コラム
2026.10.01
Boey®(ボーイ)のダウンタイムは短い?副作用や施術後の経過を医師が解説
「病気を治す」こと以上に、「人生をより豊かに、美しくする」お手伝いがしたいという想いから美容医療の道へ。得意施術は、ヒアルロン酸・ボトックス・糸リフト。その人らしさや上品で自然な美しさを引き出す施術を提供しています。皮膚科だけでは改善が難しい目元の悩みにも外科手術で対応し、皮膚科と外科の融合でトータルに顔のバランスを整えます。3度の海外留学経験があり、英語での診療にも対応可能です。

「Boey®は約2〜3週間で効果が弱まるなら、施術後のダウンタイムも短いの?」
Boey®について調べている方のなかには、このように考える方もいるかもしれません。
Boey®は、一般に「ボトックス注射」と呼ばれるボツリヌストキシン注射に用いられるE型ボツリヌストキシン製剤です。
作用が比較的早く現れ、持続期間が短いことが大きな特徴ですが、「効果が続く期間」と「施術後に赤みや内出血などが続く期間」は別のものです。
BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)では、こうした違いも含め、製剤の特徴だけでなく施術後の経過や副作用について理解しておくことが大切だと考えています。
今回は、Boey®のダウンタイムや施術後に起こり得る症状、副作用について解説します。
Boey®そのものの特徴について詳しく知りたい方は、「Boey®(ボーイ)とは?E型ボツリヌストキシン製剤の特徴を医師が解説」もあわせてご覧ください。
Boey®は持続期間が短いとダウンタイムも短い?
Boey®は約2〜3週間で効果が弱まる製剤ですが、効果の持続期間とダウンタイムの長さは同じではありません。
Boey®は、アラガン・エステティックス(アッヴィ社)によると、最短8時間ほどで効果が現れ、通常は約2〜3週間で弱まるとされています。[1]
一方、赤みや腫れ、内出血などのダウンタイム症状は、注射そのものによって生じる一時的な反応です。
そのため、「Boey®は短期間作用する製剤だから、赤みや内出血も早く治まる」とは一概にいえません。
実臨床では、ボツリヌストキシン注射後に大きく生活を制限する必要はなく、そのまま普段通りに過ごされる方が多い印象です。
赤みや腫れ、内出血などがみられることはありますが、通常は数日程度で落ち着いていきます。
Boey®施術後にはどのような症状が起こる?
Boey®の施術後には、注射に伴う赤みや腫れ、痛み、内出血などが一時的にみられることがあります。
Boey®は切開を伴う施術ではありませんが、針を使用して薬剤を注入するため、注入部分に赤みや腫れ、痛み、内出血などが出る可能性があります。
こうした症状はBoey®に限ったものではなく、ボツリヌストキシン注射全般で起こり得るものです。
ビアンカクリニックの実臨床でも、多くの方は施術後そのまま日常生活へ戻られています。
ただし、内出血が出た場合などは、見た目に影響することがあります。
ダウンタイムを完全になくすことはできませんが、施術後に注入部位へ強い刺激を加えないことも大切です。
Boey®で報告されている副作用は?
Boey®では、眼瞼下垂や眉毛下垂など、ボツリヌストキシン注射に関連する副作用が報告されています。
EUのBoey®製品情報では、眼瞼下垂0.17%、眉毛下垂0.13%、Mephisto sign(眉尻が外側に上がる状態)0.04%が報告されています。
頻度区分では、眼瞼下垂と眉毛下垂は「uncommon」、Mephisto signは「rare」に分類されています。[2]
また、EMA(欧州医薬品庁)によると、Boey®で確認された副作用は概ね軽度で重篤ではなく、他のボツリヌストキシン製剤でみられるものと類似していました。[3]
つまり、Boey®だからまったく異なる副作用が生じるというより、ボツリヌストキシン注射で知られている症状にも注意する必要があります。
ビアンカクリニックでは、副作用の可能性も踏まえ、表情筋の動きや注入部位などを確認しながら施術プランを検討することが重要だと考えています。
Boey®施術後はどう過ごす?
施術後は注入部位を強くこすったりマッサージしたりせず、施術直後の激しい運動も控えましょう。

