「二重になる原理」と「全切開でできること」
こんにちは!
「自然な美を、信頼でデザインする。」
形成外科専門医の藤橋政尭です。
二重は、まぶたを開いたときに 皮膚が眼瞼挙筋(まぶたを持ち上げる筋肉)に繋がった挙筋腱膜に引き込まれることで、皮膚が折り返されて出現します。
よくカウンセリングの際に、普段アイプチで作っている二重のお写真をお持ちいただき、「この形で二重にしたいです」とご相談いただくことがあります。
ここで、アイプチで作った二重と本来の二重との違いを簡単に整理します。
• アイプチ
→ 皮膚の表面を接着して「折れているように見せる」もの
→ 動きとの連動はない / 長時間でヨレやすい / 継続使用で皮膚が伸びやすい
• 本来の二重
→ 皮膚と眼瞼挙筋が連動し、まぶたを開く動きの中で自然に折れ込む構造
→ まばたきや表情に合わせて動いて見える

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1. 二重ができる仕組み(原理)
まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)に繋がる挙筋腱膜から皮膚へと伸びる結合があると、まぶたを開いたときに皮膚が内側に引き込まれます。
これが二重の折れ目となります。二重の食い込みとも言います。

引用元:『顔の美容外科手術 第1版』(日本医事新報社 2021年) p.3 図2を一部改変して掲載
一重だと、この結合がなく、食い込みができません。

引用元:『顔の美容外科手術 第1版』(日本医事新報社 2021年) p.3 図2を一部改変して掲載
二重は、皮膚と眼瞼挙筋が連動することで折れ目が生まれ、本来はまぶたを開く動きに伴って皮膚が自然に折りたたまれる構造となっています。
埋没法は、まぶたの構造自体を変えるわけではありませんが、皮膚と挙筋の連動を糸で再現している方法です。
条件が整っているまぶたでは、埋没でも十分に自然で安定した二重を作ることができます。
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2. 全切開でできること
埋没法と比較し、全切開はまぶたの組織を直接作り変えることで、二重の構造そのものを作る手術です。
皮膚と挙筋腱膜の連動部分を内部で形成しながら、必要に応じてまぶたの厚みや皮膚量を調整できます。
・二重ラインの「連動」を直接作ることができる
→ ラインの深さや幅の再現性が高い
・厚みの調整ができる(眼輪筋・脂肪・皮膚量)
→ まぶたが厚い・食い込みが浅くなりやすい人にも対応できる
・蒙古襞が強い場合は、目頭切開を組み合わせることで
→ 内側の二重ラインの幅を出すことができる
→ 平行/ミックスなどの形の自由度が広がる
・開瞼力(まぶたの開き)が弱い場合
→ 眼瞼下垂手術を同時に行うことで「目の開き自体」を改善できる

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3. 埋没法と全切開の比較
・埋没法 → 皮膚と挙筋の連動を糸で再現することにより折り目を作る手術
・全切開法 →まぶたの組織を直接作り変えることで、二重の構造そのものを作る手術
どちらが優れているという話ではなく、まぶたの状態と理想の形に応じて、適切な手術が変わります。
埋没は、まぶたが薄い / 脂肪が少ない / 蒙古襞が強くない / たるみが少ない、といった条件が整っている場合、自然で負担の少ない方法です。

全切開は、まぶたに厚みがある / 幅や形にこだわりたい / 目の開きも良くしたい / 長期的な安定を求めたい、といった場合に力を発揮します。

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まとめ
二重になる原理をしっかり理解することで、自分に合った手術を選ぶことができます。
全切開はまぶたの組織を直接作り変えることにより、二重の構造そのものを作る手術で、デザインの自由度が高いです。
まぶたの状態と理想を照らし合わせながら、適切な術式で無理のない美しく長持ちする二重を目指しましょう。
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【プロフィール】
藤橋 政尭 (ふじはし まさたか)/形成外科専門医
形成外科専門医としての知識と技術を活かし、目元や鼻の手術、顔の脂肪吸引、糸リフト、ヒアルロン酸注入など、お顔全体の美容外科手術に幅広く対応。繊細なデザインが求められる切開手術や修正手術から、ダウンタイムの少ない注入施術・リフト系まで、患者様の理想に合わせた施術を心がけています。
自然な仕上がりとダウンタイムの最小化にこだわり、誠実なカウンセリングを通じて「任せてよかった」と思っていただける医療を追求しています。
「自然な美を、信頼でデザインする。」
そんな想いを大切に、日々の診療に取り組んでいます。
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【経歴】
2015年3月 昭和大学医学部医学科 卒業
2015年4月 昭和大学横浜市北部病院 初期臨床研修
2017年4月 昭和大学病院 形成外科
2017年10月 前橋赤十字病院 形成外科/美容外科
2019年4月 西尾市民病院 形成外科
2020年4月 昭和大学藤が丘病院 形成外科
2020年11月 太田西ノ内病院 形成外科/美容外科
2022年7月 東京労災病院 形成外科/美容外科 診療科長
2022年7月 R.O.clinic 非常勤、くさのたろうクリニック非常勤
2024年4月 銀座TAクリニック副院長
2025年11月 BIANCA CLINIC
【所属学会・資格】
日本形成外科学会 形成外科専門医
日本美容外科学会(JSAPS)会員
日本美容外科学会(JSAS)会員







