エピジェネティッククロック検査とは?ビアンカの美容内科医 前田陽子が解説!
医学の進歩により老化のメカニズムが解明されつつあるなか、ただ単に長生きするのではなく、健康的に長生きして人生を楽しむことを意味するロンジェビティ(Longevity)という考え方が広がりつつあります。
そして、ロンジェビティ(Longevity)のための1つの指標となるのがエピジェネティッククロック検査です。
エピジェネティッククロック検査とは?
エピジェネティッククロック検査とは、生物学的年齢の測定方法です。老化とは、成人早期から始まる自然な変化の過程で、身体機能が徐々に低下していくことと定義されています。
誰にでも起こる変化ではありますが、老化の速度には個人差があります。老化のスピードをチェックできる、これがエピジェネティッククロック検査の特徴です。生物学的年齢を測る方法はいろいろありますが、現時点で最も信頼できる指標とされています。
暦年齢と生物学的年齢の違い
暦年齢が同じでも、若く見える方と老けているように見える方がいます。これは、老化の進み具合の違いが原因。人間の老化スピードは個人差が大きく、暦年齢と比例しないため、実年齢よりも若く見える方も老けて見える方もいます。
老化の進み方を示す指標として用いられるのが生物学的年齢です。暦年齢と生物学的年齢の差を比較することで、自分の老化の進行度合いを把握することができます。
生物学的年齢の測定方法にはいくつか種類がありますが、その1つがエピジェネティッククロック検査です。
<暦年齢と生物学的年齢>
◆暦年齢…生まれてからの経過年数で表す。同じ暦年齢であっても、体の状態や機能には個人差がある。
◆生物学的年齢…体の組織や細胞の状態に基づいて表される年齢。体の機能や老化の進行度合い、加齢関連疾患リスクを反映する。
エピジェネティッククロック検査の仕組みは?
エピジェネティッククロック検査の仕組みを理解するには、まずDNAのメチル化について説明しなければなりません。さまざまな研究により、生物学的年齢とDNAのメチル化には相関性があることがわかっています。
DNAとは、細胞の核の中にある私たちの体を作る設計図です。DNAの配列は生涯変わりませんが、DNAにメチル基がくっつくと遺伝子の発現が変化します。メチル基がDNAに結合することをDNAのメチル化といい、たとえば生成されるタンパク質が変化することで、結果として白髪やシワなどの老化のサインが生じます。
エピジェネティッククロック検査は、老化とともにDNAに結合するメチル基のパターンを測定。DNAの特定部分における微細な化学変化をAIで分析し、生物学的年齢を割り出します。
◆DNAのメチル化…遺伝情報が収められているDNAにメチル基という分子がついたり離れたりすることで、遺伝子の発現を抑制すること。
DNAのメチル化は老化と関連があることも研究の結果明らかになっている。
エピジェネティッククロックによって測定される生物学的年齢は、見た目の老化と関連があることもわかっています。つまり、生物学的年齢の若返りを叶えることができれば、見た目も若々しくなるということ。
ここで、ある研究をご紹介しましょう。
以下のグラフは、健康な成人における生物学的老化のDNAメチル化測定に対する長期カロリー制限の影響を調査した論文に掲載されているもの。自由な食事(AL)とカロリー制限(CR)での老化指標の変化が示されています。
引用:https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.09.21.21263912v1.full
この研究では、DunedinPACE(右下のグラフ)という老化のスピードを測る指標において、カロリー制限が老化のペースを遅くする可能性が統計的に確認されました。カロリー制限が完全に「老化を止める」というわけではありませんが、「老化の進み具合を遅くする助けになる」かもしれない、という結果が見えてきたのです。
アンチエイジング医学において老化速度はコントロール可能という認識になりつつある現在、生物学的年齢の若返りを目指すアプローチも可能です。たとえばサプリメントで必要な栄養素を摂取する、自分に合った栄養素や食べ物を知る、定期的に筋トレやスポーツをするなど、普段の生活から意識できることも多いでしょう。さらに、ホルモン補充療法や点滴療法など、医療的なアプローチもあります。