Boey®だから特別な過ごし方が必要というわけではなく、基本的な注意点は一般的なボツリヌストキシン注射と共通します。
施術後は、注入部分を強くこすったりマッサージしたりするのは避けましょう。
洗顔やスキンケアをするときも、必要以上に力を加えないようにします。
また、米国皮膚科学会(AAD)では、ボツリヌストキシン注射後は激しい運動まで少なくとも2時間空けるよう案内しています。[4]
赤みや内出血だけでなく、まぶたや眉が下がるなど、普段と異なる変化が気になる場合は、自己判断で様子を見続けず医師へ相談してください。
Boey®と従来のA型ボツリヌストキシン製剤の違いについて詳しく知りたい方は、「Boey®(ボーイ)とボトックスの違いは?効果発現・持続期間・E型ボツリヌストキシンの特徴を比較」もご覧ください。
よくある質問
ここからは、Boey®(ボーイ)のダウンタイムや副作用について、よくある疑問を解説します。

Q. Boey®施術後は仕事を休む必要がありますか?
A. 多くの場合、長期間仕事を休む必要はありません。
ボツリヌストキシン注射は切開を伴わず、実臨床でも施術後そのまま普段通りに過ごされる方が多い施術です。
ただし、赤みや腫れ、内出血などが出た場合は、見た目に影響することがあります。
Q. Boey®は効果が短い分、ダウンタイムも短いですか?
A. 必ずしもそうではありません。
Boey®の約2〜3週間という期間は、眉間ジワに対する効果の持続期間を示したものです。
赤みや内出血などのダウンタイムが続く期間を示した数字ではありません。[1]
Q. Boey®でまぶたや眉が下がることはありますか?
A. あります。
EUの製品情報では、眼瞼下垂0.17%、眉毛下垂0.13%が報告されています。
[2]頻度は高くありませんが、気になる変化がみられた場合は医師へ相談してください。
Q. Mephisto signとはどのような状態ですか?
A. Mephisto signとは、眉尻が外側に上がり、眉の形が不自然に見える状態を指します。
Boey®のEU製品情報では0.04%に報告され、「rare」に分類されており、まれな副作用です。[2]
Q. Boey®は持続期間が短い分、副作用も少ないですか?
A. 持続期間が短いことだけを理由に、副作用が少ない、あるいは安全性が高いとは判断できません。
EMAでは、Boey®で確認された副作用は概ね軽度で重篤ではなく、他のボツリヌストキシン製剤でみられるものと類似していたとされています。[3]
Boey®のダウンタイムは一般的なボツリヌストキシン注射と大きく変わらない
Boey®(ボーイ)は短期間作用するE型ボツリヌストキシン製剤ですが、持続期間が短いからといってダウンタイムや副作用まで短くなるとは限りません。
Boey®は、比較的早く効果が現れ、約2〜3週間で弱まることを特徴とする製剤です。
一方、施術後には赤みや腫れ、内出血などが生じることがあり、眼瞼下垂や眉毛下垂といった副作用も報告されています。
「短期間で効果が弱まる」というBoey®の特徴と、「施術後にどのような症状が起こるか」は分けて理解しておくことが大切です。
BIANCA CLINICでは、製剤の特徴だけでなく、副作用や施術後の経過についてもお伝えしたうえで、一人ひとりに合ったボツリヌストキシン施術を検討します。
なお、Boey®(ボーイ)はE型ボツリヌストキシン製剤で、有効成分はトレニボツリヌストキシンEです。
2026年9月時点で日本では未承認ですが、2025年11月25日に成人の眉間の表情皺を対象とした国内製造販売承認が申請されています。[5]
参考文献
[2]European Medicines Agency. Boey – Product information.
[3]European Medicines Agency. Boey – EPAR.
[4]American Academy of Dermatology Association. Botulinum toxin therapy: FAQs.
[5]アラガン・エステティックス「日本においてトレニボツリヌストキシンEの眉間の表情皺に関する製造販売承認を申請」2025年11月25日。