コンデンスリッチフェイス(CRF)はヒアルロン酸との違い。
コンデンスリッチフェイス(CRF)は自然な若返りとして有効な治療法です。
皮膚科専門医の葉山愛弥です。
ヒアルロン酸を入れてもすぐに吸収されてしまったり、糸リフトで引き上げたのに顔のこけ感が残っていたり、そんな経験をされた方はいませんか?
そこで、近年注目を集めているのが、自分の脂肪を使って自然に若返りを叶えるコンデンスリッチフェイスという治療法です。
今回は、ヒアルロン酸や糸リフトと比較しながら、コンデンスリッチフェイスの効果や特徴について書いてみようと思います。
コンデンスリッチフェイスとは?
コンデンスリッチフェイスは、自分の体から採取した脂肪を専用の医療機器で遠心分離し、不純物や老化した脂肪細胞などを除去して、高濃度・高純度の脂肪だけを顔に注入する治療法です。
①脂肪の定着率がUP
従来の脂肪注入はもちろん、これまで最高峰といわれていた脂肪幹細胞注入を大きく上回る脂肪定着量を実現しました。
これまでの脂肪注入の比較は、”通常の脂肪注入の定着率は40%”、”それに比べ脂肪幹細胞は80%”と、「定着率」を中心に訴求されてきました。しかし、脂肪幹細胞注入では採取した脂肪の半分は幹細胞の抽出のために使用され、注入用には使えません。
つまり、半分の脂肪はこの時点で無駄になり、「定着率」がよくても「定着量」は高くなかったのです。
コンデンスリッチファット注入は、無駄になる脂肪がないうえに「定着率」も高く、脂肪幹細胞注入を大きく上回る脂肪「定着率」を実現しています。
②リスクを回避
独自のコンデンス(濃縮)技術で死活・老化細胞を取り除いた濃縮脂肪を、無菌状態で注入。しこりや脂肪壊死が起こりにくくなりました。
脂肪注入は、人工のものを体内に入れるケースと比較して、異物反応のリスクが少なく、触感や見た目が自然な点がメリットです。一方で、従来の脂肪注入では、注入した脂肪が壊死したり石灰化を起こすリスクを伴う、という事実も存在しました。
しかし、コンデンスリッチファット注入は、コンデンス(濃縮)技術によって壊死する可能性のある死活・老化細胞を取り除き、健全な脂肪のみを無菌状態で注入するため、上記のリスクが回避されています。
③体への負担を軽減
手術時間は脂肪幹細胞注入の半分以下。良質の新鮮な脂肪だけを注入することで、術後のダウンタイムも大幅に削減しました。
今まで脂肪注入の最高峰といわれていた脂肪幹細胞注入は、脂肪の採取から幹細胞を抽出し注入するまで最低でも6 時間、長いと半日かかっていました。そのため、長時間の麻酔や、場合によっては脂肪採取時と注入時の計2 回麻酔が必要で、体への負担が大きかったのです。
一方で、コンデンスリッチファット注入は、短時間で脂肪をコンデンス(濃縮)出来る特殊な機械を用いる為、約2時間半で手術を終える事が可能で、体への負担が大幅に軽減されています。
【技術の特徴】
①ウェイト効果
通常の遠心分離の約25倍のG(圧力)をかける
ウェイトフィルターのウェイト(重さ)によって、遠心分離の際に脂肪にかかるG(圧力)は、通常の遠心分離のG(圧力)の約25 倍になります。この時、老いた弱い脂肪細胞はG(圧力)に耐えられず、排泄オイルになります。この約25 倍のG(圧力)に耐えられた強く健全な脂肪細胞(コンデンスリッチファット)のみを抽出し、注入に使用します。
②フィルタリング技術
コンデンスリッチファットと排泄オイル(トリグリ)を分離
ウェイトフィルターには、液体のみを通す小さな穴が空いており、採取した脂肪から注入には適さない排泄オイル(=トリグリ(死活・老化細胞))を取り除くことができます。従来の脂肪注入法では成し得なかった、不純な排泄オイル(=トリグリ(死活・老化細胞))と新鮮で健全な脂肪との分離が、このフィルターにより実現しました。
③空気に触れないプロセス
すべてのプロセスを空気に触れないシリンジ内で行う
従来の脂肪注入は、採取から注入までに行う脂肪は、空気に触れた形で移動しておりました。一方、コンデンスリッチファットは、チュメセントの注入、脂肪吸引、廃液、コンデンスまでをシリンジから出す事無く、空気に触れないで行います。よって、空気に含まれる菌やほこりなどのコンタミ(不純物)に触れる事の無い環境で行うため、感染症等のリスクを大幅に削減しました。
脂肪の中でも特に生着に適した細胞のみを抽出できるため、従来の脂肪注入よりも定着率が高く、しこりや石灰化といったトラブルも起こりにくくなっています特に注目すべきなのは、定着した脂肪は半永久的に残るという点。
コンデンスリッチフェイスは、ヒアルロン酸のように時間とともに完全に吸収されずに自分の組織として長くとどまるのが特徴です。
それでは症例です。
いかがでしょうか?
