コラム
2026.01.14
鼻の異物挿入に注意|オステオポール・Gメッシュを提案されたら考えてほしいこと
形成外科専門医として外傷・再建・先天疾患など多くの症例に携わり、精密な手技と深い解剖学的理解を培ってきました。見た目の変化が心まで前向きにする――そんな美容の力を患者様にも届けたいという思いから美容外科の道へ。得意としているのは、目元治療全般や注入治療、たるみ治療など。患者様の理想に誠実に向き合う」という診療スタンスで、美しさにこだわった施術を提供しています。
こんにちは!
「自然な美を、信頼でデザインする。」
形成外科専門医の藤橋政尭です。
鼻整形のカウンセリングで、「切らずに高さを出せます」「ダウンタイムが少ないです」といった説明とともに、オステオポールやGメッシュを提案された経験はないでしょうか。
一見すると手軽で魅力的に聞こえますが、修正手術の現場では、異物を入れたことによる深刻な問題を数多く目にします。
今回は、異物挿入の何が問題なのか、特に修正時に起こる現実に焦点を当てて解説します。
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■ オステオポール・Gメッシュとは
オステオポールは、PCL(ポリカプロラクトン)という吸収性素材で作られた人工材料で、「約2年で吸収される」「いずれ自分の組織に置き換わる」と説明されることが多い素材です。
Gメッシュ(G-Mesh)も同じくPCL製のメッシュ状材料で、鼻筋に挿入し、切らずに高さやラインを出す施術として使われてきました。
メッシュ周囲に組織反応が起こることで、一時的なボリュームが得られるとされます。
ただし、吸収性素材であっても異物であることに変わりはありません。
特に皮膚が薄く血流の乏しい鼻では、長期的な安全性には慎重な判断が必要です。
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■ 「吸収されるまで」の2年間に起きること
オステオポールやGメッシュは確かに吸収されます。
しかし問題は、その吸収されるまでの過程です。
・慢性的な炎症
・強い癒着
・吸収後の凹みや変形
・皮膚の菲薄化や赤み
・異物が皮膚を突き破って出てくる
といったトラブルが報告されています。
「2年で吸収される=安心」ではありません。
また、2年経っても残っているケースもあります。
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■ 修正で自家組織に置き換えるとき、何が起きるのか
ここで最も強調したいのは、異物が入った鼻を修正するとき、元々の自分の組織が大きくダメージを受けているという事実です。
実際の修正症例では、
・大鼻翼軟骨が湾曲・変形している
・皮膚が薄くなり、血流も悪くなっている
といった状態がほぼ全例にみられます。
このような鼻は、何もしていない鼻を手術するより、はるかに大変です。
ダメージを受けた軟骨を再建するために、肋軟骨による鼻中隔延長がほぼ必須になることも多く、菲薄化した皮膚に対しては真皮脂肪移植を併用しなければならないケースもあります。
その結果、
・やるべき手術内容が大幅に増える
・術後リスクが高まる
・それでも理想が100%叶わない
といった状況に陥ることがあります。
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■ 「直後は良かった」という落とし穴
修正時のカウンセリングでは、
「よく調べずに受けてしまった」
「手術後に調べて怖くなった」
「最初は良かったのに、1年後に形が崩れた」
という声を非常によく聞きます。
鼻は、骨組みや支持構造という土台を作らなければ、長期的に形を保てません。
異物挿入は、その土台処理を行わず、一時的に形を作っているだけのことが多いのです。
直後は良く見えても、形が崩れるだけでなく、組織にダメージだけが残るという最悪の結果になることもあります。
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■ すべてがダメではないが、適応は限られる
もちろん、異物を入れて何事もなく経過する方もいます。
「ほんの少しだけ高さを足したい」といったケースでは、選択肢になることもあるでしょう。
しかし、しっかり形を変えたい・高くしたい場合ほど、トラブルになる確率は高くなります。
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■ まとめ
鼻整形は、知識・トレーニング・経験が強く求められる分野です。
一方、異物挿入は、技術的には「入れるだけ」で成立してしまいます。
だからこそ、ダウンタイムが少ない、簡単、理想が叶う⸻
クリニックの目先の利益のために、そうした甘い言葉が並びやすいのも事実です。
しかし、長期的に安定した鼻を望むなら、理論的に正しい手術を選ぶことが不可欠です。
その視点を、ぜひ大切にしてください。
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【プロフィール】
藤橋 政尭 (ふじはし まさたか)/形成外科専門医

形成外科専門医としての知識と技術を活かし、目元や鼻の手術、顔の脂肪吸引、糸リフト、ヒアルロン酸注入など、お顔全体の美容外科手術に幅広く対応。繊細なデザインが求められる切開手術や修正手術から、ダウンタイムの少ない注入施術・リフト系まで、患者様の理想に合わせた施術を心がけています。
自然な仕上がりとダウンタイムの最小化にこだわり、誠実なカウンセリングを通じて「任せてよかった」と思っていただける医療を追求しています。
「自然な美を、信頼でデザインする。」
そんな想いを大切に、日々の診療に取り組んでいます。
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【経歴】
2015年3月 昭和大学医学部医学科 卒業
2015年4月 昭和大学横浜市北部病院 初期臨床研修
2017年4月 昭和大学病院 形成外科
2017年10月 前橋赤十字病院 形成外科/美容外科
2019年4月 西尾市民病院 形成外科
2020年4月 昭和大学藤が丘病院 形成外科
2020年11月 太田西ノ内病院 形成外科/美容外科
2022年7月 東京労災病院 形成外科/美容外科 診療科長
2022年7月 R.O.clinic 非常勤、くさのたろうクリニック非常勤
2024年4月 銀座TAクリニック副院長
2025年11月 BIANCA CLINIC
【所属学会・資格】
日本形成外科学会 形成外科専門医
日本美容外科学会(JSAPS)会員
日本美容外科学会(JSAS)会員