コラム
2026.11.02
ガミースマイルの手術とは?2つの方法と選び方を歯科医師が解説
審美歯科のなかでも繊細な領域であるガミースマイル治療のスペシャリスト。国内外で診療・講演・研究・論文執筆を行っています。日本で唯一、アメリカとヨーロッパ双方のインプラント専門医資格を取得。外科的治療・歯科矯正・ボトックス注射など多角的なアプローチを用いて、口元のお悩み全般に対応します。患者様の“なりたい笑顔”を叶える歯科医師です。

ガミースマイルの手術には、上唇の動きを調整するリップリポジショニングと、歯ぐきの位置を整える審美的歯冠長延長術があります。どちらを検討するかは原因によって異なります。
「ガミースマイルの手術って、歯ぐきを切るの?」「上唇の内側を縫う方法とは何が違う?」
手術を考え始めても、どの方法が自分の悩みに合うのか分かりにくいものです。歯ぐきが同じように見えていても、上唇と歯ぐきのどちらに主な原因があるかで、選択肢は変わります。
今回は、BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)の歯科医師・築山鉄平が、ガミースマイルに対する2つの手術の違いと、検討する際のポイントを解説します。
ガミースマイルは手術で改善できますか?
ガミースマイルは、原因によって手術で歯ぐきの露出を軽減できる場合があります。例えば、笑うと上唇が大きく上がる方と、歯ぐきが前歯を広く覆っている方とでは、調整する部位が異なります。
ただし、骨格や歯並びが主な原因なら、今回紹介する手術以外の治療が適していることも。大切なのは、歯ぐきの見える量だけで判断しないことです。
原因の詳しい説明は「ガミースマイルはなぜ起こる?」をご覧ください。
ガミースマイルにはどのような手術がありますか?
主な選択肢は、上唇の動きに働きかけるリップリポジショニングと、歯と歯ぐきの見える割合を整える審美的歯冠長延長術です。どちらも外科的な方法ですが、目的は同じではありません。
リップリポジショニング|上唇の動きを調整する
笑うと上唇が大きく持ち上がり、普段は隠れている歯ぐきが目立つ場合、リップリポジショニング(上唇粘膜切除術)が選択肢になります。

【施術内容】リップリポジショニング(上唇粘膜切除術)
【施術期間・回数】上:施術前・下施術後1ヶ月
【副作用・リスク】腫れ・内出血など
【費用】385,000円
※記載は施術当時のメニューと金額になります。現在の内容や費用に変更が発生している場合がありますので、詳細はお問い合わせください。
上唇の内側の粘膜を一部切除・縫合し、唇が上がる範囲を調整する手術です。歯ぐきを切り取る方法ではなく、笑ったときの唇の位置にアプローチする点が特徴。術後の後戻りや、唇の動きに違和感が生じる可能性もあります。
手術の流れや症例写真、料金は、リップリポジショニングの施術ページでご確認いただけます。
審美的歯冠長延長術|歯ぐきの位置を整える
歯ぐきが前歯の表面を覆い、歯が短く見える場合に検討するのが審美的歯冠長延長術です。歯ぐきの位置を調整し、歯の見える部分を増やすことでバランスを整えます。

