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コラム

2026.11.05

ペプチド療法が向いている人は?悩み別の適応と製剤選びを解説

前田 陽子
監修医師
美容内科指導医/米国抗加齢医学会(A4M)認定専門医 前田 陽子

美しさを最大限に引き出すには、外側だけでなく内側のケアが欠かせません。海外では一般的なペプチド療法など先進的なエイジングケアを、日本の患者様にも届けたいと考えています。美容内科的アプローチは即効性こそ控えめですが、美と若さを支える土台づくりの要。栄養療法や生活習慣改善に加え、ホルモン補充・ペプチド療法・再生医療を組み合わせ、一人ひとりに適した治療計画を提案。内側からの健康と美しさを長期的にサポートしていきます。

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ペプチド療法は、性機能や体組成、肌・毛髪、組織の回復などの悩みから検討される施術です。ただし、製剤ごとに作用や医学的根拠が異なるため、適応は個別に判断します。

 

「ペプチド療法には種類がたくさんあるけれど、自分にはどれが合うの?」

 

健康維持やエイジングケアの一環として注目されるペプチド療法(長寿医療)。実は、製剤によって働きかける対象が大きく異なります。

筋肉量が気になる方と、性生活の変化に悩む方では、検討する製剤も変わってくるのです。

 

BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)では、複数のペプチド製剤を取り扱っています。今回は、どのような方がペプチド療法を検討できるのか、製剤の選び方や注意点も含めて解説します。

ペプチド療法が向いているのはどのような人ですか?

ペプチド療法は、性機能や体組成、肌のコンディションなど、特定の悩みに対して医学的なアプローチを検討したい方の選択肢となることがあります。

 

ただし、年齢を重ねたから、疲れを感じるからという理由だけで、誰にでも向いているわけではありません。

 

ここで知っていただきたいのは、ペプチド療法が1つの薬剤を指す言葉ではないということ。

 

同じメニュー名でも、使用する製剤によって作用する仕組みや研究の進み具合が異なります。そのため、まずはどのような変化を求めているのかを明確にすることが重要です。

 

ペプチドの基本的な働きや治療の仕組みについては「ペプチド療法とは?期待できる効果・メリット・デメリット」で詳しく解説しています。

悩み・目的別に考えるペプチド療法が向いている人

同じペプチド療法でも、製剤によって働きや研究状況は異なります。ビアンカクリニックで扱う製剤を例に、どのような悩みで検討されるのか見ていきましょう。

集中力や記憶力の変化が気になる人

「仕事中、以前ほど集中が続かない」。そんな方が関心を寄せる製剤の1つが、セマックス(Semax)です。神経系への作用が研究されており、ビアンカクリニックでは点鼻薬を扱っています。

 

睡眠不足や貧血など、不調の原因が別にないかを確認することも大切です。

性欲の低下や性生活の変化が気になる人

性欲の変化に関連して検討されるのが、PT-141(ブレメラノチド)です。性的欲求に関わる神経系に作用し、ビアンカクリニックでは点鼻薬と自己注射製剤を取り扱っています。

 

米国で承認されているのは、一定の条件を満たす閉経前女性の性的欲求低下障害に対する皮下注射製剤です。[1]

 

性欲の低下には、ホルモン状態や服用中の薬、心理的な要因なども関係します。勃起機能の悩みとも区別しながら、原因に合う方法を考えます。

筋肉量の維持や体組成の変化が気になる人

運動を続けていても筋肉量を維持しにくい、お腹まわりの脂肪が気になる。こうした体組成の悩みに関連する製剤が、イパモレリンとテサモレリンです。

 

イパモレリンは成長ホルモンの分泌を促す作用が研究されるペプチド。一方、テサモレリンは成長ホルモン放出因子の類似体で、米国ではHIV感染に伴う腹部脂肪の増加に対して使われています。[2]

 

筋肉量を保ちたいのか、腹部脂肪を減らしたいのか。目的を分け、食事・運動習慣や健康状態も踏まえて検討します。

肌や毛髪の健康を内側から考えたい人

肌のハリや毛髪の変化が気になる方には、GHK-Cu(銅ペプチド)も選択肢として話題に上がります。皮膚の修復やコラーゲン産生との関係が研究されている成分です。

 

詳しい特徴は「GHK-Cu(銅ペプチド)とは?ペプチド療法に新たな選択肢が登場」で解説しています。

けがや手術後の組織の回復に関心がある人

BPC-157やサイモシンβ4は、組織修復に関わる作用が研究されています。

脂肪吸引や豊胸などによる外科施術後に、傷が固くなることを防ぎ、ダウンタイムを緩和する作用も注目されているペプチドです。

ペプチド療法が向いていない可能性があるケース

ペプチド療法は、悩みが当てはまれば必ず受けられる治療ではありません。健康状態や治療目的によっては、別の方法を優先したほうが良い場合もあります。

 

例えば、次のようなケースでは慎重な判断が必要です。

 

  • 疲労感や集中力の低下などについて、原因となる疾患が疑われる場合
  • 妊娠中・授乳中・妊娠を予定している場合
  • 持病や服用中の薬が、製剤の使用に影響する可能性がある場合
  • 競技スポーツに参加しており、ドーピング規制に関係する製剤を検討している場合

 

とくに注意したいのが、製剤によって禁忌や副作用が異なるという点です。

 

例えば、PT-141の注射製剤には吐き気や頭痛、一時的な血圧上昇などのリスクがあり、米国の承認製剤ではコントロールされていない高血圧や既知の心血管疾患が禁忌とされています。[1]

 

また、成長ホルモンに関係する製剤では、糖代謝や腫瘍性疾患の既往なども考慮する必要があります。

 

ペプチドは体内にも存在する物質ですが、それだけで安全性が保証されるわけではありません。禁忌に該当するのか、希望する目的に合わないのかを区別しながら、適応を考えることが重要です。

 

ビアンカクリニックでは豊富なペプチド製剤をどう選び分ける?

