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Dr’s BLOG / 先生のブログ一覧

2024-02-23

国産ビタミンC注射薬で高濃度ビタミンC点滴をするということ

フソー ビタミンC

 

みなさんこんにちは。BIANCAクリニック 美容内科指導医の前田陽子です。

前回の高濃度ビタミンC点滴のブログで、国産のビタミンC注射液には添加物が入っているから注意!という内容を書きましたが、具体的に何グラムまでなら安全なの?というご質問があったので、今日はそれについてもう少し詳しくご紹介しようと思います。

 

そもそも、上の写真であるような、フソーのビタミンC注射液は、最大2gで使うことが想定されています。つまり、10gとか20gを超えるような量で点滴することはそもそも想定して作られておらず、ピロ亜硫酸ナトリウムやチオグリコール酸ナトリウムといった添加物が入っています。

 

添加物① ピロ亜硫酸ナトリウム10㎎

ピロ亜硫酸ナトリウムは、酸化防止剤や変色防止剤として添加されており、たくさん投与されると、喘息のようなアレルギー症状を引き起こす可能性があります。またワインやの添加物と似ているため、ワインで喘息症状を起こす人には禁忌となります。
重篤なアレルギーを持つ患者さんもアナフィラキシーを誘発する危険があるので、大量投与、特に繰り返し投与は望ましくありません。

このピロ亜硫酸ナトリウムは、日本医薬品添加物協会による静脈内に投与する場合の最大混入量は40mgとなっているため、4Aを超えるとその基準を超えてしまいます。

 

添加物② チオグリコール酸ナトリウム10㎎

チオグリコール酸ナトリウムは、安定化剤、抗酸化剤として添加されており、こちらもたくさん投与されると、アレルギー反応をおこす可能性があります。性質が似た薬として有名なのは、パーマ液に含まれるチオグリコール酸アンモニウムで、これは接触性皮膚炎を引き起すことが知られています。

日本医薬品添加物協会による最大使用量は20mgとなっているため、2Aでオーバーとなります。(但し、動物実験などの急性毒性、反復毒性等は5g投与など、かなり高容量でないと起こらないことが知られています)

 

以上から、国産のビタミンC製剤を使った高濃度ビタミンC点滴(もしくは注射)をする場合、4gまでは安全性が高く、6gを超えると副作用のリスクが高くなるとも考えられます。

 

もちろん、6gを超えたら絶対に良くない副作用がでてしまうわけではないので、そのリスクを承知の上で国産のものを選ぶという考え方もあるかもしれませんが、添加物が入っておらず、安全性高く使用できるビタミンC製剤が入手できるのに、それを使わないリスクをとるのはあまり合理的ではないなと思います。

そしてもしもこのような危険性を患者さんへお伝えせず、安さを優先して、国産のビタミンC点滴製剤を使用しているクリニックがあるとしたら、患者さんにはリテラシーをつけていただいて、ご自身のお体に投与するものですので、十分注意していただきたいと思います。

 

まえだ

ja Japanese