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Dr’s BLOG / 先生のブログ一覧

2025-09-16

脱毛の種類と効果、人種差、年齢、副作用

脱毛が若い世代や男性でも求められる時代になりました。剃毛によって刺激性皮膚炎や尋常性毛瘡、慢性膿皮症になりやすい方も脱毛はおすすめです。

よく種類や脱毛年齢について聞かれることがあるため、今回は脱毛の種類や適応についてまとめてみたいと思います。

皮膚科専門医の葉山愛弥です。

 

脱毛の種類

 

医療脱毛は、毛の黒い色(メラニン)にレーザーを当てて熱に変え、その熱で毛を作る細胞を壊すことで毛が生えてこなくなる仕組みです。専門的には「選択的光熱融解理論」と呼ばれ、毛だけを狙って効率よく熱を伝えることが可能です。ただし、肌にもメラニンがあるため、肌の色が濃い人ほどレーザーが皮膚に吸収されやすく、やけどのリスクが高くなります。そのため、肌のタイプや年齢、さらに男女の違いに合わせて適切なレーザーを選ぶことが大切です。

脱毛にはさまざまな種類があり、医療レーザー、光脱毛、ニードル脱毛、ワックス脱毛といった方法が代表的です。さらに医療レーザーの中でもアレキサンドライト、ダイオード、Nd:YAG、蓄熱式と複数の種類があり、それぞれに効果や向いている肌質が異なります。

 

医療レーザー脱毛の4タイプと特徴

 

医療レーザー脱毛には主に四つの種類があり、それぞれ波長の違いによって特徴が異なります。

アレキサンドライトレーザー(755nm)は毛のメラニンに強く吸収されやすく、白い肌で黒い毛に対して特に高い効果を発揮しますが、色黒肌では皮膚にも反応して火傷リスクが高まります。ダイオードレーザー(800〜810nm)は深達度とメラニンへの吸収のバランスが良く、日本人を含むアジア人の肌質にもっとも適しているといわれています。Nd:YAGレーザー(1064nm)は皮膚の奥深くまで届き、表面のメラニンに吸収されにくいため、黒人や日焼け肌でも安全に使用できますが、その分毛に対する反応はやや弱く、効果が出るまでに時間がかかることもあります。蓄熱式レーザー(主に810nm前後、SHR方式)は、従来のように一度に強い熱を与えるのではなく、弱いエネルギーを繰り返し当てて毛包全体をじわじわ温める仕組みです。痛みや火傷のリスクが少なく、色黒肌や産毛にも対応しやすい点が特徴です。

 

年齢による特徴

 

年齢によっても脱毛効果は変わります。10代ではホルモンの影響で毛が安定していないため、脱毛をしても再び毛が生えやすい傾向があります。20〜30代はホルモンバランスが安定しており、脱毛効果が得やすい時期です。40代以降の女性では体毛が薄くなる一方、口周りなどに新しく毛が生えることもあります。男性は年齢を重ねても濃い毛が残りやすく、特にヒゲ脱毛は高出力や回数が必要です。高齢になると肌の回復力が落ちるため、レーザー後の赤みや色素沈着が長引く傾向があり、設定を慎重に調整する必要があります。

男女差も大きな要因です。男性の毛は太く深い毛根から生えているため、女性よりも強い出力で施術する必要があり、ヒゲや胸毛などは効果が出るまで時間がかかります。一方で女性は毛が細く、産毛も多いため、アレキサンドライトやダイオードに加えて、産毛に有効な蓄熱式レーザーを組み合わせると効果的です。男女ともにホルモンの影響を受けやすい部位(口周りやVIO)は追加施術が必要になるケースもあります。

 

光脱毛(IPL脱毛)について

 

光脱毛(IPL脱毛)は、医療用レーザーとは異なり、500〜1200nm前後の幅広い波長の光を用いて毛根にダメージを与える方法です。エステサロンなどで行われることが多く、出力は医療レーザーより弱いため痛みが少なく、肌への負担も軽いとされています。ただしその分、効果はマイルドで、永久的な減毛効果は乏しいとされます。毛が完全になくなるのではなく、「毛が細くなる・生えるのが遅くなる」といった変化を期待する施術です。美容目的で気軽に始めやすい一方、確実な効果を求める方や永久的な脱毛を希望する方には医療レーザー脱毛が適しています。

