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コラム

2026.01.17

肋軟骨はいずれ曲がる?|ワーピングが起こる理由と防ぐための工夫

藤橋 政尭
監修医師
藤橋 政尭

形成外科専門医として外傷・再建・先天疾患など多くの症例に携わり、精密な手技と深い解剖学的理解を培ってきました。見た目の変化が心まで前向きにする――そんな美容の力を患者様にも届けたいという思いから美容外科の道へ。得意としているのは、目元治療全般や注入治療、たるみ治療など。患者様の理想に誠実に向き合う」という診療スタンスで、美しさにこだわった施術を提供しています。

こんにちは!

「自然な美を、信頼でデザインする。」

形成外科専門医の藤橋政尭です。

 

肋軟骨は、鼻整形で使用される移植材料の中でも、強度・厚み・支持力に優れた素材です。

耳介軟骨や鼻中隔軟骨と比べても変形しにくく、構造を保ちやすいため、鼻中隔延長や鼻背形成など、明確な支えが必要な手術では重要な役割を担います。

一方で、「肋軟骨なら時間が経っても形は変わらない」と理解されていることも少なくありません。

しかし実際には、肋軟骨であっても術後の経過の中で反りやねじれが生じることがあり、これをワーピングと呼びます。

 

 

■ ワーピングとは

ワーピングとは、移植された軟骨が時間の経過とともに本来の形状から逸脱し、反り返ったり湾曲したりする現象です。

鼻整形では、鼻筋が直線ではなくわずかに曲がって見える、鼻柱が片側へ傾く、鼻先が偏るといった形で現れます。

多くは術後数ヶ月以内に変化が出ますが、半年以上経過してから徐々に目立ってくるケースもあり、術後早期に問題がなくても安心できるとは限りません。

 

 

■ なぜ肋軟骨でも曲がるのか

肋軟骨は硬さのある素材ですが、生体組織である以上、内部に力を保持しています。

肋軟骨はもともと弓状の形をしており、真っ直ぐに加工しても、内部には元の形に戻ろうとする反発力が残ります。

この力は時間とともに表に出ることがあり、これが反りやねじれの原因になります。

また、加工時に左右で削る量や厚みに差が出ると、内部応力のバランスが崩れます。

見た目が真っ直ぐでも、力のかかり方に偏りがあると、一定方向へ変形しやすくなります。

さらに、術後の癒着や圧迫といった周囲組織との関係も影響します。

軟骨そのものに問題がなくても、外から一方向の力がかかり続けることで、形が変わることがあります。

 

 

■ ワーピングが起きた場合

軽度であれば、他人からはほとんど分からないこともあります。

しかし、鼻筋の歪みや鼻柱の傾きが視認できる場合、顔全体の印象に影響するため修正が必要になります。

修正を考える際に重要なのは、単に変形した部分を見るのではなく、どの方向に力がかかっていたのかを整理することです。

どこで固定され、どこに逃げ場がなくなっていたのかを把握しなければ、再度同じ変形を起こす可能性があります。

 

 

■ ワーピングを防ぐための考え方

肋軟骨を使用する以上、ワーピングの可能性を前提として設計する必要があります。

まず、採取する部位によって軟骨の性質は異なります。

初期の湾曲が強い部分ほど反発力が出やすいため、形状が比較的安定している部位を選択します。

加工の段階では、厚みや削除量が一方向に偏らないよう調整します。

左右差や断面形状の不均衡は、時間差での変形につながります。

また、一本の軟骨だけで構造を作るのではなく、複数の軟骨を組み合わせることで、反発力を分散させる設計も有効です。

固定についても、一点で強く抑えるのではなく、複数箇所で支えることで回旋やズレを起こしにくくします。

これらは、数ヶ月から数年後の形を想定した判断です。

 

 

■ 術後管理の重要性

設計や固定が適切であっても、術後管理が不十分であれば変形のリスクは残ります。

圧迫を避ける固定方法、安静期間の設定、経過に応じた診察が必要です。

特に修正手術では内部に瘢痕が多く、軟骨にかかる力が複雑になるため、術後の経過観察はより重要になります。

 

 

■ まとめ

肋軟骨は強度に優れた移植材料ですが、時間の経過とともに反りやねじれが生じる可能性があります。

そのリスクは、軟骨の性質、加工や固定のバランス、術後に加わる力によって左右されます。

ワーピングを防ぐには、採取部位の選択から加工・固定、術後管理までを前提として設計することが重要です。

 

 

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【プロフィール】

藤橋 政尭 (ふじはし まさたか)/形成外科専門医

形成外科専門医としての知識と技術を活かし、目元や鼻の手術、顔の脂肪吸引、糸リフト、ヒアルロン酸注入など、お顔全体の美容外科手術に幅広く対応。繊細なデザインが求められる切開手術や修正手術から、ダウンタイムの少ない注入施術・リフト系まで、患者様の理想に合わせた施術を心がけています。

自然な仕上がりとダウンタイムの最小化にこだわり、誠実なカウンセリングを通じて「任せてよかった」と思っていただける医療を追求しています。

「自然な美を、信頼でデザインする。」

そんな想いを大切に、日々の診療に取り組んでいます。

 

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【経歴】

2015年3月 昭和大学医学部医学科 卒業

2015年4月 昭和大学横浜市北部病院 初期臨床研修

2017年4月 昭和大学病院 形成外科

2017年10月 前橋赤十字病院 形成外科/美容外科

2019年4月 西尾市民病院 形成外科

2020年4月 昭和大学藤が丘病院 形成外科

2020年11月 太田西ノ内病院 形成外科/美容外科

2022年7月 東京労災病院 形成外科/美容外科  診療科長

2022年7月 R.O.clinic 非常勤、くさのたろうクリニック非常勤

2024年4月 銀座TAクリニック副院長

2025年11月 BIANCA CLINIC

 

【所属学会・資格】

日本形成外科学会 形成外科専門医

日本美容外科学会(JSAPS)会員

日本美容外科学会(JSAS)会員

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