コラム
2026.09.09
ダキシファイとボトックスの違いは?従来のボツリヌストキシン製剤と比較
「病気を治す」こと以上に、「人生をより豊かに、美しくする」お手伝いがしたいという想いから美容医療の道へ。得意施術は、ヒアルロン酸・ボトックス・糸リフト。その人らしさや上品で自然な美しさを引き出す施術を提供しています。皮膚科だけでは改善が難しい目元の悩みにも外科手術で対応し、皮膚科と外科の融合でトータルに顔のバランスを整えます。3度の海外留学経験があり、英語での診療にも対応可能です。

「ダキシファイはボトックスと何が違う?」「約6ヶ月持続するなら、ダキシファイの方が良い?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
一般に「ボトックス」と呼ばれる治療には、複数のボツリヌストキシン製剤があります。
ダキシファイ(DAXXIFY®)もその一つですが、ボトックスビスタ®とは製剤設計や臨床試験で報告されている持続期間などが異なります。
BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)では、こうした製剤ごとの特徴だけでなく、表情の動きや筋肉の強さ、希望する仕上がりまで確認して治療を検討します。
この記事では、ダキシファイとボトックスビスタの違いと、ボツリヌストキシン製剤を選ぶ際に考えたいポイントを解説します。
ダキシファイも「ボトックス」の一種?違いを整理
ダキシファイも、一般に「ボトックス」と呼ばれるボツリヌストキシン治療に使用されるA型ボツリヌストキシン製剤の一つです。
ダキシファイとボトックスビスタは製品としては異なりますが、どちらもA型ボツリヌストキシン製剤です。
ボツリヌストキシンは、神経から筋肉へ伝わる信号を一時的に抑えることで、筋肉の過度な収縮を和らげます。そのため、表情筋の動きによってできるシワなどの治療に使用されています。
一方、「ボトックス」は本来、特定の製品に使われる名称です。日常的にはボツリヌストキシン治療全般を指して「ボトックス」と呼ぶことも多いため、少し分かりにくいかもしれません。
ダキシファイはまったく別の仕組みの治療ではなく、同じA型ボツリヌストキシン製剤の中で、製剤設計などに違いがある選択肢と考えると分かりやすいでしょう。
ダキシファイ自体の特徴や副作用について詳しく知りたい方は、ダキシファイとは?特徴や持続期間を医師が解説もあわせてご覧ください。
ダキシファイとボトックスビスタの違いを比較
ダキシファイとボトックスビスタでは、製剤設計や臨床試験で報告されている持続期間、日本での承認状況などが異なります。
主な違いを整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | ダキシファイ | ボトックスビスタ |
|---|---|---|
| 分類 | A型ボツリヌストキシン製剤 | A型ボツリヌストキシン製剤 |
| 有効成分 | daxibotulinumtoxinA-lanm | onabotulinumtoxinA |
| 製剤の特徴 | RTP004という合成ペプチドを使用 | 人血清アルブミンなどを含む |
| 持続期間 | 約6ヶ月 | 約3~4ヶ月 |
| 日本での承認 | 未承認 | 承認あり |
ダキシファイの大きな特徴として注目されているのが、独自のペプチドを用いた製剤設計と、約6ヶ月という持続期間のデータです。
ただし、表の数字だけを見て「長く続く方が優れている」と判断する必要はありません。持続期間の長さが自分にとってメリットになるかどうかまで考えることが大切です。
ダキシファイの特徴は独自のペプチド技術
ダキシファイはRTP004という合成ペプチドを用いた製剤設計が特徴です。ペプチド自体が筋肉の動きを抑えるわけではありません。
ダキシファイと従来のボツリヌストキシン製剤との違いとして、注目されるのが「ペプチド」です。

