レチノールは光老化予防に必須
レチノールは、ビタミンA誘導体の一種で、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)を促進し、さまざまな肌悩みにアプローチする成分で、個人的にもスキンケアには必須として愛用している成分です。
皮膚科専門医の葉山愛弥です。
レチノールは昨今様々な化粧品に導入され、ピュアビタミン、パルミチン酸レチノールは市販の化粧品にも含まれるようになりました。
日本で注目されるようになったのは、南アフリカで皮膚癌の発症率を低下させるために開発されたエンビロンが発端ではないでしょうか。日本人に合わせて調合されたガウディスキン、その後コロナ禍で家にこもる時間が増えてからはゼオスキンヘルスのセラピューティックがとても流行ったのが印象です。勿論ゼオスキンヘルスにはセラピューティック用ではないレチノール化粧品も多く存在し、特に濃度や形状の異なる製品が多いのが特徴と考えております。
また、自身でも使用し、もはや手放せないレチノール化粧品。
基本的なことと、最後に私が密かにやっているミニセラピューティックの使い方をご紹介しちゃいます!!
レチノールが必要とされる主な理由
シワ・たるみの改善
レチノールは真皮の線維化細胞を刺激し、コラーゲンの生成を促すため、肌のハリがアップし、小ジワの改善が期待できます。
紫外線などによる「光老化」によるダメージ修復にも有効です。
ニキビや毛穴の改善
ビタミンAは皮脂分泌を調整し、ターンオーバーを正常化させることで、毛穴詰まりを防いでニキビの予防や改善につながります。
毛穴の開きや黒ずみにも効果的です。
肌のキメ・透明感の向上
ターンオーバーを正常化することで古い角質が剥がれやすくなることで、肌のトーンが明るくなり、なめらかな質感に。
レチノールの注意点
刺激が強い:赤み・乾燥・皮むけが起こる「A反応」(レチノイド反応)が起きます。低濃度であれば慣れてくるため症状はでなくなってきます。
妊娠中・授乳中は避ける:一部のレチノール(特に高濃度レチノール)は胎児に影響を与える可能性があるため、メーカーの指導に従いましょう。
レチノールには複数の種類があり、効果の強さや肌への刺激の強さがそれぞれ異なります。目的や肌質に応じて適切なタイプを選ぶことが大切です。
レチノールの主な種類と特徴
種類 | 効果の強さ | 肌への刺激 | 特徴 |
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レチノール(Retinol) | 中〜高 | 中程度 |
一般的によく使われる。 市販品にも多く配合。 エイジングケアに◎ |
レチナール(Retinal / Retinaldehyde) | 高 | やや強い |
レチノールより即効性あり。 医薬部外品にも使用例あり。 敏感肌は注意。 |
レチノイン酸(トレチノイン) | 非常に高 | 非常に強い |
医師の処方が必要。 しわ・ニキビ治療に使われる強力な医薬品。 |
パルミチン酸レチノール(Retinyl Palmitate) | 低 | 弱い |
肌にやさしいが効果は穏やか。 敏感肌や初心者向け。 |
酢酸レチノール(Retinyl Acetate) | 低 | 弱い |
パルミチン酸と同様にマイルド。 安定性が高く、化粧品に使いやすい。 |
グラナクティブレチノイド(Hydroxypinacolone Retinoate) | 中 | 低〜中 |
比較的新しい成分。 安定性と低刺激を両立。 効果も比較的高め。 |
バクチオール(Bakuchiol) | 低〜中 | 非常に低い |
植物由来の「レチノール類似成分」。 妊娠中も使えるケースあり。 |
ここでおすすめしたいのは、肌に蓄積性もあり、日々のお手入れに毎日でも取り入れたいのがパルミチン酸レチノール。
あるいはバクチオールも非常に使いやすいものと考えます。
※ピュアレチノールとして市販薬でも発売されているものは、0.1~1%未満のレチノールです。
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肌に直接作用し、ターンオーバーやコラーゲン生成を促進
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しわ・たるみ・毛穴・くすみなどにマルチ効果
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刺激が出る可能性あり(A反応)
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化粧品でよく見かける濃度:0.1〜0.3%が多い
高濃度レチノール(1〜2%など)
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効果が強力(医療用レチノイン酸に近い効果)
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A反応(皮むけ・赤み)が強く出やすい
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濃度によっては毎日使用できないこともある(週1〜2回から)
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使用にはスキンケアの知識と肌管理が必要
レチノールは基本的に慣れてくるとA反応がでなくなるため、徐々に濃度を上げていくことも可能です。ただし、肝斑等は改善することもあれば、刺激が強すぎることもあるため、高濃度レチノールを使用する際には必ず医師の指示のもとお使いください。
なお、あえて皮むけをさせてアグレッシブに治療していくこともあります。(つぶやき参照)
ここで皮膚科専門医のつぶやき…
セラピューティックはゼオスキンへルスのゼイン・オバジ先生が提案した治療プログラムで、色素沈着、肝斑、しみ、毛穴改善、様々な皮膚の悩みを解決してくれます。
実際にコロナ禍の頃はご希望される方が多く、グリコール酸入りのバランサートナーを化粧品として使用し、ハイドロキノン4%+グリコール酸が少し入ったミラミン、ミラミックスに、化粧品では導入できないトレチノイン(レチノイン酸)を混ぜて顔全体に塗布。A反応が強いために皮むけや赤みが強く出ますが、3-5か月継続することで殆どのしみが消えたことが印象的です。
現在では、ゼオスキンヘルスからサリチル酸含有のクラリファイングセラムと、コンプレックスAという1.3%のマイクロエマルジョン化した高濃度ビタミンAが発売され、これらを使用したセラピューティックが主流になっています。
外出も多くなり、あまりダウンタイムが多いと日常生活に支障をきたすこともあるかと思います。
しかし吸収率の高い口回りが一番A反応がおきやすく、皮むけも強いのですが、口回りに症状がなければ、頬と鼻のしみや肝斑、毛穴が気に対して、鼻頬のみに使用する方法もいいのではないかと考えております。
実際自身では時々ミニセラピューティックと名付けて、A反応の赤みが出ないようにREVISIONのDFJフェイスクリームを併用して行っています⭐
日々使いや、鼻の毛穴のみでしたらデイリーPDやWテクスチャリペアなどもおすすめですのでご参照ください。