全切開術後合併症、予定外重瞼線とは?
こんにちは、印象形成する美容外科医 夏目隆太郎 です
全切開、眼瞼下垂の手術後合併症の予定外重瞼線、ご存知ですか?
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予定外重瞼線とは?
元々予定していた二重ラインより高い場所にできる二重のような線を予定外重瞼線といいます
・元の線+予定外重瞼線→三重
・元の線はつかず、予定外重瞼線のみ→幅広二重
幅広を好む方もいますが、この場合両方に同じ幅で予定外重瞼線ができるわけではないので左右差の原因になります。
また狙って作った二重線ではないので食い込みも弱いです。
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原因は?
元々二重の手術というのは、皮膚と瞼の奥の連結構造を作って、目を開けた時に皮膚が織り込まれるにするものです。
切開ラインで織り込まれればいいのですが、それより上の皮膚と瞼の奥の組織が癒着してしまうと、予定より高い位置で織り込まれることがあります。
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どういう人がなりやすいか?
・修正症例(特に幅を狭める修正)
・瞼を薄くするROOF切除併用時
・元々目の開きが悪い人
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対応方法は?
予定外重瞼線は直後から現れる場合と、術後1週間後の抜糸時に分かる場合があります。
・直後:
術前からリスクがある場合、術直後から予定外重瞼線が出現した場合、吊り上げ固定という手技を用いて、二重になった状態で糸で固定します。吊り上げ固定中は目を閉じようとしても完全に閉じず半目気味になります。
目が乾燥しないように点眼や軟膏で保護します。
軽度であれば経過観察、もしくは袋とじ縫合という方法で二重の折り込みを補助することもあります。
この場合は目を閉じることができます。
・術後1週間後
大抵術後翌日から3日目で1番瞼が腫れた後から予定外重瞼線が出現し、抜糸でご来院いただいた際に発覚します。
吊り上げ固定または袋とじ縫合で対応します。
・術後1ヶ月以降:
それでも予定外重瞼線が残る場合は再手術を検討します。
同じラインを切開し、予定外重瞼下の瘢痕を剥離します。
眼瞼下垂手術を併用して二重の食い込みを強くしたり、再癒着予防に脂肪を介在させたり、吊り上げ固定行います。
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予定外重瞼線を起こさない工夫は?
他院の予定外重瞼線修正の依頼をいただくことも多いので、初回の切開手術でもその経験を活かしつつ、そもそも予定外重瞼線を起こさないような工夫を手術中に考えながら行ってます。
・瘢痕で予定外重瞼線になりそうな部位周辺の無意味な剥離をしない
・眼窩脂肪もしくはROOF脂肪を引き出してきて癒着予防にクッション剤として使用する
・眼瞼下垂手術で目の開きを良くして食い込みを強くしておく
・場合によっては予防的に吊り上げ縫合や袋とじ縫合など予定外重瞼線治療の処置を行う
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まとめ
本日は全切開、眼瞼下垂の術後合併症の一つである予定外重瞼線について解説しました。
早期に対応しないと再手術が必要になります。
合併症にも対応できるドクター選びをおすすめします。
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※美容医療にはさまざまな考え方があり、医師によって意見や方針が異なることもあります。発信内容はあくまで一つの参考としてお読みいただき、ご自身に合った納得のいく医療を選んでいただけたらと思います。
また、意図せず不正確な情報や誤解を招く表現が含まれていた場合は申し訳ありません。その際は適宜修正・補足させていただきます。
【プロフィール】
美容外科医 Dr.夏目隆太郎
https://biancaclinic.jp/doctor/natsume/
形成外科で特に目元や顔面骨を中心としたお顔の手術を多数執刀
目元の治療に関しては、見た目の美しさだけでなく、眼科的な機能面も非常に重要だと考え、より安全かつ確かな治療を提供するため、現在は眼科医としても研鑽を重ねている
メスを使う治療だけでなく、ヒアルロン酸注入などの切らない施術を積極的に取り入れ、
美容外科・美容皮膚科・形成外科・眼科といった多角的な専門的視点から
日本を代表する美容健康再生医療クリニックであるBIANCA CLINICにて最新美容医療を提供している
【経歴】
2020年 東京医科大学卒業 東京都済生会中央病院
2022年 東京慈恵会医科大学附属病院形成外科
2023年 東京慈恵会医科大学附属柏病院形成外科
2024年 BIANCA CLINIC
【所属学会/資格】
日本美容外科学会(JSAS)
日本形成外科学会正会員
日本頭蓋顎顔面外科学会正会員
日本眼科学会正会員
【SNS】
Instagramアカウント
https://www.instagram.com/dr.natsume?igsh=OHBvd3VtajV1bmY1&utm_source=qr