コラム
2026.02.26
ナゾラビアルファットとは?|ほうれい線を深く見せる脂肪の正体
日本形成外科学会認定 形成外科専門医として外傷・再建・先天疾患など多くの症例に携わり、精密な手技と深い解剖学的理解を培ってきました。見た目の変化が心まで前向きにする――そんな美容の力を患者様にも届けたいという思いから美容外科の道へ。得意としているのは、目元治療全般や注入治療、たるみ治療など。患者様の理想に誠実に向き合う」という診療スタンスで、美しさにこだわった施術を提供しています。
こんにちは!
「自然な美を、信頼でデザインする。」
形成外科専門医の藤橋政尭です。
ほうれい線がお悩みでカウンセリングに来られる方は非常に多いです。
治療で最も重要なのは、「何が原因でほうれい線が目立っているか」を正しく見極めることです。
主な原因は以下の3つです。
・ほうれい線部の骨萎縮によるボリューム低下
・ナゾラビアルファットのボリューム
・ほうれい線上の皮膚の下垂
ほうれい線は単なる皮膚のシワではなく、脂肪・皮膚・骨の構造変化によって段差が生じ、影が強調されることで深く見えます。
今回はこの中でも、ナゾラビアルファットについて解説します。
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■ ナゾラビアルファットとは何か
ナゾラビアルファット(Nasolabial fat)は、小鼻の横からほうれい線の上に存在する縦長の皮下脂肪です。
Nasolabialとは、naso(鼻)とlabial(唇)の間の領域を指します。
この脂肪はTerminologia Anatomicaに記載された独立した正式名称ではありませんが、解剖学的にはメーラーファット(medial cheek fat compartment)の一部に相当します。
ほうれい線のすぐ上に覆いかぶさるように存在するため、この脂肪の膨らみがあると溝との段差が生じ、影が強調されます。

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■ ほうれい線が深く見えるメカニズム
加齢により、ナゾラビアルファットは下垂し、ほうれい線の上に乗るようになります。
すると、「脂肪の膨らみ(山)」と「ほうれい線の溝(谷)」の段差が強調されます。
さらに、皮膚のたるみや鼻翼基部の骨萎縮による支持低下が加わることで、ほうれい線はより深く見えるようになります。
つまり、脂肪だけでなく、皮膚と骨の変化も重要な要素です。

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■ ナゾラビアルファット除去の適応と注意点
ナゾラビアルファット除去は、この脂肪の膨らみを減らし段差を改善する治療です。
口角の小さな傷からアプローチするため、傷は全く目立ちません。
若年層では皮膚のたるみが少なく、ナゾラビアルファット除去単独で改善することもあります。
しかし30代以降では皮膚弛緩を伴うことが多く、脂肪吸引のみでは不十分です。
この場合、糸リフト併用によるリフトアップ、あるいはミッドフェイスリフトが必要になります。
特に重要なのは、脂肪吸引とリフトアップを同時に行うことです。
吸引後は皮下で癒着が起こるため、下垂した状態のまま癒着すると改善が困難になります。
適切にリフトアップした状態で固定させることが重要です。
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■ 骨萎縮に対するボリューム補填
ほうれい線では、鼻翼基部の骨萎縮によるボリューム不足もほぼ必発します。
この場合、ボリューム補填として、
・ヒアルロン酸注入
・貴族手術(プロテーゼまたは肋軟骨移植)
などを併用します。
鼻手術で肋軟骨を使用する場合は肋軟骨を用いますが、単独の場合はプロテーゼが一般的です。
脂肪注入も選択肢の一つですが、移動するリスクが高く、目的部位以外に生着するなど結果が不安定なため、私はあまり行っていません。
また、口元は笑う・話すなど表情による動きが大きい部位であるため、ヒアルロン酸や脂肪注入はいずれも移動のリスクが高い部位となります。
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■ まとめ
ナゾラビアルファットは、ほうれい線の上に存在する頬の脂肪の一部です。
この脂肪の下垂に加え、皮膚のたるみや骨萎縮が重なることで、ほうれい線は深く見えるようになります。
若年層では脂肪除去が有効ですが、30代以降ではリフトアップやボリューム補填の併用が必要になることが多くあります。
原因に応じて適切な治療を選択することが重要です。
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【プロフィール】
藤橋 政尭 (ふじはし まさたか)/形成外科専門医
形成外科専門医としての知識と技術を活かし、目元や鼻の手術、顔の脂肪吸引、糸リフト、ヒアルロン酸注入など、お顔全体の美容外科手術に幅広く対応。繊細なデザインが求められる切開手術や修正手術から、ダウンタイムの少ない注入施術・リフト系まで、患者様の理想に合わせた施術を心がけています。
自然な仕上がりとダウンタイムの最小化にこだわり、誠実なカウンセリングを通じて「任せてよかった」と思っていただける医療を追求しています。
「自然な美を、信頼でデザインする。」
そんな想いを大切に、日々の診療に取り組んでいます。
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【経歴】
2015年3月 昭和大学医学部医学科 卒業
2015年4月 昭和大学横浜市北部病院 初期臨床研修
2017年4月 昭和大学病院 形成外科
2017年10月 前橋赤十字病院 形成外科/美容外科
2019年4月 西尾市民病院 形成外科
2020年4月 昭和大学藤が丘病院 形成外科
2020年11月 太田西ノ内病院 形成外科/美容外科
2022年7月 東京労災病院 形成外科/美容外科 診療科長
2022年7月 R.O.clinic 非常勤、くさのたろうクリニック非常勤
2024年4月 銀座TAクリニック副院長
2025年11月 BIANCA CLINIC
【所属学会・資格】
日本形成外科学会 形成外科専門医
日本美容外科学会(JSAPS)会員
日本美容外科学会(JSAS)会員