リジュランはPN製剤、PDRN製剤はコスメグレードでないものの注入を。
リジュラン、最近話題になっていますね。
皮膚科専門医の葉山愛弥です。
アミノ酸が入っていないませんが、創傷治癒能力、自然治癒能力を用いて皮膚を再生するという広義の意味では、肌育と捉えるのも良いかもしれません。
リジュラン(Rejuran Healer)
リジュラン(サーモン注射)とは 、PN(ポリヌクレオチド)を主体とした皮内への注射製剤であり、サーモンのDNAから抽出したDNA断片を高純度に加工し、美容目的で使用される製剤です。
正式名称はリジュランヒーラー(Rejuran Healer)。DNA断片を入れることで、自身の創傷治癒能力を用いた、細胞や組織の修復・再生、血管の新生を促す作用があり、異常血管の修復や炎症を助ける作用があり、赤ら顔(酒さ)にも効果が期待できるともいわれています。
重要なのは、線維芽細胞を刺激し細胞を増殖させ皮膚を再生することで表皮や真皮に厚みを持たせ、肌のハリ改善や引き締め、弾力を作り、単なるボリュームアップにとどまらない自然な若返りが期待できる治療です。
さらには血管内皮成長因子(VEGF)を増加させ血管形成を促すため局所的な血流改善作用もあり、目元のうっ血によるクマの改善も期待できます。抗炎症作用があり、ニキビ痕や傷痕の修復、紫外線ダメージの軽減や、異常血管を修復するなどにも寄与。皮脂のバランスを整え、肌の保湿力を向上させるといった作用で肌のキメを整えます。多様な働きで肌を若々しい印象に導きます。
リジュランi
BIANCA CLINICでは、通常のリジュランと目元の施術に適したリジュランi (リジュランアイ)を患者様のお悩みや施術部位、肌の状態に応じて使い分けています。
通常のリジュランはおもに顔全体、おでこ、首、デコルテにおいて、たるみ、ハリの改善や毛穴の開き、ほうれい線や額のシワ、ニキビ痕など幅広いお悩みにマルチに適応するのが特徴。
リジュランiとは目元に特化した製剤で粘度が低くなじみやすいため、皮膚が薄い目の周りの小ジワや目の下のクマの治療に適しています。皮膚がデリケートな口の周りにも使用できます。
リジュランi 1回 3週間後
ヒアルロン酸注入のように1度の注入でシワを持ち上げる、パーツのボリュームを整えるといった劇的な変化はありませんが、肌の弾力・ハリを取り戻すことでヒアルロン酸注入やボトックス注入では改善が難しいシワや小ジワにもアプローチでき、“やった感”のない自然な仕上がりをもたらします。
https://biancaclinic.jp/treatment/skin-care/skin/rejuran/
ここで皮膚科専門医の私個人のつぶやき・・・
最近、クリニックによっては、リジュラントゥルースキンエッセンスといったコスメグレードの製剤が皮内注射に用いられていることがあるようですが、成分の濃度、純度、無菌性が注射用ではないこと、防腐剤や香料などが含まれている可能性もあり、体内で異物反応や感染のリスクが否定できません。
このような化粧品、エステ導入美容液、PDRN配合コスメも同様にコスメグレードのため注入不可ということを知っておいてください。