ホルモン補充療法で更年期障害対策やエイジングケア!美容内科医が解説
みなさんこんにちは。
BIANCA美容内科指導医の前田陽子です。
美容内科指導医 前田陽子医師プロフィール
沖縄県立南部医療センター・こども医療センターで初期研修、京都府立医科大学放射線科、美容クリニックでの勤務を経て点滴療法研究会のセミナーで高濃度ビタミンC点滴と出会い、アメリカリオルダンクリニック リサーチフェローとして留学。米国抗加齢医学会の専門医試験に最年少で合格するなどの実績を持つ。
現在はBIANCA (ビアンカ)に美容内科指導医として在籍。美容内科指導医の役割は、身体を内側からケアして健康的な美しさにアプローチすること。身体の内側から老化を治療するエイジングケアのプロフェッショナルとして、ナチュラルホルモン補充療法やペプチド療法、サプリメント治療など、患者様に合わせた治療の提案により、体質を改善しいつまでも若々しく過ごすサポートを行う。
<所属学会・資格等>
・日本美容内科学会理事
・米国抗加齢医学会(A4M)専門医
・A4Mアンチエイジング・代謝・機能性医学フェローシップ
・米国先端医療学会キレーション専門医
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今回はホルモン補充療法について解説していきます。ホルモン補充療法とは、エイジングケアや更年期障害、疾病治療などを目的に、不足しているホルモン剤を補充する治療方法です。
海外のエイジングケアでもはやスタンダードとなっています。
ホルモン補充療法の方法は?
ホルモン補充療法にはいろいろな方法がありますが、大きく分けると2つに分けられます。
◆化学合成したホルモンを投与する
◆体の中で作られているホルモンを投与する
BIANCAで行っているのは、ナチュラルホルモン補充療法です。ナチュラルホルモン補充療法の特徴は、安全性が高い点、ホルモン補充療法というと、副作用が心配という方も多いですよね。ナチュラルホルモン補充療法の場合は、副作用がかなり出にくくなっています。
どのようなホルモンを補充するの?
ホルモンにはいくつか種類があります。事前に血液検査をして、検査結果を見ながら適応かどうかを確認し補充するホルモンを決定します。
例えば女性の更年期障害は、加齢により卵巣から分泌されるプロゲステロンやエストロゲンといったホルモンの量が減ることが原因です。ほてりや発汗、冷え、めまい、むくみ、」頭痛、疲労感などの身体的症状から、不安や不眠、抗うつなどのメンタル的な症状まで、さまざまな症状があるといわれています。
ホルモン補充療法にはいろいろな方法がありますが、大きく分けると2つに分けられます。
<更年期周辺の女性におすすめのホルモンとその働き>
◆プロゲステロン…基礎体温の上昇、子宮内膜の安定、乳腺の発達など
◆エストロゲン…乳房・子宮・膣の発育やコラーゲン産生など
検査したうえでプロゲステロンとエストロゲンを両方補充するケースもあれば、どちらか一方のみ補充するケースもあります。
男性も男性ホルモンであるテストステロンが減少することで男性更年期障害になることが最近話題になり始めました。全身の疲労感や倦怠感、性欲低下、ED(勃起障害)、不眠、肩こり、抜け毛、薄毛などの身体的症状が出ることもありますが、気力の衰えや集中力の低下、イライラ、抗うつなど精神的な症状が出ることもあります。
こういった症状が出ている男性には、テストステロンや、テストステロンの上流にあたるDHEAを合わせて投与することが多いです。
性ホルモンのほかにも、首のところにある甲状腺ホルモンが不足していると元気がでにくいこともあります。不足の度合いが病的な場合には保険適用で治療が行われることになりますが、病気の範疇に入らないくらいの不足でも甲状腺ホルモンを適度に補充することで、QOL(生活の質)の改善につながります。
ホルモン補充療法の対象者は?
「ホルモン補充療法はいつから開始すれば良いの?」という疑問もあるでしょう。ホルモン補充療法の対象者は、簡単にいうとホルモン不足により何かしらの症状が出ている方です。
例えば、更年期周辺の女性は女性ホルモンがだんだんと減り、ホットフラッシュや気分の落ち込みといったいわゆる更年期障害が起こります。これらの自覚症状があるなら、ホルモン補充療法のタイミング。もちろん自覚症状に加え、きちんと検査したうえで減っていることが確認できたら、ホルモンの補充を行います。
ホルモン補充療法を行うことで、更年期障害の症状緩和につながるでしょう。ちなみに、ホルモン補充療法で効果が出るまでの期間は、個人差はありますが2週間~3ヶ月ほどです。
ホルモン補充療法のタイミング
ホルモン補充療法を行うタイミングは、ホルモンが減ってくる年齢に行うのがおすすめです。男性ホルモンも女性ホルモンも、加齢により徐々に減ってきます。
個人差はありますが、目安の年齢は以下のとおりです。
◆女性:40代~55歳前後(閉経前後5年ずつほど)
◆男性:40代~50代
女性の場合、35~40歳でまずプロゲステロンが減り始めます。プロゲステロンが少ないのにエストロゲンがまだ十分にある、これが体にとって非常に負担がかかる状態と考えられています。このタイミングでプロゲステロンを補充してエストロゲンとの差を少なくすると、不調が出にくくなる効果が期待できるでしょう。
ホルモン補充療法治療の目的は?
ホルモン補充療法は、更年期に出てくる症状を緩和する更年期障害対策という目的もありますが、将来の病気予防という側面もあります。
女性の場合、更年期が終わると更年期症状が緩和されます。更年期症状の緩和が目的であれば、それ以降はホルモン補充療法を行う必要はないでしょう。更年期症状の間ホルモン補充療法をして、更年期が終われば治療を終わるというやめ方もあります。
ただし、更年期が終わり60代~70代になると、エストロゲンの減少により骨の強度が低下し、骨粗しょう症になりやすくなります。また、女性ホルモンの低下により、認知症のリスクが高まるという研究結果も出ています。
そのため、更年期以降も、将来の病気の予防のためにナチュラルホルモン補充療法を継続することをおすすめします。実際に、海外では病気予防のためにホルモン補充療法を行う方も多くいます。
40代以降の方でこれまで感じたことのなかった体調の変化や疲れやすさを感じた方は、もしかするとホルモンのバランスの乱れが原因かもしれません。20代~30代の方も、生理前の症状が強いPMSやPCOSのような症状がある方は、ナチュラルホルモン補充療法で改善が期待できる可能性も十分にあります。
ホルモンが減少することによって老化が促進されるという説もあり、ホルモン補充療法はエイジングケアに欠かせない側面を担う治療です。ホルモン補充療法で、体の中から若返りを目指してみてはいかがでしょうか。
内側からエイジングケアに興味がある方は、ぜひカウンセリングにお越しください。