眉下切開と上眼瞼皮膚切除の違い⸻皮膚のたるみにどう対応する?
こんにちは!
「自然な美を、信頼でデザインする。」
形成外科専門医の藤橋政尭です。

上まぶたのたるみを改善したい場合、代表的なアプローチが「眉下切開」と「上眼瞼皮膚切除」です。
どちらも皮膚の余りを取る手術ですが、切る位置や取れる量、そして仕上がりのニュアンスが大きく変わります。
カウンセリングでも非常に多いテーマで、二重整形とも非常に関連がある要素ですので、ここで分かりやすく整理します。
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■ 上眼瞼皮膚切除(=二重ラインで皮膚を切除する方法)
上眼瞼皮膚切除は、“二重のライン上で皮膚を切除する方法”です。

二重整形(切開法)と同じ切開線を使うため、二重形成と皮膚切除を同時に行えるのがメリットです。
ただし、上まぶたの皮膚は「厚い部分」と「薄い部分」があり、これが仕上がりに大きな影響を与えます。
具体的には、睫毛側の皮膚は非常に薄く、眉毛側に近づくほど皮膚は厚くなります。
そのため二重ラインで皮膚を取りすぎると、「厚い皮膚 × 薄い皮膚」を縫い合わせることになり、段差感・食い込みの違和感が出やすくなります。
若い方の軽いたるみであれば 2〜3mm程度 の切除なら綺麗にまとまります。
経験上、最大でも 4mm程度に留めておいた方が良いです。
これ以上取ると不自然さが出やすく、特に自然な二重を維持したい方には注意が必要です。
皮膚の性質が合わず、ラインが崩れたり、食い込みが不自然になるリスクが一気に上がります。
この「取りたい量」と「二重ラインで取れる量」が合わないと判断した場合、選択肢は眉下切開になります。
ただし、高齢の方で強いたるみがあり、もともと皮膚が非常に余っているケースでは、二重ラインで 8〜10mm 程度切除しても問題ないことが多いです。
加齢により皮膚が薄く伸びているため、ギャップが出にくいのが理由です。
つまり、“高齢者の皮膚の質と余剰量”によっては、二重ラインでも大きめの切除が可能です。
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■ 眉下切開(=眉毛の下で皮膚を切除する方法)
眉下切開は、眉毛の下で余剰皮膚を切除する手術です。

眉周囲の皮膚は比較的厚みが一定で、段差が出にくいため、多くの量の皮膚切除に適しています。
ただし、どこでも切っていいわけではありません。
• 眉毛の範囲内、または外側方向 → 傷が目立ちにくい
• 眉毛より内側(眉間部分) → 傷が非常に目立つため絶対NG
そのため、眉下切開で皮膚の重みが改善できるのは「黒目の内側から目尻までの外側、目尻寄りの余剰皮膚」に限定されます。
その範囲より内側の皮膚の余りは、二重ラインで取らざるを得ません。
同時に内側だけ部分切除をすることもあれば、1ヶ月ほど経ってから二重切開で改めて調整するケースもあります。
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■ 眉下切開で取れる脂肪(ROOF)について
眉下切開では ROOF(隔膜前脂肪) を処理できます。
これは二重切開で取れる「眼窩脂肪」とは別物です。
逆に、眉下切開から眼窩脂肪を触る / 二重切開でROOFまで取る
これは推奨されません。
どちらも「遠い層を無理に触る」ことになり、予定重瞼線(想定外の三重ライン)が発生するリスクが高い ためです。
術式は目的の層に“正しい距離”からアプローチすることが極めて大切です。
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■ たるみが多い時の実際の治療プラン
二重の相談で来られても、皮膚の余剰が多い場合は、
① まず眉下切開 → ② 1ヶ月後に埋没 or 二重切開
という二段階プランになることが多いです。
• 皮膚が薄く脂肪が少ない → 埋没でOK
• まぶた自体に厚み(眼輪筋・脂肪)がある → 二重切開の方が安定
という判断になります。
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■ まとめ
• 取れる皮膚量が3mm以内で問題ない→ 上眼瞼皮膚切除
• 4mm以上取りたい → 眉下切開が基本
• 眉毛より内側は絶対に切らない(傷が目立つ)
• たるみが強い場合は 眉下切開 → 二重形成 の2ステップが最適
眉下切開と上眼瞼切開は、どちらが優れているというより “取るべき皮膚の領域と切除量で使い分ける手術” です。
カウンセリングでは、まぶたの皮膚の厚み・たるみの方向・二重のデザインなどを総合して、最適な組み合わせを提案しています。
皮膚のたるみが気になる方、一度の手術で良い結果が出るのか心配な方は、ぜひご相談ください。
あなたのまぶたの状態に合わせた最適な方法をご提案いたします。
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【プロフィール】
藤橋 政尭 (ふじはし まさたか)/形成外科専門医
形成外科専門医としての知識と技術を活かし、目元や鼻の手術、顔の脂肪吸引、糸リフト、ヒアルロン酸注入など、お顔全体の美容外科手術に幅広く対応。繊細なデザインが求められる切開手術や修正手術から、ダウンタイムの少ない注入施術・リフト系まで、患者様の理想に合わせた施術を心がけています。
自然な仕上がりとダウンタイムの最小化にこだわり、誠実なカウンセリングを通じて「任せてよかった」と思っていただける医療を追求しています。
「自然な美を、信頼でデザインする。」
そんな想いを大切に、日々の診療に取り組んでいます。
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【経歴】
2015年3月 昭和大学医学部医学科 卒業
2015年4月 昭和大学横浜市北部病院 初期臨床研修
2017年4月 昭和大学病院 形成外科
2017年10月 前橋赤十字病院 形成外科/美容外科
2019年4月 西尾市民病院 形成外科
2020年4月 昭和大学藤が丘病院 形成外科
2020年11月 太田西ノ内病院 形成外科/美容外科
2022年7月 東京労災病院 形成外科/美容外科 診療科長
2022年7月 R.O.clinic 非常勤、くさのたろうクリニック非常勤
2024年4月 銀座TAクリニック副院長
2025年11月 BIANCA CLINIC
【所属学会・資格】
日本形成外科学会 形成外科専門医
日本美容外科学会(JSAPS)会員
日本美容外科学会(JSAS)会員







