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Dr’s BLOG / 先生のブログ一覧

2025-09-19

赤ら顔、実は酒さという疾患かもしれません

美容相談にいらっしゃる方で、赤み、赤ら顔が気になるという方がチラホラいらっしゃいます。

赤ら顔といえば、血管拡張がくるものなのか、炎症細胞に伴う赤みなのかを考えますが、その一つである酒さという疾患について書いてみようと思います。

自身が赤ら顔が酒さだったのか!と知ることで腑に落ちることも多く、治療やスキンケアで改善していくことができるかもしれません。

皮膚科専門医の葉山愛弥です。

 

酒さ(しゅさ、Rosacea)とは

 

酒さは、顔に持続的な赤みやブツブツが出る慢性炎症性の皮膚疾患です。日本では「赤ら顔」と誤解されやすく、にきびや湿疹とも混同されることもありますが、発症メカニズムや悪化因子、治療法が異なるため、正しい診断が必要です。

酒さに関する情報を探している方や、長引く顔の赤みに悩んでいる方の参考になれば幸いです。

 

酒さの疫学

 

酒さは世界中で見られる疾患ですが、特に30〜50歳代の成人に多く、女性の方がやや多いと報告されています。ただし鼻瘤型は男性に多い傾向があります。欧米では白人に多く、日本を含むアジア人でも患者は増加していますが、肌色が濃い人では赤みが目立ちにくく診断されにくいことがあります。有症率は国や調査方法により差がありますが、欧米では成人の約5〜10%が何らかの酒さ症状を持つとされ、日本ではやや少ないものの、赤ら顔とされているの方や、生活習慣や紫外線曝露の増加により患者数は増加傾向にあります。

酒さは慢性疾患であり、軽度でも長期間症状が持続するため、早期の診断と生活管理、治療が重要です

 
酒さの病態(原因と発症メカニズム)

 

酒さは単なる赤ら顔ではなく、複数の要因が重なって発症します。

血管の異常により毛細血管が拡張しやすく、紫外線や温度差、アルコール摂取など様々な誘因によって赤みが増悪します。

皮膚バリアが低下しやすく、乾燥や外的刺激に敏感になり、炎症が起こりやすくなります。さらに免疫反応の異常では抗菌ペプチドであるカテリシジンが過剰に働き、皮膚常在ダニ(デモデックス)の増加によって炎症が促進されます。神経系の関与もあり、TRPV1受容体などの作用により顔のほてりやヒリヒリ感が現れます。

このように、血管・皮膚バリア・免疫・神経が複雑に関与することで慢性化しやすい症状が出るのが酒さの特徴です。

また、酒さと皮脂腺には関係があり、鼻や頬の赤みが強い場合には皮脂腺の活動が影響していることがあります皮脂腺から分泌される脂質や皮膚常在菌のバランスが崩れると炎症が悪化しやすく、デモデックスは皮脂を栄養源にして増殖するため、皮脂の分泌が多いと丘疹や膿疱が悪化することがあります。逆に乾燥による皮脂不足でもバリア機能が低下し、炎症を起こしやすくなるため、皮脂の量が多すぎても少なすぎても症状に影響するというバランスの重要性があります。

 
酒さの見分け方と特徴

 

酒さの特徴としては、顔の赤みが数か月以上持続し、眼回りをさけた頬、鼻、額、あごに左右対称に出やすいことが挙げられます。毛細血管が透けて見えることもあり、赤いブツブツや小さな膿をもった発疹が出ますが、にきびのような面皰(コメド)はほとんど見られません。症状はかゆみよりもヒリヒリ感やほてり感が目立ちます。湿疹と比較すると、湿疹はかゆみ主体でガサガサやかさぶた、皮むけを伴うことが多く、酒さは赤みや血管拡張、ほてりが主体で刺激や飲酒で悪化するのが特徴です。

 
酒さを悪化させる因子

 

酒さは生活習慣や環境因子によって悪化しやすいです。要因はさまざまで、紫外線や温度差、サウナや熱いお風呂、冷暖房による刺激、アルコールの摂取、辛い料理や熱い飲み物、ストレスや睡眠不足、激しい運動による顔ののぼせ、マスクによる蒸れや摩擦、強いピーリングやスクラブ洗顔などでも症状を悪化させる要因として知られています。

 
酒さに適したスキンケアと生活習慣

 

酒さは刺激を避けて肌を守ることが基本です。洗顔はぬるま湯でやさしく行い、低刺激、無香料、アルコールフリーのスキンケア(セラミドやアゼライン酸がおすすめ)を使用することが望ましいです。日焼け止めは敏感肌用のノンケミカルタイプを選び、高保湿でシンプルな保湿剤を使ってバリア機能を守りますメイクは低刺激のものを選び、摩擦を避けてやさしく落とすことが大切です。生活習慣では規則正しい睡眠を心がけ、自律神経を整えることが重要です。ウォーキングやストレッチなどの激しくない運動を習慣が大切です。

 
酒さの保険治療とガイドライン

 

日本皮膚科学会の酒さ診療ガイドラインによると、保険診療では中等症以上の酒さに対して抗菌薬外用(メトロニダゾールやオキシテトラサイクリンなど)や内服抗菌薬(ドキシサイクリン、ミノサイクリンなど)が推奨されます。特に丘疹や膿疱型では内服治療が効果的で、長期的には症状の再発予防にも役立ちます。

血管拡張や赤みが強い場合には、レーザー治療(VビームレーザーやIPL)もガイドラインでも推奨されています。

 

自費治療としてのアドバテックスレーザーは血管拡張と、酒さの炎症の原因の一つである皮脂腺をターゲットとしてることから、おすすめの治療の一つです。酒さ以外の赤ら顔にも適応があります。

過去ブログ

アドバテックスレーザーは赤ら顔治療の新しい選択肢 | 日本を代表する美容健康再生医療のクリニック|BIANCAGINZA

酒さは勿論、赤ら顔で困っている方がいらっしゃいましたら是非ご相談ください。

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