ピコトーニングは当院でもとても人気な施術の一つです。
先日に引き続き、ピコでのトーニングの施術方法、適応についてご案内いたします。
皮膚科専門医の葉山愛弥です。

ピコトーニングとは、低出力レーザーの衝撃波によってメラニン顆粒を減少させて、シミ・そばかす・肝斑・くすみなどを目立たなくする治療です。ピコトーニングはメラニン吸光度が高くメラニン色素に反応しやすい性質を持つため、従来のレーザーでは破壊しきれなかった小さい粒子の色素粉砕も可能です。そのため、これまでのレーザー治療では取り切れなかった小さなシミにもアプローチできます。
ピコトーニングでは治療を重ねるごとにメラニン色素を少しずつ分解・排出しますが、従来のレーザーよりも少ない治療回数で効果を実感していただきやすいのも特徴。さらに、顔のシミやそばかすだけでなく、乳輪や乳頭の黒ずみにも施術できるレーザー治療です。
ピコスポット1回+トーニング20回で透明感のある肌に!!
肝斑
肝斑とは、両頬や鼻の下、顎、額などに現れる薄い茶褐色の色素斑のこと。
輪郭がはっきりせず、左右対称で現れるという特徴を持ち、30~40代以降の女性に多く見られます。
一般的なシミには、高出力のレーザーをメラニン色素へ集中的に照射して破壊する治療方法が主流ですが、肝斑の場合は増悪する可能性があるため禁忌とされています。
肝斑は刺激に弱いため、強いレーザーで肝斑のメラノサイトが刺激されるとメラニン生成が活発になり、症状を悪化させる恐れがあるからです。※同様にパッティングや擦る刺激、紫外線でも増悪するので注意が刺激はなるべくさけるようにしてください。
そして、このピコトーニングは、これらのリスクをカバーできる施術です。
低出力のレーザーを均一かつ広範囲に照射する施術のため、メラノサイトを刺激せずに肝斑の除去を目指すことが可能。
内服薬以外で肝斑にアプローチできる画期的な治療方法として、美容医療業界でも高い注目を集めています。
ピコトーニングでは、レーザーの出力が低いため肌への刺激が少なく、施術を重ねるごとにターンオーバーが活性化し、穏やかに効果を実感できます。肌質にお悩みの場合は1度の施術で変化を感じられる方もいますが、シミや肝斑などの色素悩みは10~20回程度の回数を重ねて徐々に薄くなったと感じられる方が多いです。
また、黒い色素に反応する性質を持ち、毛穴に詰まった角栓や皮脂にも反応します。この働きにより、皮脂による詰まりが解消され、毛穴が引き締まって肌のキメが整いやすくなります。さらに、レーザー照射による刺激が、真皮層の線維芽細胞に作用し、コラーゲンの産生をサポート。肌のハリや弾力性が向上し、小ジワやたるみなどにもアプローチします。ピコトーニングは、シミや肝斑などの色素悩みに働きかけるとともに、肌質改善にも寄与する施術です。継続的な治療によって肌のトーンが均一になり、透明感のある若々しい肌印象を目指すことができます。
施術の頻度はクリニックによっても異なりますが、当クリニックでは2~4週間ごとの施術を推奨しております。施術間隔は開けすぎると効果を実感しにくくなり、反対に過剰な施術は色素沈着や白斑やのリスクを高める可能性があるため、適切なペースで治療を受けていただくことが大切です。ただし、肌状態によって適切な施術間隔は異なります。詳しい治療計画については医師に直接お尋ねください。
ピコレーザーおさらい
ピコレーザーの“ピコ”は、1兆分の1秒を意味する時間単位を指します。
ピコトーニングはこのピコ秒で照射を行う治療法であり、今までで最速だったナノ秒レーザーよりもさらに1,000倍速い瞬時の照射を実現。非常に短い照射時間で施術するため、痛みが少なく、麻酔無しでも施術できるほど。
さらに狙ったメラニン色素のみを衝撃波で細かく破壊するため、周囲の皮膚への熱ダメージが少なく、炎症後色素沈着やかさぶたができにくく、ダウンタイムもほとんどありません。
BIANCA CLINICのピコトーニングは、医療用レーザーのトップシェアメーカー米国サイノシュア社のピコシュア(PICOSURE®)を使用しています。ピコシュアは、シミ・シワ・ニキビ痕と幅広い分野において米国FDA(アメリカ食品医薬品局)の認証を得ています。ダウンタイムが少ないシミ治療をご希望の方、先進のシミ治療を受けてみたい方はお気軽にご相談ください。
ピコレーザーのその他の施術
ピコレーザーは、シミや肝斑、そばかすなどの肌悩みに有用とされている医療用レーザー機器であり、ピコトーニングはピコレーザーの3つの照射モードのうちの1つです。ピコトーニングのほか、ピコスポットとピコフラクショナルの照射モードがあり、それぞれ照射方法や得意とする肌悩みが異なります。
【ピコスポット】先日紹介済
出力の高いレーザーをシミやそばかすなどの肌悩みにピンポイントで照射する方法。強力な衝撃波で肌のメラニン色素を細かく粉砕し、濃いシミやそばかす、ほくろ、タトゥーなどにアプローチします。ほか2種類の照射モードと比べて出力が強いため、少ない施術回数でシミやそばかすの除去を目指せる点が特徴です。
【ピコフラクショナル】
ピコレーザーの先端に特殊なレンズを装着し、エネルギーを点状に集中させて照射する方法。肌の真皮層に微細な空洞を作り、皮膚が持つ自然治癒力によって肌質改善を図ります。小ジワの除去や肌の弾力アップが期待できるほか、ニキビ跡や肌の凹凸などの肌悩みにも働きかけます。
ビアンカクリニックでは、肌質や目的に応じて、ピコトーニングにピコスポットやピコフラクショナルを組み合わせたコンビネーション治療も実施しています。シミ治療の効果より高めたい方、治療期間を極力短く済ませたい方、従来のレーザー治療で思うような結果が得られなかった方などはご相談ください。複合的な治療によって、より高い満足度が期待できます。
https://biancaclinic.jp/treatment_category/skin-care/skin/picotoning/
ここで皮膚科専門医の私個人のつぶやき・・・
ピコトーニングでは色抜け(白斑)が出る場合があります。施術間隔が頻回であったり、高出力で頻回にあてるとメラノサイトまでダメージを受けてしまうため、一時的、あるいは永久的な白斑ができることがあります。
適切な診断と診察で肌回復を待ちながら続けていただくことをおすすめします。