コラム
2026.09.29
女性の骨盤底痛(MPPS)と衝撃波治療:Alma Duo 価格の考え方と専門医の選び方
一般産婦人科において、不妊治療や周産期医療などの保険診療に従事したのち、自身の闘病経験を機に、「女性が女性であることを楽しめる人生を支えたい」との思いから、自由診療・婦人科美容へとキャリアを展開しました。現在も産婦人科医として保険診療に携わりながら、深い解剖学的知識と技術を軸に、婦人科形成や腟育®注射、腟ヒアルロン酸注入など、“本物のフェムテック”を通じて女性の健康課題に医学的エビデンスに基づいて向き合っています。
また、性教育の普及やHPVワクチンの啓発、女性のQOL向上に関わる社会活動にも尽力しています。専門書『美容外科医になったら最初に読む 美容手術の基本』では、第7章「腟ヒアルロン酸注入」を執筆するなど、医療知識の啓蒙にも積極的に取り組んでいます。

骨盤の奥の重だるさや腟のムズムズ感、長く座ると悪化する痛み…。それらは筋筋膜性骨盤疼痛症候群(MPPS)という、骨盤底の筋肉と筋膜がこわばることで起こる状態かもしれません。
最近、「衝撃波治療」や「Alma Duo 価格」を検索し、東京や銀座のクリニック情報に戸惑っていませんか。
美容外科や美容内科の施術と似た言葉が並んでいても、痛みの医療は少し違う視点が必要です。
この記事では、女性の体に寄り添いながら、衝撃波治療の位置づけ、Alma Duo 価格の考え方、受診先の選び方をやさしく解説します。
【Doctor’s Point】
衝撃波治療は主にMPPS,いわゆる腟こりなどの痛みの治療です。
衝撃波治療とは?MPPSに対する目的と限界
衝撃波治療は、体の表面から短い音圧の波(ショックウェーブ)を当て、筋膜や腱のこわばりをほぐすことを目指す物理療法です。
局所の血流や組織代謝をサポートし、痛みの回路(感作)を落ち着かせることが期待されます。
ただし万能ではありません。MPPSでは、腟や会陰、骨盤底筋のトリガーポイント(押すと響くしこり)の評価が前提になり、どの部位にどの強さで当てるかを丁寧に見極める必要があります。
また、衝撃波はMPPSと男性の勃起機能で使われることがありますが、尿もれを目的にした治療ではありません。目的や適応を混同しないことが大切です。
MPPSとは?やさしい定義
MPPS(筋筋膜性骨盤疼痛症候群)は、骨盤底筋やその筋膜が過緊張し、しこり(トリガーポイント)を作ることで、痛み・違和感・ムズムズ感などが慢性化する状態です。
いわば『腟こり』の状態です。腟や会陰、下腹部、臀部、太ももの付け根まで広がることがあり、排尿・排便・性行為・座位姿勢など日常生活に影響します。
炎症や感染が主因ではないため、画像検査だけでは異常が見つからないこともよくあります。
なぜ衝撃波治療が選択肢になるのか
MPPSでは、骨盤底筋のトリガーポイントに物理的刺激を与えることで、血流を改善し、こわばりの悪循環を断ち切るアプローチが役立つ場合があります。
衝撃波治療は、手では届きにくい深部の組織にピンポイントで刺激を届けやすい点が利点です。
一方で、全員に合うわけではありません。触診でトリガーポイントが明確に再現できる方、徒手療法(理学療法)との併用が可能な方に向きやすい印象です。
効果や持続期間には個人差があるため、段階的に評価しながら進めましょう。
Alma Duo 価格の考え方:支払い前に確認したいポイント
衝撃波装置には複数の種類があり、Alma Duo(アルマデュオ:一般にalmaduoと表記されることもあります)を採用する施設もあります。
Alma Duo 価格は、地域・立地、施術者の専門性、1回の照射数、推奨回数、再診フォローの有無などで幅が出ます。
東京や銀座エリアでは、立地コストや需要の影響で価格帯がやや高めに見える傾向があります。
目安としては、1回あたり数万円台〜十数万円台の範囲に収まることが多い印象ですが、施設差・個人差が大きい点にご留意ください。
相場より高すぎる場合や、逆に極端に安すぎる場合は、提供内容が価格に見合っているか、評価〜施術〜フォローまでの流れが透明かを丁寧に確認しましょう。
高すぎ・安すぎる価格に出会ったときの確認リスト
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「東京・銀座の便利な立地」だけを前面に出し、痛みのヒアリングや内診、骨盤底筋の触診がない。メニューは美容外科のボトックス、脂肪吸引、豊胸が中心で、MPPSの説明が薄い。
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診療の主体が美容内科・美容皮膚科で、衝撃波治療が新メニューとして“付け足し”の印象。女性骨盤底の診断プロセスが示されていない。
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担当医の経歴に「以前は産婦人科」とあっても、現在は美容外科中心で骨盤底の診療経験が乏しい。女性泌尿器の研鑽歴が不明。
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サイトの主内容が美容皮膚科と美容外科の美容メニュー(ボトックス、脂肪吸引、豊胸中心)で、痛み治療の説明が少ない。
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きちんと初診評価が含まれているか、Alma Duo 価格に再診料や評価の再確認が含まれるか、照射回数や1回の照射数の根拠が明確か。
東京・銀座で探すときの落とし穴:美容外科・美容内科・美容皮膚科との違い
検索すると、東京や銀座では美容外科・美容内科・美容皮膚科のサイトが多くヒットします。
そこにはボトックス、脂肪吸引、豊胸などの人気施術が並びますが、MPPSは「痛みの診察」と「骨盤底の触診」が軸です。
衝撃波治療も、この評価の上に位置づけるのが基本で、見た目の変化を競う治療とは考え方が異なります。
また、昔は産婦人科に在籍していても、今は美容外科に転科し、あたかも産婦人科医のように見せるケースも散見されます。
産婦人科や女性泌尿器科の現場で骨盤底を継続的に診ていない場合、MPPSの使い分けや合併症の見落としが生じやすくなります。
泌尿器科専門医の中にも、女性泌尿器の研鑽が十分でないまま「女性医療の専門」のように見せる人もいます。
