善玉、悪玉コレステロールについて
みなさんこんにちは。BIANCAクリニック美容内科指導医の前田陽子です。
本日はインスタグラムでご質問いただきました「善玉、悪玉コレステロールについて、悪玉コレステロールは悪さばかりをするのですか?」、について少し詳しく書いていこうと思います。
ご質問をくださいましたクライアント様、いつもありがとうございます。
悪玉コレステロール、と言うと、一般にはLDLコレステロールを指すと思いますが、LDLコレステロールとは、肝臓で合成されたコレステロールを全身に運ぶ、運送業者のような役割をします。
一方、善玉と呼ばれるHDLコレステロールは、全身に運ばれ例えば細胞の修復(細胞の膜はコレステロールでできています)や、ホルモンなどを作った後に余ったコレステロールを回収するLDLとはまた別の運送業者さんのようなものです。
つまり、どちらも体に必要なもので、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールもなくてはならない働きをもっています。
ではなぜ、「悪玉」という不名誉な名前がつけられているかと言うと、LDLコレステロール自体は必要で別に体に悪いものではないのですが、このLDLコレステロールが酸化されて、酸化LDLコレステロールになると、少し様子が変わってきます。
ただのLDLコレステロールはそのようなことはないのですが、酸化LDLコレステロールは動脈硬化の原因となったりするので、悪玉と呼ばれてしまうのです。
また更に細かいことを言うと、血管内を流れる酸化LDLコレステロールが動脈硬化の素地を作るためには、血管にぺたっとくっつく必要がありますが、この受け皿(LOX)と酸化LDLコレステロールの指標であるLox−インデックスが高いと、低い人に比べて、脳梗塞のリスクが3倍、心筋梗塞のリスクが2倍高くなることが知られています。
がんの次に多い死因である脳血管疾患や心疾患の原因となる動脈硬化を、効果的に減らすためには、この酸化LDLコレステロールの原因となるLDLの多すぎる状態や、LDLが酸化されてしまうような、活性酸素が多い状態に対処しないといけない、ということになります。
もしもご興味のある方はこのLOX-インデックスを一度測定してみても良いかもしれません。