隣接する口角下制筋・オトガイ筋に影響すると、口角が下がる・笑いにくくなるなどの症状が出ることがあります。
非常に稀ではありますが、過度な投与や深い位置への注射で、嚥下筋に影響し、飲み込みにくさがでることもあります。
また、過度に注入、弛緩させると支持力のある筋肉も過度に弛緩してしまい、顔の構造を支えられなくなるため、ボリュームが落ちたように見える可能性もあります。
顔のバランスが崩れ、下顔面が重く見えたり(たるみの悪化)、凹んだ印象や縦じわが強調されてしまうこともあります。
肩
肩ボトックスで一番期待したいのは、肩こりの改善という方が多いのではないでしょうか?
僧帽筋(首の付け根から肩、背中上部にかけての厚い筋肉)にボトックスを注射すると、筋肉の過剰な緊張が緩和されるため、慢性的な肩こりでの痛みが軽くなり、重だるさや張り感も改善されることがあります。
個人的には慢性の肩こりで、緊張型頭痛を生じることがあるため有難い施術の一つですが…。
ただし、筋肉の緊張が原因の肩こりには効果が期待できますが、肩の筋肉は僧帽筋だけでできているわけではないため、解消しないこともあれば、逆に首が重く感じることがあります。また、原因が姿勢や骨格、眼精疲労、ストレスなどの場合も改善はしません。
もう一つもメリット、実はこれが一番効果があると考えておりますが、肩のラインをスッキリ見せる(肩痩せ効果)があります。
僧帽筋が張っていると、肩幅が広く見えたり、首が短く見えることがありますが、肩の過緊張をとり、ボトックスにより筋肉動かなくなると廃用性委縮(使わない筋肉が薄くなる)の効果が発揮されると、肩のラインがなだらかになって華奢に見える効果が期待できます。結婚式など、肩が開くようなドレスやノースリーブが似合うようになったと感じる人もおります。
効果の持続期間はいずれも効果が出るまで約3~7日、ピーク効果:約2~4週間後、持続期間:3~6か月程度とされています。
なお、ボトックスにより筋力が弱まるので、重い物を持つ仕事の人やアスリートには注意が必要です。
汗止め
汗を放出するアセチルコリンを抑制することで、汗を止めることも可能です。
そのため、汗をかきやすい夏場の脇汗や顔にマイクロボトックス(通常のボトックスより浅く、広範囲に微量ずつ注入する方法)をすることで、化粧乗りがよくなり、顔汗もかきにくくなります。
脇汗には脇ボトックスとしてのボトックスの打ち方は手打ちですが、顔のマイクロボトックスでのボトックスの打ち方は、疼痛のないターゲットクールや、ダーマペンを用いたスキンボットクス、水光注射(エクソソーム+ハイドロ+ボトックス)、ハイドロブースター、現在キャンペーン中のハイドロスキンボトックスなどの施術により化粧のりがよく、汗もかきにくくなります。
こちらも顔ボトックスの濃度が高すぎると表情筋にまで聞いてしまい、動かしにくくなってしまうこともあります。
ここで皮膚科専門医の私個人のつぶやき・・・
いずれもボトックス施術は、ドクターの技術と経験値で仕上がりに差が出る繊細な治療です。