脂肪注入とは?② ⸻適応とハムラ法との使い分け
こんにちは!
「自然な美を、信頼でデザインする。」
形成外科専門医の藤橋政尭です。

前回の記事では、「脂肪注入とは何か?」「コンデンスリッチファットとナノファットはどう違うのか?」という根本の部分を解説しました。
パート2では、「脂肪注入が必要なケース」、「ハムラ法では改善できない部分」、「そして両者の役割の違い」、こちらを詳しく整理していきます。
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■ 脂肪注入とは?
脂肪注入は、採取した脂肪を加工し、凹んだ部位に移植する治療です。
採取しただけの脂肪には不純物が多く、質の高いコンデンスリッチファット(CRF)へ加工することで生着率が高まります。
繊維質が減ってしこりのリスクが下がり、純度が高く、凹みを埋める“土台”として最適な脂肪へと変わります。
さらに、より細かい表層の調整にはナノファットを使用し、皮膚の薄さが原因の色味改善にも対応できます。

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■ 脱脂だけでは凹みは改善できない → “脂肪注入の適応”
クマ治療でよくある誤解が、「脱脂すればクマが治る」という考え方です。
実際には、多くの人が「ふくらみ(眼窩脂肪)」と「凹み(tear trough〜mid-cheek groove)」、この両方の要素が原因としてあり、脱脂だけ行い、この凹みだけが残ると、影が消えるどころか逆に凹みが際立ち、老けた印象になるリスク があります。
そのため、凹みへのアプローチとして、
• 脱脂+脂肪注入
• ハムラ法(脂肪移動)
• ハムラ法+脂肪注入(必要に応じて)
こちらの組み合わせで手術を行うことが多いです。

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■ 脂肪注入が特に向いているケース
① mid-cheek の下方まで凹みが続いている場合
前回のブログでも触れたように、ハムラ法で移動できる脂肪は tear trough から8〜10mm程度までです。
そのため、mid-cheek の下方まで凹みがある方は、脂肪注入が適応になります。

② 皮膚の薄さによる色味が強い場合
皮膚が薄いと、眼窩脂肪の色が透けて“青クマ”が強く見えます。
この場合、ハムラ法だけでは色味が改善しにくいため、
表層にナノファットを補うことで皮膚の厚みを作り、色味を和らげます。
③ 顔全体のボリューム調整もしたい場合
脂肪注入を行う場合、クマだけでなく、
頬のこけ / 額の丸み / こめかみ / ほうれい線
など複数の部位に同時に注入することができるため、お顔全体のバランスを整えることが可能です。
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■ ハムラ法と脂肪注入は上手く使い分ける
ハムラ法の長所:
• 「膨らみ」と「凹み」同時にアプローチできる
• 術後、表情を変えても自然な仕上がり
• 再発予防(隔膜タイトニング)
脂肪注入の長所:
• mid-cheek の下方まで続く深い凹み
• 皮膚が薄さによる色味
• 顔全体のボリューム調整
このように、両者は長所が異なるため、“どちらが優れているか”ではなく、目的に応じて使い分けることが大事です。
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■ まとめ:脂肪注入は“ハムラ法で届かない領域”を補う治療
• ハムラで改善できない深い凹み → 脂肪注入
• 皮膚の薄さによる色味 → ナノファット
• 脱脂だけでは凹みは改善しない →脱脂を行う場合は脂肪注入の併用が必要
• 顔全体のボリューム形成も可能
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【プロフィール】
藤橋 政尭 (ふじはし まさたか)/形成外科専門医
形成外科専門医としての知識と技術を活かし、目元や鼻の手術、顔の脂肪吸引、糸リフト、ヒアルロン酸注入など、お顔全体の美容外科手術に幅広く対応。繊細なデザインが求められる切開手術や修正手術から、ダウンタイムの少ない注入施術・リフト系まで、患者様の理想に合わせた施術を心がけています。
自然な仕上がりとダウンタイムの最小化にこだわり、誠実なカウンセリングを通じて「任せてよかった」と思っていただける医療を追求しています。
「自然な美を、信頼でデザインする。」
そんな想いを大切に、日々の診療に取り組んでいます。
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【経歴】
2015年3月 昭和大学医学部医学科 卒業
2015年4月 昭和大学横浜市北部病院 初期臨床研修
2017年4月 昭和大学病院 形成外科
2017年10月 前橋赤十字病院 形成外科/美容外科
2019年4月 西尾市民病院 形成外科
2020年4月 昭和大学藤が丘病院 形成外科
2020年11月 太田西ノ内病院 形成外科/美容外科
2022年7月 東京労災病院 形成外科/美容外科 診療科長
2022年7月 R.O.clinic 非常勤、くさのたろうクリニック非常勤
2024年4月 銀座TAクリニック副院長
2025年11月 BIANCA CLINIC
【所属学会・資格】
日本形成外科学会 形成外科専門医
日本美容外科学会(JSAPS)会員
日本美容外科学会(JSAS)会員