まずは、生物学的年齢を把握することがエイジングケアの第一歩です。
エピジェネティッククロック検査以外の生物学的年齢を調べる方法
これまでは、テロメアの長さにより遺伝子年齢を測るテロメアテストや体内の糖化度で老化物質の蓄積を図るAGEs(体内糖化度検査)などにより生物学的年齢を見える化していました。
◆テロメアテスト…テロメアの長さから遺伝子年齢を測る方法。
テロメアは染色体の末端にあり、染色体を保護する役割を担う構造体。細胞分裂を繰り返すことでテロメアが短くなり、短いと疾病につながりやすいといわれている。
◆AGEs検査(終末糖化産物検査)…AGEsが体内にどのくらい蓄積しているかを測定し、糖化度を測定する方法。
AGEsとは、Advanced Glycation Endproducts(最終糖化産物)の頭文字をとった言葉で、過剰に摂取した糖質とたんぱく質が結びつき生成される老化物質のこと。採血によりAGEsの1つである物質ペントシジンの量を測定する。
数ある検査方法の中で、現時点で最も信頼性が高い指標として評価されているのがエピジェネティッククロック検査です。エピジェネティッククロック検査が登場したのは、2020年初頭。アメリカをはじめ、海外のアンチエイジングクリニックでさまざまな病気の発生率や死亡率、老化に関連する体の年齢を反映する方法として広く利用されています。
老化に関連する研究を行ううえで、世界的に有名な大学でもエピジェネティッククロック検査を使った臨床試験が多く行われていることからも、信頼度の高さがうかがえます。
エピジェネティッククロック検査ならビアンカクリニックへ!
「体の老化度をチェックして若返りたい!」「どこで生物学的年齢を測定できる?」という方は、ぜひビアンカクリニックにご相談ください。ビアンカクリニックはロンジェビティ(Longevity)に注目して、日本でエピジェネティッククロック検査を行っている数少ないクリニックの1つ。エピジェネティッククロック検査により生物学的年齢がわかるのはもちろん、一人ひとりに合ったエイジングケアの提案や現在の健康状態、病気のリスク、予防方法などを提示し、体の内側から生物学的年齢の若返りを図る医学的なアプローチを検討します。エイジングケアやロンジェビティ(Longevity)に興味のある方は、ぜひカウンセリングにお越しください!
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ビアンカクリニック美容内科指導医
前田陽子医師プロフィール
https://biancaclinic.jp/doctor/maeda/
沖縄県立南部医療センター・こども医療センターで初期研修、京都府立医科大学放射線科、美容クリニックでの勤務を経て点滴療法研究会のセミナーで高濃度ビタミンC点滴療法と出会い、アメリカリオルダンクリニック リサーチフェローとして留学。米国抗加齢医学会の専門医試験に最年少で合格するなどの実績を持つ。
現在はBIANCA CLINIC (ビアンカクリニック)に美容内科指導医として在籍。美容内科指導医の役割は、体の内側を整える方法を提案して健康的な美しさにアプローチすること。女性の更年期障害はもちろん、男性更年期障害、疲労回復、FAGA(女性の薄毛)、ED(勃起障害)、筋肉増強など、さまざまな体の不調や悩みにも対応。体の内側から老化を治療するエイジングケアのプロフェッショナルとして、再生医療や先進医療を用いた診療方法の中から患者様に合わせた治療を提案。体質を改善し生物学的年齢の若返りを目指すアプローチで、単に寿命を延ばすのではなく健康的に長生きするロンジェビティ(Longevity)に向けたサポートを行う。
<美容内科の診療内容>
◆男性更年
◆FAGA
◆生物学的年齢(エピジェネティッククロック・生物学的年齢検査)
◆筋肉増強
◆ペプチド療法
◆ホルモン補充療法(HRT)
◆オーソレモキュラー栄養療法
◆水素療法
◆NMN点滴療法
◆エクソソーム注射
◆浄化濃縮幹細胞培養上清液点滴
◆高濃度ビタミンC点滴
◆プラセンタ注射 など
<所属学会・資格等>
◆日本美容内科学会理事
◆米国抗加齢医学会(A4M)専門医
◆A4Mアンチエイジング・代謝・機能性医学フェローシップ
◆米国先端医療学会キレーション専門医
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