「紅麹=危険」ではない!正しい知識を美容内科医が解説
みなさんこんにちは。
BIANCA美容内科指導医の前田陽子です。
美容内科指導医 前田陽子医師プロフィール
沖縄県立南部医療センター・こども医療センターで初期研修、京都府立医科大学放射線科、美容クリニックでの勤務を経て点滴療法研究会のセミナーで高濃度ビタミンC点滴と出会い、アメリカリオルダンクリニック リサーチフェローとして留学。米国抗加齢医学会の専門医試験に最年少で合格するなどの実績を持つ。
現在はBIANCA (ビアンカ)に美容内科指導医として在籍。美容内科指導医の役割は、身体を内側からケアして健康的な美しさにアプローチすること。身体の内側から老化を治療するエイジングケアのプロフェッショナルとして、ナチュラルホルモン補充療法やペプチド療法、サプリメント治療など、患者様に合わせた治療の提案により、体質を改善しいつまでも若々しく過ごすサポートを行う。
<所属学会・資格等>
・日本美容内科学会理事
・米国抗加齢医学会(A4M)専門医
・A4Mアンチエイジング・代謝・機能性医学フェローシップ
・米国先端医療学会キレーション専門医
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小林製薬の紅麹を含む食品の摂取により健康被害が生じているニュースが話題となりました。私のところにも「紅麹は危険なのか」などの質問が寄せられているので、今回は紅麹について解説していきます。
鮮やかな赤色が特徴!紅麹とはいったい何?
紅麹とは、穀物に紅麹菌というカビの一種を混ぜ、発酵させて作られるものです。実はこの紅麹、沖縄のご当地食品である豆腐ようや紹興酒、酢などの原材料として広く使われてきました。鮮やかな赤色が特徴で、食品の着色料として使われることもあります。紅麹の健康効果が注目を集め、サプリメントの成分として使われるようになりました。
紅麹の効果とは
私も多くの患者様に紅麹のサプリメントを処方してきました。紅麹で注目されているのは、コレステロールや血圧低下に対する効果。肝臓のコレステロール合成を抑えるためによく処方されるスタチン系製剤と、紅麹に含まれる成分の1つ「モナコリンK」には同じ作用があるのが特徴です。
悪玉コレステロールなどの数値がすごく高い方には、とても切れ味良く働いてくれるサプリメントです。
「紅麹=危険」というわけではない!今回の紅麴サプリメントの問題点は?
紅麹は中国から伝わり日本でも使われてきた300年以上の歴史を持つ食品です。紅麹そのものが危険かというと、決してそんなことはありません。
小林製薬は紅麹を独自の発酵方法で大量培養しており、食品やサプリメントの原料として提供していました。あくまでも私の推測ではありますが、今回起こっている健康被害は紅麹そのものに問題があるわけではなく、製造過程で普段とは違うことが起こって生じたのではないかと思っています。
厚生労働省は紅麹培養のタイミングで青カビが混入して発生したプベルル酸が健康被害の原因であるという調査結果を発表しました。プベルル酸は青カビから発生する化合物。そのほかにも、通常では混入しない化合物も確認されたそうです。つまり、紅麹が健康被害の直接的な原因ではないことが明らかになっています。
内服中の紅麹サプリメントの安全性を確かめるには?
紅麹は危険でなくても、健康被害が起きているものと同一の紅麹を含む商品であれば危険性があるでしょう。私も「紅麹を含むサプリメントは大丈夫?」といった相談を受けることがあります。そこでまずおすすめしているのは、サプリメント会社に問い合わせることです。
サプリメント会社は、『使用している紅麴が小林製薬の原料かどうか』『問題のロットに近い製品かどうか』という点まで詳しく教えてくれます。
小林製薬の紅麹を使用したサプリメントでない場合は、そのまま継続して飲まれてよいと思います。小林製薬の紅麹だった場合でも、近いロット番号ではないのであれば飲んでいただいて問題はないでしょう。
サプリメントそのものは足りない栄養を補うことのできる便利なものです。紅麹そのものに危険性があるわけではないことも理解したうえで、必要なサプリメントを選択しましょう。また、用法用量を守って服用することも大切です。
サプリメントに関する疑問があれば、ぜひカウンセリングでご相談ください。体の内側からのエイジングケアについて、美容内科医の観点で提案させていただきます。