糸リフト200万円。アリ?ナシ?
糸リフトは本当に「金ドブ」?──失敗しないための選び方
みなさん、こんにちは!
自然で上品な若返りを提案する、形成外科専門医のありす先生です。

最近、SNSやブログで「糸リフトは金ドブ(=お金の無駄)」という言葉をよく見かけます。
でも、実際のところ 「糸リフト=無意味」ではありません。
このブログにたどりついた方は、すでにいくつも糸リフトの記事を読まれているかもしれませんね。
そこで今日は、実際の患者様のお話を交えながら──
・「金ドブ」と感じてしまう糸リフトとはどんなものか
・糸リフトを受けるなら、金ドブにならないための選び方とは
この2点をお伝えしていきます。

【エピソード】糸リフト12本で200万円。「シミも消えます」?
最近、私のもとにご相談に来られた患者様のお話です。
(※実際のご相談をもとに、一部脚色しています)
あるクリニックで見積もりを取ったところ──
なんと 糸リフト12本で200万円超え。
しかも「この糸を入れるとシミもきれいになりますよ」と説明されたそうです。
これは、患者様の聞き間違いではありません。
もともと「シミが気になる」という悩みでカウンセリングに行った結果、なぜか糸リフトをすすめられたのです。
確かに、糸リフトでハリが出たり、フェイスラインが整うことで肌の印象が明るく見えることはあります。
でも──シミが直接消えることはありません。
少なくとも、医学的根拠は存在しません。
患者様は一度は契約されたものの、不安になって調べ直し、契約書の内容にも疑問点があったため、最終的にはクーリング・オフされたとのことでした。

値段が高いこと=悪ではない
誤解してほしくないのは、
「200万円だから悪い」「高いからダメ」という話ではないということです。
施術の価値は、
・医師の経験や技術力
・使用する糸の種類やデザイン力
・麻酔や安全対策
・術後のアフターケア
・空間の快適さや特別感
など、トータルの品質で決まるもの。
それらをすべて含めた上で200万円なら、妥当なケースもあります。
問題なのは、効果の根拠があいまいな説明で価格を上乗せしている場合です。
「糸リフトでシミが消える」というような説明での契約は、患者様の“きれいになりたい気持ち”を利用していると言えるでしょう。
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「必要な本数」は人によって違う
私は、適応があって予算が許すなら、
たくさん糸を入れること自体は悪いことではないと思っています。
ただし、理想の仕上がりに対して「最低限必要な本数」というものはあります。
それを減らしすぎると、「全然上がらなかった」「すぐ戻った」=糸リフトが金ドブだったと感じる結果になることも。
だからこそ、私のカウンセリングでは必ず正直にお伝えします。
「このリフトアップを目指すなら、最低でも◯本は必要です」
逆に、
「そこまで上げなくてもいい」「予算を優先したい」
という場合は、
本数を無理に増やすより、糸の種類や入れる範囲を調整する提案をします。
【チェックリスト】“金ドブにならない糸リフト”の条件
☑医師が直接カウンセリングを行う(営業ではなく、医学的診断がある)
☑糸の種類・本数・目的を明確に説明できる(なぜそれが必要か)
☑根拠不明な説明をしない
☑他の治療法との比較の提案を出してくれる(切開リフト・HIFU・ヒアルロン酸など)
☑価格が明朗で、不要なオプションを勧めない
美容医療に“絶対の正解”はありません。
だからこそ、「何を優先したいのか」を一緒に考えることが大切です。

信頼できる美容医療を選ぶために
美容医療は、価格競争ではなく 信頼競争 の世界です。
- 医師がどれだけ丁寧に説明してくれるか
- 根拠のある言葉を使っているか
- 無理な契約を勧めないか
この3つを、しっかり見極めてください。
そして何より、納得できるまで質問していいんです。
あなたの顔や体は、あなたのもの。
迷ったときは、一度冷静になって考えてみてください。
美容医療は“人生を変える力”を持つものだからこそ、誠実な選択をしてほしい──心からそう願っています。
まとめ
糸リフトで「失敗した」と感じるケースの多くは、施術そのものの問題ではなく、“どう売られているか”の問題です。
正しく選べば、糸リフトは決して“金ドブ”ではありません。
あなたにとってのベストな方法を、信頼できる医師と一緒に見つけてくださいね。
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執筆者:幡手 亜梨子(はたで ありす)
形成外科専門医/美容外科医
九州大学医学部卒業後、大学病院や関連施設で形成外科・美容外科の診療に従事し形成外科専門医を取得。
顔面・体幹の再建手術から美容外科領域まで幅広い症例を経験し、解剖学的知識に基づいた自然で美しい仕上がりを大切にしています。
学生時代にはアイドルとして活動していた経験もあり、“見られる美しさ”と“医療としての美しさ”の両面を理解する立場から、患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイドな美容医療を提案できるのが強み。
プライベートでは旅行とグルメが好きで、美容やライフスタイルに関する情報をInstagramで発信中。
https://www.instagram.com/p/DP5P123kUR8/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
経歴
- 九州大学医学部医学科 卒業
- 新東京病院 初期研修
- 自治医科大学附属病院 形成外科 勤務
- ルーチェクリニック 勤務
- 新小山市民病院 形成外科 勤務
- 帝京大学医学部附属病院 形成外科 勤務
- JR東京総合病院 美容外科・形成外科 勤務
- 有明ひふかクリニック 勤務
所属学会・資格
- 日本形成外科学会 専門医
専門分野
- 美容外科手術(目元・フェイスライン・婦人科形成など)
- 注入治療(ヒアルロン酸、ボトックス、脂肪注入)
- レーザー・スキン治療
- 再生医療・エイジングケア








