バッカルファット除去で頬がこけるって本当?医師がリスクと適応を解説【ビアンカクリニック】
こんにちは!
BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)のひめ先生、こと明石仙姫です。
今日はご相談の多いバッカルファット除去について。
「頬がスッキリするって聞くけど、こけて老けるとも書いてあるし…」と不安に思う方も多いと思います。
実際のところどうなのか、医師の立場からお話しします。
バッカルファットとは?

バッカルファットは、頬の奥にある脂肪のかたまりで、誰にでも存在する組織です。
医学的には「頬脂肪体」と呼ばれ、若いうちは頬の高い位置にありますが、年齢とともに少しずつ下がっていき、ほうれい線やマリオネットライン(口元のたるみ)が目立ちやすくなります。
このバッカルファットが下がると、いわゆる「ブルドッグ顔」やフェイスラインのもたつきの原因になることもあります。
バッカルファットを適量だけ除去することで、顔まわりがすっきり見え、小顔効果や将来のたるみ予防につながるとされています。
切開は口の中から行い、約5mmとごく小さな傷口で済むため、外から傷跡が見えにくいのが特徴。さらに、頬の脂肪吸引に比べてダウンタイムが短く、腫れや内出血も少ない施術です。
「バッカルファット除去すると頬がこける」と言われる原因

バッカルファット除去後に「こけた」と感じる原因はいくつかあります。
脂肪を取りすぎた場合
バッカルファットは頬のボリュームを支えるクッションのような役割があります。
適量を超えて除去してしまうと、頬の中央が落ちくぼんで見えることがあるため、除去量の見極めが重要です。
もともと頬が薄いタイプの方
もともと脂肪が少ないタイプの方がバッカルファット除去を行うと、顔の中央部にボリューム不足が生じ、こけて見えやすくなることがあります。
特にもともとシャープな輪郭の方は、バッカルファットを取りすぎることで頬のハリが失われやすいので要注意。自然なバランスを保つためには、「どれくらい取るか」より「どこまで残すか」が大切です。
加齢によるボリュームロス
年齢とともに脂肪や皮膚のハリは少しずつ減っていきます。
そのため、若い時期にバッカルファットを多く取りすぎてしまうと、将来的に頬がこけて老け見えしやすくなるリスクがあります。
バッカルファット除去が適応かどうかの判断は“今の顔”だけでなく、“これからの変化”も見据えることが重要です。
バッカルファット除去が向いている方
では、どんな方がバッカルファット除去に適応するかというと──
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にーっと笑った時に頬の内側がぷくっと大きく膨らむ方
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その膨らみを指でつまむと奥のほうで少し痛みを感じる方
このような場合は、バッカルファットのボリュームがしっかりある可能性が高く、適量を除去することで顔の下膨れ感がすっきりする傾向にあります。
ただし、取りすぎると頬がこけるリスクもあるため、術中にボリュームを見ながら適量を調整する経験が非常に重要です。
「頬のふくらみの原因がバッカルファットではなく皮下脂肪だった」というケースも
実際には、バッカルファットよりも皮下脂肪(皮膚のすぐ下にある脂肪)がふくらみの原因になっている方も少なくありません。
この場合、バッカルファットを取っても見た目の変化が少ないか、逆にこけて見えることもあります。
皮下脂肪が原因で頬のボリュームが気になる方の中には、脂肪吸引やエンブレイスRF(フェイスタイト)などの併用治療を検討した方が美しく仕上がるケースも多いです。
バッカルファット除去を実際に経験したから言えること
実は私自身、過去にバッカルファット除去を受けて頬がこけてしまった一人です。
当時は若く、適応やボリュームのバランスを深く考えずに行ってしまいました。
今振り返ると、「取れる」より「取った方が良いか」を見極めることが何より大切。同じ“顔痩せ”でも、その人の骨格や脂肪のつき方によって最適解はまったく違うのです。
まとめ|バッカルファット除去で頬がこけるリスクを防ぐには見極めが重要!
バッカルファット除去は、的確な診断と適量の調整ができれば満足度の高い施術です。
しかし、誰でも取れば良いというものではなく、「取るべき人」と「取らない方がいい人」が明確に分かれます。
頬のぷっくり感が気になる方は、焦らずにまずは診察で頬のふくらみの原因を見極めてもらいましょう。
正しい適応判断が、美しい仕上がりへの近道です。