ダキシファイはA型ボツリヌストキシンに、RTP004という独自の合成ペプチドを組み合わせた製剤です。
RTP004は35個のアミノ酸からなるペプチドで、製剤を安定させるために用いられています。ここは少し誤解されやすいポイントです。
「ペプチドが入っている」と聞くと、美肌治療のような働きをイメージする方もいるかもしれません。しかし、表情筋の動きを抑える中心的な作用を担っているのはA型ボツリヌストキシンです。
ペプチドは美容成分として肌へ作用させるために配合されているものではなく、ダキシファイ独自の製剤設計を支える成分の一つと理解しておくとよいでしょう。
ダキシファイはボトックスより長く持続する?6ヶ月続く?
ダキシファイは、眉間の表情ジワを対象とした臨床試験で約6ヶ月(中央値24週)の持続が報告されています。
ただし、持続期間には個人差があります。ダキシファイが注目されている理由の一つが、約6ヶ月という持続期間です。
眉間の表情ジワを対象とした「SAKURA 1・2」という臨床試験では、ダキシファイを使用した後、「シワがない、または軽い」状態が続いた期間の中央値は約6ヶ月(24週)でした。[1]
また、ダキシファイと、ボトックスビスタと同じ有効成分であるオナボツリヌストキシンAを比較した臨床試験もあります。
この試験では、ダキシファイ40Uは中央値24週、オナボツリヌストキシンA 20Uは中央値19週という結果でした。[2]
また投与量の数字だけを見ると、「ダキシファイはボトックスの2倍量を使うの?」と感じるかもしれません。
しかし、ボツリヌストキシン製剤の「Unit(単位)」は製剤ごとに固有のため、単純に換算することはできません。
つまり、40Uだから20Uの2倍強く効く、という意味ではありません。ここでの単位数は、あくまで臨床試験で比較された条件として捉えてください。
また、「約6ヶ月」というデータがあるからといって、すべての方で同じ期間続くわけではありません。治療部位や筋肉の状態などによっても持続期間は変わります。
長く持続することはメリットだけではない
施術の間隔をできるだけ空けたい方にとっては、約6ヶ月の持続が報告されていることはダキシファイを検討する理由の一つになるでしょう。
一方で、私は「長く効けば効くほど良い」とは考えていません。
ボツリヌストキシン治療は、ヒアルロン酸注入のように溶解剤を使ってすぐ元の状態に戻すことはできません。
効き方が強いと感じた場合も、基本的には作用が時間とともに弱まっていくのを待つことになります。
そのため、想定していたよりも表情が動かしにくいと感じた場合には、「長く続くこと」がかえってデメリットになる可能性があります。
とくに初めてボツリヌストキシン治療を受ける方は、「どのくらい長持ちするか」だけでなく、「どの程度表情を残したいか」まで考えて製剤を選ぶことが大切です。
ダキシファイとボトックスはどちらが良い?選ぶときのポイント
ボツリヌストキシン製剤を選ぶ際は、持続期間だけでなく、これまでの治療経験や表情の残し方、希望する施術間隔も大切です。
ボツリヌストキシン製剤を選ぶ際に、持続期間は分かりやすい比較ポイントの一つです。ただし、長く持続する製剤がすべての方に適しているとは限りません。
診察では、たとえば次のような点を確認しながら治療を検討します。
- どの部位を治療したいのか
- 表情筋がどの程度強いのか
- これまでのボツリヌストキシン施術でどのように効いたか
- 表情をどの程度残したいのか
- 施術間隔をどのくらい空けたいのか
これまでボツリヌストキシン施術を受けており、自分にとって好みの効き方がある程度分かっていて、施術間隔をできるだけ空けたい場合には、約6ヶ月の持続が報告されているダキシファイが選択肢となることがあります。
一方、初めて治療を受ける場合や、まずは表情の変化を見ながら治療していきたい場合には、「長持ちする」という一点だけで製剤を決めないという考え方も取り入れましょう。
ビアンカクリニックでは、製剤名だけで治療を決めるのではなく、表情や筋肉の動き、これまでの治療歴、希望する仕上がりを確認しながら、使用する製剤や投与方法を検討します。
ダキシファイとボトックスの違いに関するよくある質問
ダキシファイとボトックスについて気になる、製剤の違いや持続期間、単位数、副作用について回答します。

Q. ダキシファイはボトックスの一種ですか?
A. ダキシファイも一般に「ボトックス」と呼ばれるボツリヌストキシン製剤による施術に使用される製剤の一つです。
ただし、厳密にはボトックスは製品名であり、ダキシファイやナボタなどとは異なるA型ボツリヌストキシン製剤を指します。
Q. ダキシファイは本当に6ヶ月持続しますか?
A. 眉間の表情ジワを対象とした臨床試験では、約6ヶ月の持続が報告されています。
ただし、これは全員が6ヶ月間同じように効果を感じられるという意味ではなく、持続期間には個人差があります。
Q. 長く持つならダキシファイの方が良いですか?
A. 一概にはいえません。施術間隔を空けたい方にはメリットになり得ますが、表情の変化が想定と異なった場合には、長く持続することを負担に感じる可能性もあります。
持続期間だけでなく、治療経験や希望する仕上がりを踏まえて選択することが大切です。
Q. ダキシファイ40単位はボトックス20単位と同じですか?
A. 同じではありません。臨床試験ではダキシファイ40UとオナボツリヌストキシンA 20Uが比較されていますが、Unitは製剤ごとに固有です。
単位数をそのまま換算したり、数字だけで作用の強さを比較したりすることはできません。
Q. ダキシファイの副作用はボトックスと違いますか?
A. ダキシファイでは、頭痛や眼瞼下垂、注射部位の痛みや腫れなどが報告されています。
副作用は製剤だけでなく施術部位や投与方法なども関係するため、施術前に起こり得るリスクについて医師に確認しておくことが大切です。
ダキシファイとボトックスは「長持ちするか」だけでなく仕上がりまで考えて選ぼう
製剤選びでは持続期間だけでなく、表情の残し方やこれまでの治療経験、希望する施術間隔まで含めて考えることが大切です。
ダキシファイとボトックスビスタは、どちらもA型ボツリヌストキシン製剤ですが、製剤設計や臨床試験で報告されている持続期間などに違いがあります。
ダキシファイでは、眉間の表情ジワに対して約6ヶ月の持続が報告されています。ただし、長く作用することがそのまますべての方にとってメリットになるわけではありません。
ボツリヌストキシン製剤の注射施術では、筋肉の強さや治療部位だけでなく、「どの程度表情を残したいのか」「どのくらいの間隔で施術を受けたいのか」まで含めて考えることが重要です。
BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)では、一人ひとりの表情や筋肉の動き、これまでの治療歴、希望する仕上がりを確認したうえで施術プランを検討します。どのボツリヌストキシン製剤が自分に合うか迷っている方は、カウンセリングでご相談ください。
参考文献