2024 日本美容外科学会 発表演題
こんにちは、BIANCA CLINICの雜賀です。
2024/5/30.31に開催された日本美容外科学会で、
アブクラックス形成について発表いたしました。
今回はその内容のダイジェスト版をお伝えします。
学会は写真撮影が禁止されていますので、
詳細が残せません。
この記事をもとに、脂肪吸引をする先生方が興味を持ち、
日本でもBody Contouring(体の輪郭形成)が、
メジャーになればと思い公開します。
腹部脂肪吸引とアブクラックス形成を組み合わせた、
ボディデザインの進展について。
現代の美容医療では、ただ単に外見を改善するだけでなく、
患者さんの自信と満足度を高めることが重要です。
特に腹部のデザインは、多くの人々が改善を望む主要な領域です。
この分野での最近のトレンドは、単なる脂肪吸引を超え、
より定義された腹筋を形成することに焦点を当てています。
今日は、これらの技術がどのように組み合わせられ、
効果的な結果を生み出しているのかを、
具体的なビフォー・アフターの写真と共に見ていきたいと思います。
対象患者は2023年1月から2024年3月までの
1年2カ月で経験した25症例です。
全症例でベイサーを使用しています。
患者選択はBMIが最低18、最高25で平均21.16でした。
年齢は最低22歳、最高41歳です。
その中から症例を提示します。
39歳の女性です。
腹部〜腰部にかけて全体的に皮下脂肪があります。
術後半年の時点で、全体的に細くなっただけでなく、
アブクラックスラインがあることで、強く引き締まって見えます。
このようなアブクラックスラインを形成するには、
解剖を理解した術前マーキングが非常に重要となっています。
アルフレッドホヨスはこのように定義してます。
ラインの強調度を3段階に分けています。
この中で東洋人の女性に好まれるのは、
青と黄色のラインを合わせたmoderete definitionまでです。
赤いラインはいわゆる6パック形成となります。
当院では25名すべての方が自然なラインをご希望され、
青と黄色のラインを採用しています。
そしてこれらを参考に、当院では5ステップでデザインしてます。
こちらが5ステップのマーキングです。
一つずつ解説していきます。
1:左右のウエストエリアを同定します。
肋骨下縁と腸骨稜の前上縁に囲まれる部位です。
息を大きく吸ってもらうことで容易に同定できます。
2:半月線です。
腹直筋と外腹斜筋の移行部です。
腹筋に力を入れてもらい、触診で同定します。
3:中線です。
臍から剣状突起に向けてまっすく伸びる正中線です。
4:鼠径三角です。
これは鼠径靭帯の上にある外腹斜筋の腱膜です。
この部位にしっかり陰影をつけることで、
鼠径部からウエストにかけて、
迫り上がるような、美しいくびれの始まりを作ることができます。
5:上胸部三角です。
半月線の上部、前鋸筋、外腹斜筋の間の三角です。
手術直後の状態です。動画とは別患者になります。
ここから1−2週間は浮腫みのため、
ラインが不明瞭になっていきます。
この時点で既に、
アブクラックスラインが形成されていることが重要です。
先ほどの症例の経過です。
上が術前です。
脂肪量は少ないタイプですが、引き締まった、
メリハリのあるボディーラインを作りたいというご希望でした。
下が術後6ヶ月です。
全体的にスッキリし、腹直筋のラインが出て、
くびれが形成されたのがわかります。
ライン形成のためには、陰影をつけることが必要です。
そのためには皮下脂肪の厚みをコントロールする必要がありますが、
厚みによってラインを作るという感覚だと、
取り残しを感じてしまいます。
➀のように浅層脂肪の厚みを減らさずにライン形成すると
このように残存脂肪の柔らかさが残ってしまいます。
➁のように浅層脂肪もある程度取り切った上で、
ライン上をさらに薄くするという感覚で吸引するのが良いと考えています。
つまり、ボリュームではなく、影でデザインするということです。
結語です。
・解剖学に基づいた5ステップマーキングを行う
・取り残しがないように浅層脂肪まで吸引する
・ボリュームではなく、影で立体感を見せる
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