ハムラ法とは?⸻脂肪を生かすクマ治療
こんにちは!
「自然な美を、信頼でデザインする。」
形成外科専門医の藤橋政尭です。

前回の記事では、目の下のクマは「ふくらみ」だけでなく「凹み」も同時に存在し、影を生む本当の原因は“凹み”にあることをお伝えしました。
脱脂だけ行ってふくらみを減らしても、凹みだけ強調されるとむしろ老けて見えてしまうケースもあります。
つまりクマ治療では、ふくらみを取るだけでなく、“凹みにアプローチすること”が本質である、ということがとても重要になります。
では、ふくらみと凹みを同時に整えるにはどうすればよいのか。
その理にかなった方法が、今回のテーマであるハムラ法です。
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■ 膨らみと凹みを“一度に”整えられる唯一の手術
目元の構造は非常に立体的で、「眼窩脂肪の前方突出(ふくらみ)」「tear trough(凹み)」「 mid-cheek groove(下方へのライン)」がセットで影を形成しています。

脱脂やフィラーなど、単一のアプローチではどうしても限界があり、どこかに歪みが出たり、時間経過で不自然になったりします。
その中でハムラ法は、“ふくらみと凹みの両方に、一回の手術でアプローチできる”という極めて合理的な治療法です。
構造そのものを整えるため、将来の再発・不自然な凹み・脂肪不足による老け感といった問題の予防にもつながります。
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■ ハムラ法は“脂肪を生かす手術”
ハムラ法では、突出している眼窩脂肪を切除するのではなく、凹みに向かって移動させて再配置します。
具体的には、ふくらみとして前に出ていた眼窩脂肪を、tear trough〜mid-cheek の凹みにボリュームとして再配置することで、影を根本的に改善できます。

前回の記事で「脱脂+αが必要」とお伝えした、その“+α”がまさにこのアプローチです。
• 脱脂:脂肪を「減らす」
• ハムラ:脂肪を「使う・移動させる」
凹みにボリュームを戻すことで影が自然に軽くなり、若々しい輪郭が再構築されます。
さらに重要なのが、眼窩隔膜(隔膜)を骨膜に固定して引き締める“隔膜タイトニング”です。これにより脂肪の前方への突出(脂肪ヘルニア)が抑えられ、再発しにくい構造が作れます。
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■ 同じハムラ法でも“表ハムラ”と“裏ハムラ”の違い
ハムラ法の「中で行う処置自体」は、表ハムラでも裏ハムラでも基本的に同じです。
違いは、皮膚側を切開するかどうか。
表ハムラ(切開ハムラ)
• 皮膚側から切開する
• 皮膚のたるみがある場合に必要
• 脂肪移動+隔膜タイトニングに加えて、余剰皮膚も切除できる
裏ハムラ
• 下まぶたの裏側(結膜側)からアプローチ
• 皮膚の切開なし
• たるみがない場合
• 傷が表に出ない
つまり、皮膚のたるみの有無によって“表 or 裏”を選ぶだけで、核心となるハムラ法の処置は共通というイメージです。

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■ まとめ:ハムラ法はクマ治療の“核心”を押さえた手術
• ふくらみと凹みの同時治療ができる
• 脱脂だけでは消せない影に対応できる
• 表と裏の違いは“切開の方向”だけ
• 皮膚のたるみがあれば表、なければ裏を選択
• 脂肪を生かすため、将来的な凹みリスクを避けられる
前回の「脱脂+αが必要」という話の“答え”が、このハムラ法です。
次回の記事では、ハムラ法のメリット・デメリット、そしてデメリットの対処法まで詳しく解説します。
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【プロフィール】
藤橋 政尭 (ふじはし まさたか)/形成外科専門医
形成外科専門医としての知識と技術を活かし、目元や鼻の手術、顔の脂肪吸引、糸リフト、ヒアルロン酸注入など、お顔全体の美容外科手術に幅広く対応。繊細なデザインが求められる切開手術や修正手術から、ダウンタイムの少ない注入施術・リフト系まで、患者様の理想に合わせた施術を心がけています。
自然な仕上がりとダウンタイムの最小化にこだわり、誠実なカウンセリングを通じて「任せてよかった」と思っていただける医療を追求しています。
「自然な美を、信頼でデザインする。」
そんな想いを大切に、日々の診療に取り組んでいます。
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【経歴】
2015年3月 昭和大学医学部医学科 卒業
2015年4月 昭和大学横浜市北部病院 初期臨床研修
2017年4月 昭和大学病院 形成外科
2017年10月 前橋赤十字病院 形成外科/美容外科
2019年4月 西尾市民病院 形成外科
2020年4月 昭和大学藤が丘病院 形成外科
2020年11月 太田西ノ内病院 形成外科/美容外科
2022年7月 東京労災病院 形成外科/美容外科 診療科長
2022年7月 R.O.clinic 非常勤、くさのたろうクリニック非常勤
2024年4月 銀座TAクリニック副院長
2025年11月 BIANCA CLINIC
【所属学会・資格】
日本形成外科学会 形成外科専門医
日本美容外科学会(JSAPS)会員
日本美容外科学会(JSAS)会員