性泌尿器をしっかり研鑽していない泌尿器科医は、基本的に女性医療のトレーニングが不足していることが多い点も、静かに心に留めておきましょう。
受診先は、解剖を理解し、骨盤底や骨盤底筋を触診評価できる産婦人科専門医、または女性泌尿器科医をおすすめします。
症状に応じて治療を使い分けられる産婦人科医であれば、衝撃波治療の前に理学療法やトリガーポイント治療などの選択肢も含めて一緒に考えてくれるはずです。
骨盤底筋の解剖とMPPS:どこが痛みの発信源?
骨盤底筋は、恥骨から尾骨にかけてハンモックのように臓器を支える筋肉群(主に挙肛筋群:恥骨直腸筋・恥骨尾骨筋・腸骨尾骨筋)と、尿道・肛門を締める括約筋などで構成されます。
陰部神経などの神経が近接し、筋膜(筋肉を包む薄い膜)が滑らかに動くことで、排尿・排便・性機能・姿勢の安定が保たれます。
これらが過緊張しMPPSになると、腟や会陰の痛み、下腹部の張り、肛門の奥の刺すような痛み、性行為時の痛み、排尿時の違和感、便が出にくい・太い便が通りにくい感じ、カンジダのようなムズムズ感(検査では陰性)など、複数の症状が重なりやすくなります。
長時間の座位、冷え、ストレス、過度な筋トレや出産後の過緊張などが引き金になることもあります。
こんな症状がMPPSでみられることがある
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腟・会陰のヒリヒリ、チクチク、ムズムズ カンジダのような不快感
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下腹部・骨盤内の張り、座ると悪化しやすい痛み
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性行為時の痛み(挿入痛・深部痛)、オーガズム後の鈍痛
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排尿時の違和感、残尿感(検査で異常がない場合も) 膀胱炎のような不快感
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便が細い・出にくい、肛門周囲のこわばり
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足の付け根やお尻への放散痛、腰の張り
MPPSの治療選択肢をやさしく比較
治療は「何が原因で、どの筋や筋膜が関与しているか」を見極めて組み合わせます。優劣ではなく「あなたの悩み・生活・希望」に合いやすいものを選ぶ姿勢が大切です。
主な選択肢
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骨盤底理学療法・徒手療法:内診または外部からの徒手で筋膜の滑走改善、呼吸と連動させた弛緩練習、バイオフィードバックなど。
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トリガーポイント注射:局所麻酔薬などをしこりに少量注入。痛みの再現がはっきりするポイントに絞るのがコツ。
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衝撃波治療:深部のこわばりに音圧刺激でアプローチ。徒手療法やセルフケアと併用し、段階的に評価。
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薬物療法:痛みの回路を落ち着かせる薬(少量の抗うつ薬・抗けいれん薬など)や一時的な鎮痛薬、温感外用薬の併用。
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心理的アプローチ:マインドフルネスや認知行動療法。痛みと不安の悪循環をほどく手助けになります。
なお、骨盤底の過緊張に対してボトックス(筋の緊張を一時的に緩める薬剤)を注射する選択肢が検討されることもありますが、排尿障害などの副作用に注意が必要で、まずは理学療法や衝撃波治療などの保存的治療で評価するのが一般的です。
顔の表情じわ目的のボトックスを扱う美容外科・美容皮膚科・美容内科で行うものとは、目的も投与量も全く異なります。
施術の流れ・痛み・ダウンタイムの目安
一般的には、初診で症状の整理、内診を含む骨盤底筋の評価、トリガーポイントの同定を行い、施術適応と照射部位を検討します。
衝撃波治療は数分〜十数分程度で、施術中は「響くような刺激」を感じることがあります。
痛みやダウンタイムはほぼありませんが、軽い筋肉痛や一時的な張り感が生じる方もいます。
施術後は、温めや優しいストレッチ、排便コントロール(いきみすぎない)などのセルフケアを併用すると回復がスムーズです。
受診先の選び方:専門医の見極めポイント
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産婦人科専門医、または女性泌尿器科医で、骨盤底の解剖に基づく触診ができる。
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MPPS、骨盤底筋、神経の関わり(陰部神経、仙骨神経叢など)を説明し、徒手療法・衝撃波・注射・薬物療法を症状ごとに使い分けられる。
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「まず評価、次に試行、経過で調整」という段階的方針を示し、衝撃波治療をいきなり高額コースで勧めない。
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不必要な施術を併せて勧めない。別メニューの同時契約を迫る場合はアップセルの可能性を疑い、いったん持ち帰る。
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「昔は産婦人科だった」「泌尿器科専門医」との表記だけでなく、女性泌尿器や骨盤底の研鑽歴・学会活動・実際の診療内容が明記されている。
東京や銀座など情報が多いエリアほど、表現が華やかになりがちです。看板の大きさより、あなたの痛みを丁寧に聴き、骨盤底筋をきちんと評価してくれるかを基準にしましょう。
よくある質問(Q&A)
Q1. 東京や銀座で受ける方が良いのでしょうか?
