「エンブレイス」という名の優しきリフトアップ
〜私がときめいた若返り治療〜
みなさん、こんにちは!
形成外科専門医の幡手亜梨子です。
今日は私が一目惚れした美容機器のお話をしようと思います。
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「エンブレイス」と聞いて、何を思い浮かべるだろう?
“Embrace” には「抱きしめる」「受け入れる」「優しく包み込む」といった意味がある。海外ではスキンケアやマインドフルネス、セルフケアの文脈で使われることも多く、どこか“癒し”や“肯定”を感じさせる言葉だ。
そんな言葉を冠した医療機器に、私は心を奪われた。
今から約2年前、ある美容学会の講演後、ふと立ち寄った展示ブースで一枚の症例写真に出会った。それは**エンブレイスRF(EmbraceRF)**によるビフォーアフターだった。
写真の中の女性の顔立ちは変わっていない。
なのに、明らかにすっきりとして、引き締まり、若々しく明るく見える。

フェイスラインが整い、たるみが改善している。ボリュームも減って、まさに若返ったという感じ。これが製品のパンフレットにメインで載っている以上「チャンピオン症例(特に効果が顕著だった症例)」であることは間違いなく、そういう症例には少し疑い深くなるのも事実だ。だが、それでもこのデバイスには、何か“特別な力”がある気がした。
話を聞くと、これはイスラエルの企業InMode社のエンブレイスRFという機械で、「まだ日本に入ってきたばかりです」と言っていた。
——やっているクリニックは、ほんの数件。
でも、私は確信していた。
これは、確実に広がる。
若返り医療に「優しさ」という選択肢を
美容医療での若返り治療には、さまざまな選択肢がある。
ヒアルロン酸やボトックスなどの注入治療、ハイフ(HIFU)やレーザーといった照射治療。さらにスレッド(糸)リフト、そして最終的には切開を伴う外科的フェイスリフト。
もちろん、外科的フェイスリフトは劇的な変化が得られる“最終手段”だ。
それなりのダウンタイムが必要であり、施術側にも高い技術と全身麻酔管理が求められる。患者さんにとっても心理的なハードルが高く、「そこまでの手術はまだちょっと…」という方も多い。
そこで選択肢にあがるのがエンブレイスRFだ。
これは**「切らずにフェイスリフトのような結果を出す」**という新しいコンセプトの施術機器。
- 小さな針穴レベルの切開のみ
- 内部からRF(高周波)で脂肪をタイトニング(FaceTite)
- 表面からもRFで肌の引き締めと再構築(Morpheus8)
つまり、皮膚の内外から熱エネルギーを与え、肌を“包み込むように”リフトアップする施術。
名前の「エンブレイス(Embrace)」の意味が、まさにそのまま体現されている。

多くの症例から得られた確信
当院でエンブレイスRFを導入してから、約1年半が経った。
これまでに多くの症例を積み重ね、いろいろな適応を見てきた。
はっきり言って、全てのたるみや加齢に万能というわけではない。
特に重度の皮膚のたるみや、皮膚が非常に薄く張りが失われている場合、は、他の施術と併用した方が良いケースも多い。
しかし、軽度〜中等度のフェイスラインのもたつきや、ほうれい線周囲の緩みに対しては非常に高い効果を発揮する。
何より、**“切っていないのにここまで変わる”**という驚きの声が、患者さんから毎回のように届く。
完成施術後のダウンタイムのメインは腫れであることが多い。
熱が加わっているので派手な内出血は出にくい。

エンブレイスRFの「意味」と魅力
繰り返しになるが、「エンブレイス」には「抱きしめる」「受け入れる」といった意味がある。
この機器がもたらすのは、「無理に若く見せる」のではなく、“その人らしさ”を肯定したまま、自然に印象を引き上げるアプローチ。
たとえば30代〜50代の女性で、
- フェイスラインがぼやけてきた
- 二重あごやマリオネットラインが気になる
- ハイフでは物足りなくなってきた
- 脂肪吸引したらたるみが気になるようになった
こういった方にぴったりだ。
また、他の治療との組み合わせも非常に相性がよい。
スレッドリフトで立体的に支えながら、エンブレイスRFで引き締める。
脂肪吸引してそのままフェイスラインの引き上げまで叶える。
あるいはヒアルロン酸でボリューム補正をしつつ、輪郭を整える——
こういった“戦略的若返り設計”にも活用できるのが強みだ。

さらに特筆すべきは持続期間。
一般的に、エンブレイスRFの効果は3〜5年持続するとされている。
もちろん肌質や年齢、生活習慣により個人差はあるが、「半年で元に戻る照射系施術」と比べると、明らかに“投資対効果”が高い。
まとめ|自然に、でもしっかり変わりたいあなたへ
- 大掛かりな手術には抵抗がある
- でも糸リフトや照射だけでは物足りない
- 自然に、でも確実にフェイスラインを整えたい
- ダウンタイムは最小限にしたい
- できれば持続期間が長い方がいい
自分らしさを残したまま若返りたい…
でも切開リフトはこわい…
——そんな方に、ぜひ知っていただきたい施術である。
名前の「エンブレイス」には、肌と気持ちの両方を優しく包み込むような意味が込められている。
私がこの機械に一目惚れした理由は、単なる技術の新しさではなく、その哲学に共感したからかもしれない。
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興味を持たれた方は、ぜひ一度カウンセリングでお話ししましょう。
あなたにとって本当に必要な施術かどうか、何を組み合わせたらベストな結果になるか、一緒に見極めていきますので楽しみにお越しください!


執筆者:幡手 亜梨子(はたで ありす)
形成外科専門医/美容外科医
九州大学医学部卒業後、大学病院や関連施設で形成外科・美容外科の診療に従事し形成外科専門医を取得。
顔面・体幹の再建手術から美容外科領域まで幅広い症例を経験し、解剖学的知識に基づいた自然で美しい仕上がりを大切にしています。
学生時代にはアイドルとして活動していた経験もあり、“見られる美しさ”と“医療としての美しさ”の両面を理解する立場から、患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提案できるのが強み。
プライベートでは旅行とグルメが好きで、美容やライフスタイルに関する情報をInstagramで発信中。
経歴
- 九州大学医学部医学科 卒業
- 新東京病院 初期研修
- 自治医科大学附属病院 形成外科 勤務
- ルーチェクリニック 勤務
- 新小山市民病院 形成外科 勤務
- 帝京大学医学部附属病院 形成外科 勤務
- JR東京総合病院 美容外科・形成外科 勤務
- 有明ひふかクリニック 勤務
所属学会・資格
- 日本形成外科学会 専門医
専門分野
- 美容外科手術(目元・フェイスライン・婦人科形成など)
- 注入治療(ヒアルロン酸、ボトックス、脂肪注入)
- レーザー・スキン治療
- 再生医療・エイジングケア







