ビタミンD不足の東京都民は98%も!どんな症状が考えられるのか美容内科医が解説
みなさんこんにちは。
BIANCA美容内科指導医の前田陽子です。
美容内科指導医 前田陽子医師プロフィール
沖縄県立南部医療センター・こども医療センターで初期研修、京都府立医科大学放射線科、美容クリニックでの勤務を経て点滴療法研究会のセミナーで高濃度ビタミンC点滴と出会い、アメリカリオルダンクリニック リサーチフェローとして留学。米国抗加齢医学会の専門医試験に最年少で合格するなどの実績を持つ。
現在はBIANCA (ビアンカ)に美容内科指導医として在籍。美容内科指導医の役割は、身体を内側からケアして健康的な美しさにアプローチすること。身体の内側から老化を治療するエイジングケアのプロフェッショナルとして、ナチュラルホルモン補充療法やペプチド療法、サプリメント治療など、患者様に合わせた治療の提案により、体質を改善しいつまでも若々しく過ごすサポートを行う。
<所属学会・資格等>
・日本美容内科学会理事
・米国抗加齢医学会(A4M)専門医
・A4Mアンチエイジング・代謝・機能性医学フェローシップ
・米国先端医療学会キレーション専門医
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みなさんは普段、ビタミンDのサプリメントを摂取していますか?
最近はお肌のためにビタミンCやビタミンBのサプリメントを飲んでいる方も多いですよね。貧血対策として鉄のサプリメントを飲まれる女性もすごく増えてきたように感じます。
しかし、ビタミンDのサプリメントとなると、飲んでいる方は少ないのではないでしょうか。
ビタミンDとはどんな栄養素?
ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進したり、骨の成長を促したり、血中カルシウム濃度を調整したりという役割を担う栄養素です。丈夫な骨を作り維持するためには、ビタミンDが欠かせません。
ビタミンDが多く含まれているのは、以下のような食品。
<ビタミンDが豊富な食品>
◆いわし
◆かつお
◆鮭
◆しらす
◆しいたけ
◆まいたけ
◆卵黄
◆きくらげ
◆鶏もも肉
ビタミンDは肉やきのこ類にも含まれていますが、魚類に比較的多く含まれています。1日のビタミンDの推奨摂取量は、18以上の男女ともに8.5μg。たとえば焼き鮭なら1切れで1日の摂取量を満たすことができます。
さらに、日光浴により皮膚でビタミンDが合成されることもわかっています。
ビタミンD不足の日本人は多い!
健康な骨を作る大切な栄養素であるビタミンDですが、日本人はビタミンD不足の傾向にあることがわかっています。
2023年に慈恵会医科大学のグループが行った調査は、東京都在住に住む5,518人の方を対象にビタミンDの血中濃度を調べるというもの。
ビタミンD不足かどうかを示す数値は以下のとおりです。
<血中ビタミンD濃度の基準>
正常:30ng/ml以上
不足:20~30ng/ml
欠乏:20ng/ml以下
血中ビタミンD濃度が30ng/ml以上であれば正常なのですが、東京都民のおよそ19%がビタミンD不足、79%がビタミンD欠乏という結果になりました。
ビタミンD不足、ビタミンD欠乏の方を合わせると、実に98%の東京都民がビタミンD不足ということになります。今回の研究は東京都民に限られたものでしたが、現代人のほとんどがビタミンD不足といえるでしょう。
この研究を行った先生は、ビタミンDの欠乏者がこんなに多いとは思っていなかったそう。はじめは検査の機械が壊れたのではないかと思ったそうなのですが、何回測っても結果は同じ。東京都民のビタミンD不足が明らかとなったのです。
研究によると、若い方ほどビタミンD不足の傾向にあり、食生活の変化や太陽を浴びない生活などが原因ではないかと考えられています。
実際に栄養療法で血液検査を行うと、ビタミンDのサプリメントを飲んでいない方は10~20ng/mlの間、低い方だと1桁の方も。私たちの臨床的な感覚としても、ビタミンDが不足しているという見解は一致しています。
ビタミンDが不足するとどうなる?
ビタミンD不足は、いろいろな病気の原因にもなります。最も身近な症状としては、花粉症や原因不明の蕁麻疹が出やすくなるなど、アレルギーを引き起こしやすくなることです。
ビタミンDは骨を丈夫にする栄養素であるため、欠乏すると骨が弱くなって女性の場合は骨粗鬆症の原因にもなります。メンタル面では鬱々とした気持ちになりやすくなり精神的な症状を引き起こすほか、高齢者であれば認知症のリスクにもつながるでしょう。
さらには、免疫力の低下により、糖尿病、がん、自己免疫性疾患など病気のリスクが高まるという側面もあります。数年前に流行った新型コロナウイルス感染症も、ビタミンDが30ng/mlを超えている方と超えていない方と比較したときに、30ng/ml以下の方はコロナにかかりやすくなるという研究結果がありました。さらに、ビタミンDが不足している状態でかかってしまうと重症化しやすくなり、重症化した方は死亡に至りやすいという結果が世界中から報告されています。
ほとんどの現代人がビタミンD不足の可能性大!
東京都民の98%が不足しているビタミンD。欧米型の食生活に変化し、魚を食べる習慣が減っているのも要因の1つかもしれません。今回発表された研究結果は、現代人の生活において、しっかりとビタミンDを摂取するのが難しいことの表れでもあります。
普段意識的にビタミンDを摂取していない方や、ビタミンDのサプリメントを飲まれていない方は、98%不足しているもしくは欠乏しているといえるでしょう。
毎日ビタミンDを含む献立にするのが難しい方は、ビタミンD不足対策としてサプリメントの摂取をおすすめします。
体の健康はエイジングケアの重要な一環です。ビタミンDのサプリメントはあまり高いものではありません。ビタミンDがどれだけ不足しているか知りたい方は、ぜひカウンセリングまでお越しください。血液検査により、体に不足している栄養素をチェックして、美容内科医の立場からエイジングケアをサポートさせていただきます。