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コラム

2026.01.23

単独の鼻翼縮小(内側法)は要注意|ACR悪化につながる理由

藤橋 政尭
監修医師
日本形成外科学会認定 形成外科専門医 藤橋 政尭

日本形成外科学会認定 形成外科専門医として外傷・再建・先天疾患など多くの症例に携わり、精密な手技と深い解剖学的理解を培ってきました。見た目の変化が心まで前向きにする――そんな美容の力を患者様にも届けたいという思いから美容外科の道へ。得意としているのは、目元治療全般や注入治療、たるみ治療など。患者様の理想に誠実に向き合う」という診療スタンスで、美しさにこだわった施術を提供しています。

こんにちは!

「自然な美を、信頼でデザインする。」

形成外科専門医の藤橋政尭です。

 

鼻翼縮小、とくに内側法は「小鼻の広がりを抑えるシンプルな手術」と思われがちです。

しかし実際には、術式の選択を誤るとACR(Alar-Columellar Relationship:鼻翼と鼻柱の位置関係)が悪化し、かえってバランスの悪い鼻になるリスクがあります。

とくに注意が必要なのが、三日月状に皮膚を切除する内側法です。

この方法では構造上、鼻翼基部が下方へ引き込まれる変化が必ず生じます。

つまり、小鼻は狭くなっても、鼻翼と鼻柱の位置関係は崩れやすいということです。

 

 

■ ACRが崩れるメカニズム

引用元:『美容外科手術手技 鼻形成術 第1版』(克誠堂出版株式会社 2012年) p.15 図を一部改変して掲載

 

ACRが良好な状態とは、鼻柱基部と鼻翼基部の位置関係が「下向きの三角形」を描く配置です。

鼻柱がやや下方にあり、鼻翼が 鼻柱よりやや上の位置関係が、自然で美しい比率になります。

ところが、もともと鼻翼基部が下がっているタイプに対して内側法だけを行うと、

鼻翼基部がさらに下方へ移動し、ACRは一気に悪化します。

結果として鼻柱が相対的に引っ込んで見え、正面から見たときに違和感のある鼻になります。

 

 

■ 鼻翼縮小だけが適応とは限らない

このようなケースでは、鼻翼縮小単独の手術は危険です。

むしろ検討すべきなのは、

・鼻中隔延長

・猫手術(鼻柱基部形成)

・鼻柱下降術

といった、鼻柱側をコントロールする手術です。

鼻中隔延長は「鼻柱を下げるため」という目的だけに行うではありませんが、結果的に土台から鼻先が高くなることで、結果的に鼻柱が下がる傾向にあります。

さらに鼻先が高くなることで鼻翼も自然に引き伸ばされ、小鼻の張り出し自体が目立たなくなるケースも少なくありません。

つまり、鼻中隔延長を行うことで、鼻翼縮小をしなくて済むケースは意外と多いということです。

 

 

■ 内側法の適応を間違えると逆効果

「小鼻が広い」と感じる原因には大きく2種類あります。

①鼻腔そのものの横幅が広いタイプ

 

②鼻翼のカーブ(丸み)が強いタイプ

 

①の場合は内側法の適応です。

しかし、②のタイプに内側法を行うと、

丸みがさらに強調されるという最悪の結果になります。

しかもこのタイプは、もともと鼻翼が垂れ下がっており、ACR自体がすでに悪いことが多い。

この状態で内側法を行えば、ACRは確実にさらに悪化します。

 

 

■ 外側法だけでも足りないケース

上記②の場合は、外側法が適応となります。

ただし、外側法のみでバランスが劇的に改善するケースは多くありません。

実際には、

・外側法+鼻中隔延長

・内側法+外側法

・鼻孔縁挙上+外側法

といった複合手術が必要になることが多いのが現実です。

小鼻だけをいじっても、土台である鼻柱と鼻尖の位置関係が崩れていれば、全体の印象は整いません。

 

 

■ 「木を見て森を見ず」になっていないか

カウンセリングをしていると、「小鼻の広がりが気になるので鼻翼縮小だけしたい」という相談は非常に多いです。

しかし、全体のバランスを無視して術式を選ぶと、結果的に違和感の強い鼻になるリスクが高まります。

まさに、「木(小鼻)を見て森(鼻全体のバランス)を見ず」の状態です。

もちろん「木を見て森も見る」のが理想ですが、これは鼻の手術をやっている医師でないと正確に判断するのはかなり難しいです。

実は鼻整形では、「木を見ずして森を見る」方が結果的に良くなるケースが多いです。

 

 

■ 鼻の手術には順番がある

基本的に鼻の手術には順番があります。

まず整えるべきは、鼻先と鼻筋(鼻中隔延長・隆鼻術・鼻尖形成など)です。

ここが「森」にあたる部分です。

その上で必要があれば、小鼻という「木」を調整する。

これが鼻整形の基本的な考え方です。

 

 

■ まとめ

内側法の鼻翼縮小は、適応を誤るとACRを悪化させ、全体バランスを崩すリスクがあります。

小鼻の広がりの原因が「鼻腔の幅」なのか「鼻翼のカーブの膨らみ」なのかを見極めないまま行うと、逆効果になることも少なくありません。

鼻の印象を決めているのは小鼻だけではなく、鼻柱と鼻尖を含めた立体構造です。

鼻翼縮小は、鼻全体の設計を理解した上で選択されるべき手術です。

 

 

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【プロフィール】

藤橋 政尭 (ふじはし まさたか)/形成外科専門医

形成外科専門医としての知識と技術を活かし、目元や鼻の手術、顔の脂肪吸引、糸リフト、ヒアルロン酸注入など、お顔全体の美容外科手術に幅広く対応。繊細なデザインが求められる切開手術や修正手術から、ダウンタイムの少ない注入施術・リフト系まで、患者様の理想に合わせた施術を心がけています。

自然な仕上がりとダウンタイムの最小化にこだわり、誠実なカウンセリングを通じて「任せてよかった」と思っていただける医療を追求しています。

「自然な美を、信頼でデザインする。」

そんな想いを大切に、日々の診療に取り組んでいます。

 

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【経歴】

2015年3月 昭和大学医学部医学科 卒業

2015年4月 昭和大学横浜市北部病院 初期臨床研修

2017年4月 昭和大学病院 形成外科

2017年10月 前橋赤十字病院 形成外科/美容外科

2019年4月 西尾市民病院 形成外科

2020年4月 昭和大学藤が丘病院 形成外科

2020年11月 太田西ノ内病院 形成外科/美容外科

2022年7月 東京労災病院 形成外科/美容外科  診療科長

2022年7月 R.O.clinic 非常勤、くさのたろうクリニック非常勤

2024年4月 銀座TAクリニック副院長

2025年11月 BIANCA CLINIC

 

【所属学会・資格】

日本形成外科学会 形成外科専門医

日本美容外科学会(JSAPS)会員

日本美容外科学会(JSAS)会員

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