【施術内容】審美的歯冠長延長術
【施術期間・回数】上:施術前・下施術後1ヶ月
【副作用・リスク】感染、あと戻り、腫脹、出血、疼痛、知覚過敏など
【費用】385,000円
※記載は施術当時のメニューと金額になります。現在の内容や費用に変更が発生している場合がありますので、詳細はお問い合わせください。
歯を支える骨の位置によっては、歯ぐきだけでなく骨の調整が必要になることも。歯周組織の健康を守るため、切除範囲には慎重な判断が求められます。
詳しくは審美的歯冠長延長術の施術ページをご覧ください。
リップリポジショニングと審美的歯冠長延長術は何が違いますか?
2つの手術の大きな違いは、歯ぐきが目立つ原因に対して、どこからアプローチするかという点です。
| 比較項目 | リップリポジショニング | 審美的歯冠長延長術 |
|---|---|---|
| アプローチする部位 | 上唇の内側の粘膜 | 歯ぐき・必要に応じて周囲の骨 |
| 主な目的 | 上唇が上がる範囲を抑える | 歯が見える範囲を整える |
| 検討される状態 | 上唇の動きが大きい | 歯ぐきが歯を広く覆っている |
| 手術時間の目安 | 40〜45分程度 | 30〜60分程度 |
| 主なリスク | 腫れ・痛み・出血・感染・後戻りなど | 腫れ・出血・知覚過敏・感染など |
※手術時間や術後の経過には個人差があります。
上唇と歯ぐきの両方に原因がある場合は?
歯ぐきが歯を覆っていることに加え、上唇の動きも大きい方では、一方だけを調整しても希望する変化が得られない場合があります。
必要に応じて両方の手術を組み合わせることもありますが、併用が前提ではありません。それぞれで何を変えるのかを確認することが大切です。
ガミースマイルの手術が適さないケースもありますか?
前歯の位置や噛み合わせが主な原因なら、歯列矯正を検討する場合があります。
骨格的な問題が大きいケースでは、顎矯正手術などの専門的な評価が必要になることも。また、歯ぐきに炎症がある場合は、まず口腔内の健康を整えることが優先です。
上唇の筋肉の働きが原因であれば、切開を伴わないボトックス注射も選択肢になります。
効果や持続期間はガミースマイルへのボトックス注射を解説した記事で詳しくご紹介しています。
ガミースマイル手術のリスクや後戻りは?
外科的な施術では、腫れや痛み、出血、感染などが起こる可能性があります。また、長期的な変化を目指せる方法でも、後戻りがないとは限りません。
手術後に後戻りする可能性はある?
リップリポジショニングは、1回の施術で長期的な変化が期待できる一方、施術後3年を超えてから少しずつ後戻りする場合もあります。
審美的歯冠長延長術でも、約10年の間に歯ぐきの位置が20〜30%程度戻るケースも。いずれも経過には個人差があり、効果の持続を保証するものではありません。
手術後の腫れや痛みは?
リップリポジショニングでは上唇周辺の腫れや痛み、審美的歯冠長延長術では歯ぐきの腫れや出血、一時的な知覚過敏などが生じることがあります。
術後の過ごし方は手術ごとに異なるため、仕事や大切な予定を控えている方は事前に相談してください。
ビアンカクリニックのガミースマイルの手術の考え方
ガミースマイルの手術で私が重視するのは、歯ぐきを何mm減らすかよりも、笑ったときの口元がどう見えるかです。
例えば、普段は歯ぐきが隠れていても、笑うと上唇が大きく持ち上がる方がいます。この場合、歯ぐきの位置を整えるだけでは、気になっている印象があまり変わらないかもしれません。
反対に、前歯が短く見える方なら、まず歯と歯ぐきのバランスに目を向けます。
ビアンカクリニックでは、上唇の動きを調整するリップリポジショニングと、歯ぐきの位置を整える審美的歯冠長延長術の両方を扱っています。
とはいえ、どちらかを選べばよいという単純な話ではありません。
何が原因で、どの程度の変化を望まれているのか。そこを患者さまと共有してから施術を考えています。
大切なのは、気になる部分を調整しながら、自然な表情を大切にすること。ガミースマイルの手術について迷われている方は、カウンセリングでご希望をお聞かせください。
ガミースマイルの手術に関するよくある質問
ガミースマイルの悩みに手術を検討している方のご質問にお答えします。
Q1.ガミースマイルは手術で完全に治りますか?
原因に合った手術で歯ぐきの露出を軽減できる場合はありますが、希望どおりの仕上がりや効果の持続を保証するものではありません。
Q2.リップリポジショニングをすると笑いにくくなりますか?
上唇の動く範囲を調整するため、術後はつっぱり感や笑いにくさを感じることがあります。影響が少なくなるように、手術プランを検討します。
表情への影響も含めて、手術前に確認しておくことが大切です。
Q3.ガミースマイルの手術で顔に傷痕は残りますか?
どちらも口腔内を切開するため、通常は顔の皮膚表面に切開痕が生じません。ただし、口の中には傷ができ、治癒に伴う変化は起こり得ます。
Q4.2つの手術を同時に受けることはできますか?
併用可能です。ただし、すべての方に必要なわけではありません。
歯ぐきと上唇の状態、希望する変化などから判断します。
Q5.手術後に元の状態へ戻せますか?
切除した組織を完全に元へ戻すことは難しく、とくにリップリポジショニングでは再手術にも制約があります。十分に納得してから選ぶことが重要です。
ガミースマイルの手術は原因に合った方法を選ぶことが大切
ガミースマイルの手術は、歯ぐきの位置を整える方法と、上唇の動きを調整する方法で役割が異なります。
笑ったときに上唇が大きく上がることが気になる方には、リップリポジショニングが選択肢になる場合も。
BIANCA CLINICでは、口元全体のバランスと希望する変化を踏まえ、必要な施術を検討しています。