光治療（IPL）という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

皮膚科専門医の葉山愛弥です。

 

実はこの光治療(IPL)は、ざっくりいうとダウンタイムが少なく、しみ、赤み、ハリ感アップに効く一石三鳥の施術💓

光治療というと広義の意味でIPLと言われることもあり、これは Intense Pulsued Light の頭文字を連ねてできた言葉で、高出力短パルス（以下）を発生させる機械のことです。

※ルミナス社が世界で最初に作った高出力短パルス光の発生装置であり、IPLとは本来は商標名であるため、他の光治療が使用してはいけないのですが、このような機械をひとまとめにIPLと呼ぶこともあります。フォトフェイシャルも同様。

 

SPに使用できる光源

Selecvtive Photothermolysis (SP)は照射エネルギー密度が高いパルス光で、色を有している細胞や組織に選択的に破壊することができます。そのためレーザー光線はエネルギー密度が非常に高いパルス光を照射できます。しかし、SPに使用できる光源はレーザーである必要はなく、通常の光源でも非常に高いエネルギー密度のパルス光を照射できればSPに使用できるのです。

 

レーザー光と通常の光の違い

レーザーで用いられる位相の波長が揃ったコヒーレントな光を人工的に作れるようになりました。そのレーザーは均一波長の光で照射することしかできないことが多いですが、高出力短パルス装置（光治療IPL）では通常500～1200nmの光、つまり可視光線から近赤外線までの波長の光を同時に照射できるので、1台の機械でメラニンやヘモグロビン、そして水に吸収される波長の光を同時に照射することができます。そのため、1台で色素病変や血管病変の治療や、脱毛目的にも使用することができるのです。

 

『誰も教えてくれなかった本当のレーザー治療・美容皮膚科治療　著・帝京大学名誉教授渡辺普一』　参照

ルメッカ

光治療（IPL）の一つであるルメッカは、顔全体に照射することで、レーザーほどの効果は見られませんが、照射エネルギーがレーザーよりも低い分、ダウンタイムも少ないので、季節問わずメンテナンスに用いるのに丁度よいと考えます。

波長の幅が広いため、シミ、くすみ、そばかす、赤ら顔の改善が可能で、血管周囲に熱変性が起こり、血管周囲の膠原線維の再生が起これば、しわなど肌質改善などに効果を発揮する光治療（IPL）です。一度の施術で、肌ツヤやくすみの改善が期待できます。多少の脱毛作用も生じるため、つるつるとした肌触りが起きるところも嬉しいところ。

特に薄いシミや細かい雀卵斑の治療や赤ら顔の改善にも適応があります。

では症例をご覧ください！！

反応が良いとシミの部分が反応し、痂皮を形成することもありますが、ほとんどが色素沈着を残すことなく脱落することが多いです。

 

こちらも短い波長で雀卵斑、シミをターゲットにしているためかなりとれています。

 

 

こちらも短い波長でしみをとっておりますが、赤みもきえ、均一な肌になるため美しく見えます。

 

 

白人さんということもあってか、短い波長で照射しているわりに赤みが消退しています。

 

 

手のシミって実はなかなか治療が難しいのですが、ルメッカであればこのとおり！！

ご覧の通り、その他、肌のトーンアップ、ターンオーバーを促進することでのハリの向上がみられます。

顔だけでなく、年齢と共に現れる手の甲のシミにも効果的です。

（ただし、色素沈着は顔よりも出やすく、代謝が顔の皮膚よりも遅いため消退にも時間がかかることがあります）

ダウンタイムのも短く、痛みはゴムではじかれた程度なので、痛みが苦手な方にもおすすめです。

肝斑としみが混在している方も、急な増悪は見られないため、試してみる価値もあるかと思いますので、その点も踏まえて是非ご相談ください。

https://bianca-omotesando.jp/medical-spa/skincare/lumecca/

 

 

ここで皮膚科専門医の私個人のつぶやき・・・

光治療（IPL）は、波長を変えることで、淡いシミには515nm、全体に560nm、赤みには580-590nmの波長、脱毛でもYAGのような755、1000台の波長を使用することで、よりオーダーメイドな治療ができることも好きな理由です。

皮膚科医の腕の見せどころ！な感じも密かに気に入っています。