受ける場所が東京・銀座であるかどうか自体は、本質ではありません。
大切なのは、骨盤底筋の評価ができる産婦人科専門医または女性泌尿器科医がいること、段階的な治療提案があることです。立地だけで選ばず、内容と説明の透明性を重視してください。
Q2. ボトックスとの違いは?
ボトックスは筋肉の緊張を一時的に緩める薬で、顔のしわ治療で広く知られています。
一方、衝撃波治療は物理刺激で筋膜の滑走や血流をサポートする方法です。骨盤底の過緊張にボトックス注射を検討することもありますが、排尿への影響を含むリスクがあり、まずは理学療法や衝撃波治療などの保存的治療で評価するのが一般的です。
美容外科・美容皮膚科・美容内科で行う顔のボトックスとは適応も用量も目的も異なります。
Q3. 美容外科・美容内科・美容皮膚科でも受けられますか?
施設によります。とはいえ、MPPSは「痛みと骨盤底機能の診療」が中心です。
美容外科や美容内科、美容皮膚科でボトックス、脂肪吸引、豊胸などと同列メニューとして並んでいるだけの場合、評価が十分でないこともあります。
骨盤底の解剖を理解し、触診・内診で原因を説明してくれるかを確認してください。
Q4. Alma Duo 価格はどのように比較すべき?
総額の比較だけでなく、初診評価の丁寧さ、照射回数や出力の根拠、施術者の専門性、再診フォロー、セルフケア指導の有無まで含めて比較しましょう。
相場より高すぎても安すぎても、理由を説明してもらうと納得感が得られます。疑問が残るときは別日や別施設でのセカンドオピニオンも選択肢です。
Q5. どんな人に向き、どんな人は慎重に?
向きやすい人:触診でトリガーポイントが再現できる、徒手療法やセルフケアを併用できる、刺激に過敏すぎない方。
慎重に:妊娠中、急性の感染や出血傾向がある、強い神経障害が疑われる、評価が不十分なまま高額コースを勧められている場合など。
どちらも、個別評価が前提です。
費用相談のコツ:見積もりの取り方
見積もり時は、装置名(例:Alma Duo/almaduo)、1回あたりの照射数・部位、推奨回数、再診や評価の料金、キャンセルポリシーまで確認しましょう。
東京・銀座では複数施設の説明を聞き比べると、あなたに合う提案が見つかりやすいです。
価格が相場から大きく外れる場合は、施術内容や施術者の専門性、アフターケアの差が理由になっていないかを丁寧に尋ねてください。
まとめ
MPPSの衝撃波治療は、骨盤底のこわばりに働きかける保存的選択肢の一つです。
Alma Duo 価格は施設や内容で差が出ますが、金額だけでなく「評価の質」「施術の根拠」「フォロー体制」を含めて検討することが大切です。
MPPSは痛みの診療が軸です。昔産婦人科にいたが現在は美容外科に転科したのに、いまも産婦人科医のように見せる医師や、女性泌尿器を十分に研鑽していないのに女性医療の専門のように見せるケースには注意が必要です。
解剖を理解し、骨盤底や骨盤底筋を実際に診られる産婦人科専門医や女性泌尿器科医に相談しましょう。
アドバイス
「自分に合うか知りたい」「まず話を聞いてほしい」という段階でも大丈夫です。Before & Afterの見た目ではなく、あなたの痛みと生活に合わせた説明があるかを基準に、気軽に相談してみてください。東京や銀座に限らず、納得できる受診先がきっと見つかります。