ホルモンと薄毛の関係〜エストロゲン〜
なかなか治療の難しい女性の薄毛。髪が薄くなり始めている場合、または髪のボリュームが突然減ってしまった場合など、、最近では亜鉛やビタミンB群が髪の健康に重要であることは有名になってきましたが、体の中を循環しているホルモンに問題がある可能性があります。
例えば DHT(デヒドロテストステロン)は男性の薄毛の原因として有名ですが、このほかにも女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロン、元気の源である甲状腺ホルモンやストレスホルモンまでも、私たちの髪と頭皮の健康において重要な役割を果たしています。
ホルモンは、血流を通じて体内を巡り、さまざまな機能を調整する化学伝達物質です。このホルモンが血流に乗って、毛髪の成長サイクルと毛包の構造に直接影響を与えます。
これから何回かに分けて、各ホルモンと薄毛との関係をご説明していきます。
エストロゲン
エストロゲンは卵巣内で作られる女性ホルモンの 1 つで、女性らしさをもたらすホルモンです。エストロゲンの髪と頭皮に対する効果は、以下のようなものがあります。
①エストロゲンが髪の成長サイクルの成長期を延長する
②薄毛の原因となるホルモン(DHT)の生成と代謝も抑制する
このような働きから、エストロゲンが史上最高に高くなる妊娠中には、髪の太さが増したり、逆に出産後エストロゲンが急激に減少すると産後脱毛が起こったりします。産後脱毛は、長期にわたる成長期で生えていた毛髪が一気に退行期に移行するためです。つまり、大量の脱毛がおこったように見えますが、妊娠中に上昇していたエストロゲンがもとに戻っただけなのです。そのため産後の脱毛は一時的なもので、ほとんどの女性は子供が 1 歳の誕生日を迎えるまでに通常の成長に戻ります。
またエストロゲンは肌の水分保持とふっくら感を維持する働きがあるため、閉経期や産後に頭皮が減少すると、頭皮が乾燥し頭皮のバリア機能が低下することによって、頭皮のかゆみや炎症を引き起こす可能性があります。これらは薄毛の原因となりうるため防いでいく必要があります。
エストロゲンの低下に対してはエクエルなども選択肢に入りますが、エクエルで女性ホルモンが増える人、増えない人がいますし、増える人も有効なレベルまでエストロゲンが増えるかどうかは別問題です。またエストロゲン補充に関しても人工のホルモンでは血栓症や乳がんなどのリスクが上がる可能性があるため、もともと私たちが体で作っているのと全く同じエストロゲンを補充することが必要です。
ぜひエストロゲンの補充にご興味がある方は、カウンセリングでご相談ください。