ニキビ跡の瘢痕治療、外側からのプローチ。
ニキビ跡で厄介なものはやはり瘢痕!!私も浅いながら多々残っていますが、基本的には外側、つまり表面からのアプローチでもかなり軽快しています。
そこで今後は内側からのアプローチ治療に期待を寄せて止まない今日この頃なのですが・・・!
皮膚科専門医の葉山愛弥です。
先日、ニキビ跡の種類 https://biancaclinic.jp/wp/wp-admin/post.php?post=43133&action=edit
ダーマペンのよる創傷治癒を用いた瘢痕治療+α https://biancaclinic.jp/wp/wp-admin/post.php?post=42870&action=edit
にいて書かせていただきましたが、ご理解いただけましたでしょうか?
本日はニキビ跡、ニキビ瘢痕の外側からのアプローチとして、TCAクロス、ダーマペン(先述の投稿参照)、ポテンツァをお勧めしようと思います。
そして、TCAクロスとダーマペンが出てから、9-10年前頃に流行り始めたポテンツァについて書けたらと思います。
当時はニキビ跡、ざ瘡瘢痕の治療としてのイメージが強かったですが、実はそれ以外にもチップを変えることでかなり異なる治療までできるようになりました。
ではまずTCAクロスから。
TCAクロス
TCAクロスとは、 TCA CROSS (chemical reconstruction of skin scar)と呼ばれる、濃度の高いトリクロロ酢酸を直接ニキビ跡の凹み、アイスピック状の深いクレーターに塗って改善を行う治療です。
マッサージピールやバイオリピール(ミラノリピール)でも濃度の低いものが使用されていますが、その10倍の濃度で行っていく治療で、高濃度トリクロロ酢酸の作用でクレーターの皮膚にダメージを与えます。
TCAクロスは表皮だけでなく真皮にも働きかけるため皮膚が再生するときにコラーゲン等が生成される力を使って、ニキビ跡の凹み、クレーターを目立たなくします。
東洋人の場合には、特に瘢痕や色素沈着のリスクがあることから、ポイントで治療していくものになります。毛穴やクレーターを一つ一つ丁寧に細かく薬剤の量や深さを細かく調整しながら打ち込む、繊細な治療になります。
ニキビ跡の経過、1回での施術になります。
https://biancaclinic.jp/treatment_category/skin-care/acne/tcacross/
ポテンツァ
ポテンツァ(POTENZA)は肌の様々なお悩みに応えることができる高周波(RF:ラジオ波)治療のマルチプラットフォームです。肌にマイクロニードルと呼ばれる極細の針を挿入し、針先から高周波を照射します。高周波で止血を行いながら、様々なチップ(下記参照)を使い分けることで、肝斑、ニキビ跡・クレーター、たるみ、小じわなど、様々なお肌悩みにアプローチします。
・肝斑(両頬)
ポテンツァではメラノサイト自体に直接高周波)を与え、肝斑の原因となるメラニンの産生を抑制する効果があります。
根源的なアプローチにより、スキンタイプを選ばず、肝斑の悪化・白斑のリスクが軽減しました。
炎症後の色素沈着にも着目し、メラノサイトを破壊しないパラメータでの高周波を可能にした新治療です。
・毛穴・ニキビ跡・クレーター・赤み(全顔)
お肌に微細なニードルを穿刺し、表面からの創傷治癒効果とともに、針先から高周波を照射することで真皮内の創傷治癒を促し、コラーゲンやエラスチンなどの美肌を作り出す成分の使用する製剤McCoom(マックーム)は、POTENZA専用に開発された粒子の細かい生分解ポリマー(PLLA)製剤で、皮下に注入することで真皮コラーゲンの産生を促進させ、毛穴・ニキビ跡を改善させます。
・ダイヤモンドタイトニング(全顔)
針がないノンニードルチップの《POTENZAダイヤモンド》を使用する治療です。
1ショットで異なる電極のモノポーラとバイポーラを高周波で連続照射することで、深層部まで均一にエネルギーを伝え、タイトニング治療を可能としたチップです。肌への負担が少なく、痛みを抑え、ダウンタイムがほとんどないのも特徴です。
・アイロン(全顔)
マイクロニードルを使用し、高周波を照射することでタイトニングを促す治療です。真皮層にあるコラーゲンに高周波(RF:ラジオ波)を照射することで、肌内部でたんぱく質の変性が起こり、お肌のリフトアップ効果が期待できます。また、照射後の創傷治癒効果により、熱ダメージを修復する過程でもコラーゲン生成が促進されます。コラーゲンが生成されることで、皮膚のハリや弾力が増し、ハリつやのある肌へと導きます。
・目元の小じわ(目元)
ニードルのないチップで表皮に瞬間的に高周波エネルギー与え、マイクロ単位の小さな傷をつくり、創傷治癒効果でスキンリサーフェシング(肌の再生、若返り)を促します。肌質改善、皮膚のハリ、小じわなどに効果的です。赤み、凸凹などが施術後に出ますが、翌日にはほとんど消失します。
・炎症ニキビ
絶縁コーティングされたニードル(針)を使用し、表皮の炎症を起こさずに皮脂腺に直接高周波を伝え、皮脂腺を破壊することが可能です。

POTENZAには治療目的に合わせた様々 なチップがあります

ポテンツァはマイクロニードルと呼ばれる極細の針を肌に挿入し、針先から高周波を照射します。前述のものの他に、ワンニードルのものは汗管腫の治療への効果も期待されています。
ポテンツァのポイント
①真皮層まで薬剤を届ける
ドラッグデリバリーシステムというポテンツァ特有の機能を搭載したチップなら、成分をしっかりと均一に肌内部に浸透させることが出来ます。マイクロニードルの肌への挿入、高周波の熱による、肌再生のプロセスと、薬剤の効果という3つの相乗効果が期待できます。
②ダウンタイムの短縮
従来のマイクロニードルでの治療では、出血を伴いやすく、肌の深い層へのアプローチではダウンタイムが長くなる傾向がありました。
しかし、ポテンツァでは針先から高周波を照射することで、出血を抑えられ、従来よりも短いダウンタイムでの治療が可能になりました。
③お肌悩み、治療目的にあわせた様々なチップの使い分け
ポテンツァで使用するチップは、治療目的にあわせた針の本数や長さのラインナップのほか、従来のマイクロニードル治療では実現しなかった、ドラッグデリバリーシステムのついたチップ、ターゲットのみに熱エネルギーを与えるようデザインされたチップ、全層へ均一な熱影響を与えることができるチップなど、お肌悩み、治療方針にあわせたチップを使用できます。
ここで皮膚科専門医の私個人のつぶやき・・・
ニキビやニキビ跡以外にも様々な治療が期待できるニードルRFには様々な期待を持っています。
皮脂腺を刺激すること、表面に熱が加わることで抗菌タンパクや細菌叢が乱れて一過性の毛包炎がでることがあるため、心配な方はご相談ください。