ナノステムとは。PRP、エクソソームとの違い。
ナノステムやエクソソーム、PRPなど混乱している方も多いと思いますので、ナノステムの説明とともに比較してみたいと思います。
皮膚科専門医の葉山愛弥です。
ナノステムとは
自身の脂肪組織から抽出したナノファット(微細細胞)を用いる、肌再生を目指す治療法です。
特に太ももや腹部から採取した脂肪を2つのシリンジ間で往復させて乳化し、濾過によって大きな脂肪粒子や線維組織を除去した液状の脂肪です。幹細胞や成長因子が高密度で含まれており、肌再生に有用とされています。また、間質系幹細胞や血管構成細胞、免疫細胞なども含まれるため、これらの細胞がさらに成長因子やサイトカイン、エクソソームを放出して皮膚の再生を促します。
そのためこの治療は自家製エクソソーム治療とも呼ばれています。
なお、従来の脂肪注入とは異なり、肌を再生させることを目的とした根本的なエイジングケア技術です。
当院でのナノステム治療
当院ではダーマペン4とナノファットを掛け合わせたエイジングケア施術を行っており、シワが気になる、ハリツヤが少なくなってきたなどの気になる箇所に塗布し、ダーマペン4でお肌に極細の針をあてて小さな穴を開け、コラーゲンの再生やお肌のターンオーバーを促進することで、肌質改善を目指す施術です。
ナノステムで使用するナノファットはご自身の身体から採取した脂肪から不純物を除去したもので、ナノファットは従来の方法にくらべ、脂肪の質と安全面が優れているのも特徴です。
脂肪吸引で採取した脂肪は、バストやお顔に注入することが多いのですが、ダーマペン4でのコンビネーション治療の提供を行っています。
施術後は、特にお肌のハリツヤ感UPに期待ができることや脂肪吸引のついでにお手軽に肌のエイジングケアも出来るのが特徴です。ニキビ跡やお肌のシワ・凹み、毛穴改善などへの効果が期待できます。
当院は日本医療脂肪幹細胞研究会CRF協会の認定施設です。
https://bianca-omotesando.jp/medical-spa/skincare/nanostem/
エクソソームやPRPとの違い
ここでナノステムと比較されることの多い再生医療には、エクソソーム療法やPRP(多血小板血漿)療法がありますがどう違うのか下記に記してみます。
エクソソームとは
幹細胞が分泌するナノサイズの小胞(直径30-150nm)で、タンパク質、mRNA、miRNAを含み、細胞間情報伝達を担います。
特徴としては幹細胞そのものを使用しないため、安全性が比較的高いです。
デメリットとしてはナノステム程協力ではいケースもある。
PRPとは
自身の血液を採取し、血小板を濃縮して注入、血小板が放出する成長因子により創傷治癒や肌再生を促進するのが目的です。
特徴としては自己血液由来のため安全性が高いです。
デメリットとしてはナノステムやエクソソームより再生力は弱めです。
ナノステム(ナノファット)+幹細胞
自身の脂肪から抽出したナノファットに含まれる幹細胞、成長因子、エクソソームを利用します。
特徴としては長期的な再生能力(半年以上持続)、自己組織由来などで安全性が高く、効果も強力。上記3つをフル活用できる。
デメリットは脂肪採取が必要なため、侵襲がやや高めにはなります。
上記を比較したうえで、一つの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?