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Dr’s BLOG / 先生のブログ一覧

2025-12-12

プロテーゼと自家組織、隆鼻術はどちらを選ぶべき?|特徴と向いているタイプを徹底比較

こんにちは!

「自然な美を、信頼でデザインする。」

形成外科専門医の藤橋政尭です。

 

隆鼻術には大きく分けて「シリコンプロテーゼを入れる方法」と「自家組織を移植する方法」の2つがあります。

同じ“鼻筋を高くする”手術でも、特性やメリットは大きく異なります。

ここでは、仕上がり・安全性・修正のしやすさなど、選ぶ上で重要なポイントを中心に比較していきます。

 

 

■ しっかり高さを出したいならプロテーゼ

最もわかりやすい違いが「どれだけ高さを出せるか」です。

プロテーゼは医療用シリコンを鼻骨の骨膜下に挿入して高さを作るため、大きな変化量を出すのが得意です。

デザインの自由度も高く、術前にプロテーゼを削りながらミリ単位で厚みや幅を調整できるので、細く通った鼻筋や直線的なラインを作りやすいのが特徴です。

また、重要なポイントとして、エンベロープ(皮膚・軟部組織)の余裕がない鼻ほど、自家組織で高さを出すのが難しいという現実があります。

皮膚が硬い・厚みがない・伸びにくいタイプでは、自家組織を入れても十分に立ち上がらず、理想の高さに到達できません。

こういった場合は、形が安定しており押し上げる力も強いプロテーゼが向いています。

 

 

■ 自然な質感と長期的な安心感は自家組織

触ったときの質感を比べると、自家組織は非常に自然です。

肋軟骨も真皮脂肪も自分の組織なので、皮膚の厚みや柔らかさと調和しやすく、異物感が出にくいという大きなメリットがあります。

また、アレルギー・拒絶反応・長期的な感染リスクが最小限という点も、自家組織が選ばれる理由のひとつです。

これに対し、プロテーゼは人工物である以上、異物反応のリスクはゼロにはなりません。

正しい層に入っていれば安全性は高いものの、身体にとって「ずっと異物がある状態」なのは事実であり、長期的な不安から自家組織へ移行する人もいらっしゃいます。

 

 

■ プロテーゼは修正がしやすい、自家組織は修正が難しい

大きな違いが「再手術のしやすさ」です。

プロテーゼは固形の異物で、被膜(カプセル)に包まれた状態で収まっています。

そのため 抜去がとても簡単 で、修正や再デザインが必要になった場合も、対応しやすいという強みがあります。

一方、自家組織は移植後に周囲の組織と早期に癒着し、血流を得ながら“自分の一部”として定着します。

そのため、修正は困難になりやすく、移植片を取り除く際にも、皮膚の凹凸や瘢痕が残る場合があります。

「将来デザインを変えたくなる可能性が高い」「とりあえずやってみたい」というタイプの方にはプロテーゼのメリットが大きく、「一度で完成させたい」「今後抜く予定はない」という人には自家組織が向いています。

 

 

■ プロテーゼの“皮膚トラブル”というリスク

特に重要なのが、プロテーゼの長期的トラブルです。

プロテーゼは固い人工物であるため、挿入する層が浅いと皮膚を内側から圧迫し、時間とともに皮膚が薄くなる(菲薄化) ことがあります。これが進行すると、赤み・変形だけでなく、最終的に皮膚を破って露出する可能性があります。

鼻先まで無理にプロテーゼで高くしようとしたL型症例でよく起きる問題で、現在はほぼ使用されなくなった理由もここにあります。

対して自家組織は柔らかく皮膚とのなじみもいいため、皮膚を突き破るようなトラブルは基本的には発生しません。

長期的なリスクを避けたいという理由で自家組織を選ぶ人が増えている背景には、この安全性の差があります。

ただし、このような皮膚トラブルは、I型のプロテーぜを適切な層に挿入した場合は基本的に起こる確率はかなり少ないです

 

 

■ まとめ

プロテーゼと自家組織は、どちらが絶対に優れているというものではありません。

求める優先順位によって、最適解が変わります。

プロテーゼが向いている人

• しっかり高さを出したい

• ミリ単位でラインを作り込みたい

• 将来的に鼻の好みが変わる可能性がある

• “変化量”を重視する

 

自家組織が向いている人

• 自然な質感・柔らかさを優先したい

• 異物を体内に残したくない

• 長期的な安全性を重視する

• 過去にプロテーゼのトラブルがあった

どちらの方法も正しく理解し、自分が何を大切にしたいかで選ぶことが最も重要です。

理想の高さ・安全性・将来の修正まで考えながら、最適な隆鼻術を見つけていきましょう。

 

 

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【プロフィール】

藤橋 政尭 (ふじはし まさたか)/形成外科専門医

形成外科専門医としての知識と技術を活かし、目元や鼻の手術、顔の脂肪吸引、糸リフト、ヒアルロン酸注入など、お顔全体の美容外科手術に幅広く対応。繊細なデザインが求められる切開手術や修正手術から、ダウンタイムの少ない注入施術・リフト系まで、患者様の理想に合わせた施術を心がけています。

自然な仕上がりとダウンタイムの最小化にこだわり、誠実なカウンセリングを通じて「任せてよかった」と思っていただける医療を追求しています。

「自然な美を、信頼でデザインする。」

そんな想いを大切に、日々の診療に取り組んでいます。

 

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【SNS】

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【経歴】

2015年3月 昭和大学医学部医学科 卒業

2015年4月 昭和大学横浜市北部病院 初期臨床研修

2017年4月 昭和大学病院 形成外科

2017年10月 前橋赤十字病院 形成外科/美容外科

2019年4月 西尾市民病院 形成外科

2020年4月 昭和大学藤が丘病院 形成外科

2020年11月 太田西ノ内病院 形成外科/美容外科

2022年7月 東京労災病院 形成外科/美容外科  診療科長

2022年7月 R.O.clinic 非常勤、くさのたろうクリニック非常勤

2024年4月 銀座TAクリニック副院長

2025年11月 BIANCA CLINIC

 

【所属学会・資格】

日本形成外科学会 形成外科専門医

日本美容外科学会(JSAPS)会員

日本美容外科学会(JSAS)会員

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