高濃度ビタミンC点滴の添加物を美容内科医が解説!
高濃度ビタミンC点滴を受ける前に知っておきたいのが、薬剤に含まれる添加物についての知識。
今回はBIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)美容内科指導医・前田陽子医師が、代表的な日本製のビタミンC注射液に含まれる添加物の種類や使用量の目安を解説します。
高濃度ビタミンC点滴を受けるなら知っておきたい!国産ビタミンC注射液に含まれる添加物
そもそも「フソーのビタミンC注射液」は、最大2gで使うことが想定されています。
つまり、10gとか20gを超えるような量で点滴することはそもそも想定して作られていないんです。
フソーのビタミンC注射液には、ピロ亜硫酸ナトリウムやチオグリコール酸ナトリウムといった添加物が入っています。
どのような成分がどれくらい含まれているのかご紹介しますね。
添加物① ピロ亜硫酸ナトリウム10㎎
ピロ亜硫酸ナトリウムは、酸化防止剤や変色防止剤として添加されており、たくさん投与されると、喘息のようなアレルギー症状を引き起こす可能性があります。
またワインの添加物と似ているため、ワインで喘息症状を起こす人には禁忌となります。
重篤なアレルギーを持つ患者さんもアナフィラキシーを誘発する危険があるので、大量投与、特に繰り返し投与は望ましくありません。
このピロ亜硫酸ナトリウムは、日本医薬品添加物協会による静脈内に投与する場合の最大混入量は40mgとなっているため、4Aを超えるとその基準を超えてしまいます。
添加物② チオグリコール酸ナトリウム10㎎
チオグリコール酸ナトリウムは、安定化剤、抗酸化剤として添加されており、こちらもたくさん投与されると、アレルギー反応をおこす可能性があります。
性質が似た薬として有名なのは、パーマ液に含まれるチオグリコール酸アンモニウム。これは接触性皮膚炎を引き起すことが知られています。
日本医薬品添加物協会による最大使用量は20mgとなっているため、2Aでオーバーとなります。
ただし、動物実験などの急性毒性、反復毒性等は5g投与など、かなり高容量でないと起こらないことが知られています。
「安さ」より「安心」重視で選ぶ視点を
もちろん、6gを超えたら必ず副作用が出て危険というわけではないため、副作用のリスクを承知のうえで国産のものを選ぶという考え方もあるかもしれません。
しかし、添加物が入っておらず、安全性高く使用できるビタミンC製剤が入手できるのに、それを使わないリスクをとるのはあまり合理的ではないなと思います。
また、このような危険性を患者さんへお伝えせず、安さを優先して、国産のビタミンC点滴製剤を使用しているクリニックがあるとしたら、十分注意していただきたいです。
皆さまには、美容医療に関する知識を身につけていただき、安さより、安心を重視して施術を選ぶリテラシーをもっていただけたらと思います。
まとめ|高濃度ビタミンC点滴は添加物までチェック!
高濃度ビタミンC点滴は、美容や健康に有用な選択肢ですが、その安全性は「何を使うか」によって大きく変わります。
特に日本製の製剤の場合は、使用量に比例して添加物のリスクが高まるため、必要に応じて添加物の少ない製剤を選ぶとよいでしょう。
高濃度ビタミンCを安心して取り入れたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
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※本記事は医師の見解に基づく一般的な情報提供を目的としており、診断・治療を目的としたものではありません。医療的な判断が必要な場合は、必ず医師にご相談ください。