では・・・
ヒアルロン酸や糸リフトとどう違う?
ヒアルロン酸
注入直後からしわやくぼみが改善される即効性の高い治療法で、ダウンタイムもほとんどありません。ただし、効果の持続期間は6ヶ月から1年程度と短く、繰り返し施術が必要になることが多いです。
また、部位や注入量によっては、膨らみすぎたり、硬さが気になることもあります。
糸リフト
特殊な溶ける糸を皮膚の下に挿入し、物理的にたるみを引き上げ、さらにそれを土台に皮膚の再生がおこるため引き締め効果もでる施術です。こちらも比較的短時間で終わり、一定期間はリフトアップ効果を得られますが、リフトアップとタイトニンング効果が主であり、加齢に伴うボリュームロスへの補正にはあまり向いていません。
それに対してCRFは、顔全体のボリュームや立体感を補いながら、加齢によって失われた“ふっくら感”を取り戻せる治療法です。さらに、脂肪に含まれる幹細胞の働きにより、注入部位の肌質そのものが改善されるケースもあり、単なるボリュームアップにとどまりません。
またコンデンスリッチフェイスは、「自然に若返りたい」「周囲にバレたくない」「異物は入れたくない」と考える方に特におすすめの治療法です。
また、ヒアルロン酸を何度も繰り返していて費用や変化の限界を感じている方や、糸リフトの“引き上げ”だけでは足りないと感じている方、そして「老け顔」の根本原因である顔のやせ・こけを本格的に改善したい方にも適しています。
施術では自分の脂肪を使うため、アレルギーのリスクも極めて低く、仕上がりも非常に自然です。注入する脂肪は微細に分けて丁寧に注入されるため、医師のデザイン力と技術によって、ミリ単位で理想の仕上がりが目指せます。
ダウンタイムとリスクは?
コンデンスリッチフェイスにはある程度のダウンタイムが伴います。脂肪の採取部位(主に太ももやお腹)と注入部位の両方に腫れや内出血が生じることがあり、腫れは通常3日から1週間ほど、内出血は1〜2週間で落ち着きます。
まれに、注入した脂肪が一部硬くなる(脂肪壊死)ケースや、左右差が出ることもありますが、これらは医師の技術力や注入デザインによってリスクを大きく軽減することが可能です。定着しなかった脂肪は数ヶ月で自然に吸収されますが、定着した脂肪は長期間持続するため、トータルで見ても非常にコストパフォーマンスの高い治療といえます。
ヒアルロン酸や糸リフトは、いずれも優れた美容医療ですが、もっと自然に、もっと長く続く若返りがしたいと感じている方には、この選択肢をぜひ知っていただきたいです。
加齢によって失われたボリュームや立体感を、自分の脂肪で再構築することで、顔全体の印象を若返らせるだけでなく、肌質の改善も同時に期待できるという点で、これまでの注入治療とは一線を画します。
もし現在、ヒアルロン酸を定期的に打っている方や、糸リフトの効果に満足できていない方、「もう少し根本的な若返りがしたい」と感じている方は、一度CRFについて専門の医師に相談してみることをおすすめします。
https://biancaclinic.jp/treatment_category/aging-care/aging_01/crf_face/