 

光脱毛と医療レーザー脱毛の違い

光脱毛と医療レーザー脱毛はどちらも毛のメラニン色素に反応して毛根にダメージを与える点は共通していますが、仕組みと効果には大きな差があります。光脱毛(IPL)は広い波長を低い出力で照射するため痛みが少なく肌に優しい一方、エネルギーが分散するため効果は穏やかで、一時的な美容ケアに近いものです。対して医療レーザーはアレキサンドライト755nm、ダイオード800〜810nm、Nd:YAG1064nmといった単一の波長を高いエネルギー密度で照射するため、毛乳頭やバルジ領域にしっかり熱ダメージを与えることができます。その結果、長期的で確実な減毛効果が得られ、米国FDAでも「永久減毛」として認められています

 

白人・黒人など肌質や人種による適応の違い

 

当院では各国からの患者様も多いため、この点においても触れておこうと思います。

人種や肌の色によっても適応は異なります。白人のように肌が白く毛が濃いタイプでは、アレキサンドライトレーザーやダイオードレーザーが非常に効果的です。反対に黒人のように皮膚のメラニン量が多いタイプでは、波長が短いアレキサンドライトレーザーは火傷のリスクが高く不向きとされ、表皮のメラニンに吸収されにくいNd:YAGレーザーが推奨されます。

実際に米国皮膚科学会誌に掲載された報告では、肌タイプIV〜VI(いわゆる色黒〜黒人肌)における安全で有効な脱毛手段としてNd:YAGレーザーが最も推奨されています。一方で、白人やアジア人の中でも比較的肌が明るいタイプでは、アレキサンドライトレーザーが最も高い脱毛効果を示すと報告されています。

 

医療レーザー・光脱毛以外の方法

 

医療レーザー以外の方法としては、ニードル脱毛ワックス脱毛があります。

ニードル脱毛は毛穴に細い針を挿入して電流を流し、毛を作る細胞を直接破壊する方法です。レーザーでは効果の出にくい白髪や薄い毛にも対応できる唯一の手段ですが、1本ずつ処理するため時間がかかり、痛みや費用の負担も大きい点が課題です。

ワックス脱毛は専用のワックスを塗布して毛を根元から一気に抜き去る方法です。ただし毛を作る細胞を破壊するわけではないため数週間で再生し、長期的な効果は期待できません。短期間だけ毛をなくしたいイベント前などに利用されることが多く、エステサロンで施術されるケースが一般的です。

 

脱毛の回数と期間の目安

 

医療レーザー脱毛は、1回で永久的に毛がなくなるわけではありません。毛には「成長期」「退行期」「休止期」という毛周期がありレーザーが最も効果を発揮するのは成長期にある毛です。そのため、複数回に分けて照射を繰り返す必要があります。

一般的には、顔の産毛で8〜10回程度、脇やVIOのように毛が濃い部位では5〜6回程度で満足される方が多いです。照射の間隔は毛周期に合わせて1〜2か月ごとに行うのが目安で、全身脱毛を完了させるまでには1年から1年半ほどかかることが一般的です。

ニードル脱毛は1本ずつ処理をするため、広範囲を短期間で完了させるのは難しいです。ただし少量の白髪やレーザーで反応しにくい毛には有効です。ワックス脱毛は直後の仕上がりは美しいものの数週間で再び毛が生えるため、継続的な処理が必要になります。

 

脱毛で注意すべき副作用

 

脱毛は大きな効果が期待できる一方で、副作用が起こることもあります。照射によって赤みや腫れが一時的に出ることは珍しくなく、稀に火傷や色素沈着が生じるケースもあります。また、毛がかえって太く硬くなってしまう「硬毛化」と呼ばれる現象が起きることもあり、特に背中や上腕など産毛が多い部位で報告されています*3。これらは必ずしも頻繁に起こるわけではありませんが、可能性を理解しておくことが安心につながります。

 

ご自身に合った脱毛方法を

脱毛には医療レーザー、光脱毛、ニードル、ワックスと複数の方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。確実な効果を得たい方は医療レーザー、白髪や細かい毛にはニードル、気軽に一時的な処理をしたい方には光脱毛やワックスといったように、自分の目的や肌質に合わせた選択が大切です。

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