プルリアルデンシファイは人気のPN製剤の一つですが、血管拡張を伴う赤ら顔（酒さ）治療にも効果が見られています。

皮膚科専門医の葉山愛弥です。

プルリアル（Pluryal）とは

プルリアルは、肌再生に焦点を当てたバイオスティミュレーター（生体刺激）製剤で、MD Skin Solutions社がルクセンブルクで開発し、CE承認を受けています。20か国以上で使用されている実績のあるフィラーです。伝統的なフィラーとは異なり、単に水分やコラーゲンを肌に供給するだけでなく、真皮の水分量を向上させ、コラーゲン生成を促進し、肌独自の自己修復能力にアプローチすることと、赤みなどの色調改善にも期待できることが特徴です。

このプルリアルのシリーズにはプルリアルシルク、プルリアルデンシファイ、プルリアルヘアデンシティ、プルリアルバイオスカルプチャーの種類があり、いずれもPN製剤です。

特にプルリアルデンシファイではポリヌクレオチド（PN）と非架橋のヒアルロン酸、ヒアルロン酸の分解を遅らせるマンニトールを組み合わせた「Pluryal Densify（プルリアルデンシファイ）」がおすすめで、当院ではこちらを導入しております。

主成分として使用されているポリヌクレオチドは、ヨーロッパでの製造に際してはEUの規制を遵守し、CE認証を取得しています。これはリジュラン同様にサケのDNA断片（ポリヌクレオチド）を含むため、真皮に注入されると、細胞は損傷を受けたと勘違いし、組織の修復機構が活性化されます。このプロセスにおいて、抗炎症作用が発揮され、サイトカインが放出され、同時にコラーゲンの増生が促進、結果として組織の再生や肌の修復が進行します。

このように創傷治癒能力を用いた治療でもあるため、皮膚老化の予防と修復に焦点を当て、肌の再生を促進する肌育注入治療です。

また、ヒアルロン酸を直接注入することでの真皮内の水分量を増やすことで肌のバリア機能を回復し、肌自体の自己修復能力をサポートすることで、肌の健康を向上させることも目指しています。

実際の効果としては、プルリアルの治療効果には、全体的な肌のくすみの改善、小じわの軽減、肌のハリの向上、また色素沈着や赤み（抗酸化作用や炎症の軽減に伴う慢性炎症に伴う赤み）の改善が含まれています。

酒さへの期待

また昨今では、酒さの治療の第一選択ではありませんが、既存の治療やIPLでも効果に乏しい症例に対して施術後、同様のデバイス治療での効果が増強されるようになっているとの報告がされています。

ただし、一時的な増悪もあるため、経験のある医師の指導の下の注入をおすすめします。