ゼオスキンヘルスのセラピューティックで肌質に変化
ゼオスキンヘルス(ZO Skin Health)は皆さんもご存じのメディカルコスメと思います。
レチノールと言えば…で思いつくもう一つのメディカルコスメとしては、赤道直下の南アフリカのDr.が皮膚癌を予防するために開発したエンビロンシリーズ。とにかくレチノールが光老化に効果があることはよくわかります。
ゼオスキンヘルスはゼインオバジ先生が『コスメ(化粧品)』ではなく『トリートメント(治療)』と表現するアグレッシブな使い方で肌の根本を改善させるという思いのつまったシリーズです。
本日はそんなゼオスキンヘルスのセラピューティックプログラムについてご案内をしたいと思います。
皮膚科専門医の葉山愛弥です。
オバジ先生の基本哲学:「肌を治す」ではなく、「健康な肌を創る/維持する」
1. 症状対処ではなく、肌の根本的改善を目指す
従来のスキンケアがシワやニキビ、色ムラなどの“症状”を一時的にカバーするのに対し、オバジ先生は肌の“健康を回復(restoration)”し、それを維持することが真の目的だと考えています。
2. 肌を“生きた臓器”として捉える
肌を単なる“見た目”として扱うのではなく“治療が必要な臓器”として理解し、細胞レベルでの機能回復を促すアプローチで臨んでいます。
3. 指導と専門家の関与を重視
オバジ先生は、患者と医師の双方に“肌の専門知識”を持たせることが重要だと強調しています。患者様への指導によって現実的なゴール設定と治療へのコミットメントが生まれると語っています。
4. Getting Skin Ready(GSR)から始まる体系的プログラム
ZO Skin Healthでは、まず肌を整える「Getting Skin Ready®(GSR®)」からスタートし、次に「修復(Correct)」や「予防(Prevent)」を行い、最後に「保護(Protect)」という3ステップの体系的アプローチを採用しています。
5. 科学に裏打ちされた処方と技術力
高濃度のレチノール、AHAs・BHAs(グリコール酸・サリチル酸)、ペプチド、抗酸化剤などを巧みに組み合わせた処方を用い、肌の再生力を科学的に引き出す設計になっています。
6. 予防・修復・維持の一体化
単なる治療ではなく、「ダメージ予防 → 根本回復 → 長期維持」を一連の流れとしてカバーする包括的なスキンケアが、ZO Skin Healthの根幹に据えられています。
ゼオスキンヘルスとは?
ゼオスキンヘルスは、米国の皮膚科医「ドクター・オバジ(Dr. Zein Obagi)」が開発したメディカルスキンケアブランドです。
肌の表面的なケアだけでなく、細胞レベルから肌質を改善するというコンセプトのもと、多くの皮膚科や美容クリニックで取り扱われています。
https://zoskinhealth.co.jp/jp/about/about-us.html
セラピューティックプログラムとは?
セラピューティック(Therapeutic)プログラムは、ゼオスキンヘルスの中でも特に治療的スキンケアに位置づけられる集中ケアプログラムです。
シミ・くすみ、肝斑、ニキビ・ニキビ跡、毛穴の開き、小じわ・ハリ不足のすべてを改善させる力があると思っています。
特徴としては、 ビタミンAであるトレチノイン、現在ではマイクロエマルジョン化した1.3%の高濃度レチノール(コンプレックスA+)とハイドロキノン(ミラミン、ミラミックス)を併用し、 約3〜6ヶ月かけて集中的に肌質改善、皮むけ・赤みなどのダウンタイムあるため、医師の診断と処方が必須になっております。(市販では買えません)
⭐セラピューティックの基本の使い方
以下は、代表的なセラピューティックプログラムの使用例です(一部処方薬含む):
ステップ | 使用アイテム | 内容 |
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① 朝晩 | ハイドレーティングクレンザー | 肌を優しく洗浄 |
② 朝晩 | バランサートナーあるいはクリアファインセラム | pHバランスを整える |
③ 朝 | ミラミン(4%ハイドロキノン) | メラニン生成を抑える |
④ 夜 |
ミラミックス+トレチノイン(処方薬) あるいはコンプレックスA+ |
肌のターンオーバー促進 |
⑤ 朝 | 日焼け止め(BSサンスクリーン等) | 紫外線対策は必須! |
※トレチノインの濃度や使用量は医師の指示に従いましょう。
⭐セラピューティックの経過と肌の変化
時期 | 肌の状態 | コメント |
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1〜2週目 | 赤み・皮むけが始まる | 最もつらい時期。しっかり保湿&紫外線対策を。 |
3〜6週目 | むけが続く・肌が敏感 | メイクもしにくいが、効果は進行中。 |
2〜3ヶ月目 | 透明感・毛穴の変化が実感できる | 肌が慣れてきて落ち着く人も。 |
4〜6ヶ月目 | 明るくなめらかな肌に | 継続で肌質改善が定着します。 |
プログラムのステージ
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反応期(Reactions):開始〜6週目。赤み・皮むけ・乾燥・かゆみなど肌負荷が強い時期です。
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耐久期(Comfort):7〜12週目頃。肌のバリアが回復し始め、ハリ・透明感などポジティブな変化が出てきます。
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完成期(Healthy Skin/改善期):最終12〜24週目。肌のトーンが整い、シミ・毛穴・くすみなどへの改善が実感されやすくなります。
セラピューティック後の移行期・維持期
・移行期(テーパリング):ミラミン・トレチノインあるいはコンプレックスA+の使用頻度を徐々に減らし、特に週2回に減らした場合でも間隔はあけずに連日外用、その後他の高濃度ビタミンA(スキンブライセラム)を週に2回程度などに切り替えていく期間(約1.5〜2ヶ月)
・維持期:ミラミンやトレチノインを中止し、より穏やかなレチノールやビタミンC製品で肌を保つ段階
上記の治療でかなり改善しますが、やはり一番ネックなのがA反応の赤みや皮むけ。
特に口回りは吸収が良く、皮むけが強くでる傾向にありますが、皆さんのお悩みは頬の肝斑やしみ、鼻頬の毛穴であることもあり、個人的には皮むけがしにくい鼻頬のみに使用するのも良い使用方法だと考えています。
なお、REVISIONのDEJフェイスクリームで表皮真皮境界部を安定させることで、赤みが出にくくなるという報告もあります。
上記より
鼻頬のみ、ミラミン、ミラミックス、トレチノインあるいはコンプレックスA+でのミニセラピューティック(期間は症状による)をお試しいただくのはどうでしょうか?