ペプチド療法で私が重視しているのは、製剤を選ぶ前に、患者さまがどのような変化を求めているのかを整理すること。

 

ビアンカクリニックでは複数のペプチド製剤に加え、栄養療法やホルモン補充療法なども取り扱っています。だからこそ、特定の製剤を使うことだけを目的にせず、健康状態や治療の必要性を確認しながら選択肢を検討しています。

悩みの背景や健康状態を確認する

例えば、筋肉量の減少が気になる場合でも、その背景には栄養不足やホルモンの変化など、さまざまな要因が考えられます。

 

大切なのは、製剤を選ぶ前に体の状態を把握すること。ビアンカクリニックでは、問診や診察に加え、必要に応じて採血・唾液検査なども行い、治療の必要性や製剤ごとの作用・安全性を踏まえて適応を判断します。

投与方法や生活スタイルも選択の判断材料に

ペプチド療法には、内服・点鼻・自己注射などの投与方法があります。

 

ただし、すべての製剤で好きな投与方法を選べるわけではありません。ビアンカクリニックで取り扱う製剤を、投与方法別に整理すると次のとおりです。

 

製剤 内服 点鼻 自己注射
シリンジ
自己注射
ペン型
セマックス ー 〇 ー ー
PT-141 ー 〇 〇 〇
イパモレリン ー ー 〇 〇
テサモレリン ー ー 〇 〇
GHK-Cu ー ー ー 〇
BPC-157 〇 ー 〇 〇
サイモシンβ4 ー ー 〇 〇

※実際の適応や投与方法は医師が判断します。

 

投与方法からペプチドを選ぶのではなく、大切なのは、まず悩みや健康状態に合う製剤かどうか。そのうえで、日常生活に無理なく取り入れられる方法を考えていきます。

ペプチド療法以外の選択肢も含めて検討する

患者さまが求めている変化によっては、ペプチド療法以外の方法が適していることもあります。

 

例えば、ホルモンの不足が関係する不調であればホルモン補充療法、栄養状態に課題があれば栄養療法が選択肢になる場合も。

 

今の状態に何が必要で、どのような変化を目指すのか。そこを明確にしてから治療を考えることが、長期的な健康管理につながると私は考えています。

ペプチド療法が向いている人に関するよくある質問

ペプチド療法を検討する際に、適応や製剤の選び方についてよくある疑問をまとめました。

Q1.ペプチド療法は何歳くらいから検討できますか?

一律に何歳からと決まっているわけではありません。

 

製剤ごとに研究対象や使用条件が異なるため、年齢だけでなく、健康状態や治療目的を踏まえて判断します。

Q2.複数の悩みがある場合は、どうやって製剤を選びますか?

複数の悩みがあっても、その数だけ製剤が必要になるわけではありません。

 

まずは症状の原因や優先したい目的を整理することが大切です。製剤ごとの作用や安全性も踏まえ、適した治療を検討します。

Q3.注射が苦手でもペプチド療法を受けられますか?

ビアンカクリニックでは、自己注射のほか、内服薬や点鼻薬も取り扱っています。

 

ただし、製剤によって使用できる投与方法が異なります。注射以外の方法を希望する場合も、まずは目的に合う製剤があるか確認することが大切です。

Q4.とくに不調がなくても、健康維持のために受けられますか?

明確な不調がなくても、健康維持やコンディション管理を目的にご相談いただけます。

 

ビアンカクリニックが大切にしているのは、美容だけでなく健康も見据えた医療です。現在の体の状態や目的を踏まえて適応を判断します。

Q5.運動をしている人なら、筋肉量の維持を目的にペプチド療法を受けられますか?

筋肉量や体組成への作用が期待できるペプチド療法があります。

 

ただし、イパモレリンやテサモレリンなどは、競技スポーツにおける禁止物質に該当します。[3] 競技に参加している場合は、使用前に必ず確認が必要です。

ペプチド療法(長寿医療)は自分に合う選択が大切

ペプチド療法は、製剤によって作用も投与方法も異なる治療です。

集中力や性機能、体組成、肌のコンディションなど、さまざまな目的で研究されています。

 

大切なのは、今の状態にあったペプチドを選ぶこと。

 

BIANCA CLINICでは、患者さまの健康状態や希望する変化を踏まえ、ペプチド療法が必要かどうかも含めて検討しています。ご自身に適したアプローチを知りたい方は、美容内科のカウンセリングでご相談ください。

▶ペプチド療法の詳細を確認する

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参考文献・資料

[1] U.S. National Library of Medicine, DailyMed. VYLEESI (bremelanotide injection): Prescribing Information.
https://dailymed.nlm.nih.gov/dailymed/lookup.cfm?setid=f1d0c1b5-2f39-4bad-a6a4-0066e3ad5dcf

[2] U.S. National Library of Medicine, DailyMed. EGRIFTA WR (tesamorelin): Prescribing Information.
https://dailymed.nlm.nih.gov/dailymed/drugInfo.cfm?setid=839334d3-8c1d-4c26-9036-2ab524a6ea75

[3] 日本アンチ・ドーピング機構(JADA). 2026年禁止表国際基準.
https://www.playtruejapan.org/code/provision/world.html

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