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2026.11.08

リップリポジショニングとは?ガミースマイル治療の仕組みと効果を解説

築山 鉄平
監修医師
歯科医師 築山 鉄平

審美歯科のなかでも繊細な領域であるガミースマイル治療のスペシャリスト。国内外で診療・講演・研究・論文執筆を行っています。日本で唯一、アメリカとヨーロッパ双方のインプラント専門医資格を取得。外科的治療・歯科矯正・ボトックス注射など多角的なアプローチを用いて、口元のお悩み全般に対応します。患者様の“なりたい笑顔”を叶える歯科医師です。

リップリポジショニングとは?ガミースマイル治療の仕組みと効果を解説

 

リップリポジショニングとは、唇の裏側にある粘膜の一部を切除して縫い合わせ、上唇が持ち上がる範囲を抑えて、ガミースマイルの改善を目指す施術です。

 

「笑うと上唇が大きく上がり、歯ぐきが見える」「ガミースマイルの手術では、どこを切るの?」

 

リップリポジショニングという名前だけでは、どのような施術か想像しにくいかもしれません。施術を理解するポイントは、上唇の内側への操作と、笑ったときの動きの関係にあります。

 

今回は施術の仕組みや、文献で報告されている術式の工夫、効果の限界について、BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)が解説します。

リップリポジショニングとは、どこを施術する方法?

リップリポジショニングは、上唇の内側の粘膜を帯状に切除し、切除した部分の上下の縁を縫い合わせる外科的な施術です。上唇粘膜切除術とも呼ばれます。

 

リップリポジショニングとはガミースマイルの改善を目指す治療法であることを説明する画像

施術するのは、上唇と歯ぐきの間の粘膜

上唇をめくると、唇の内側から上顎の歯ぐきへ続く、折り返しの部分があります。この唇と歯ぐきの間の空間は「口腔前庭」と呼ばれます。

 

基本的な方法では、この部分の粘膜を帯状に切除して縫合し、口腔前庭を浅くします。上唇を引き上げる動きを制限するための操作です。

 

切除するのは、上唇の内側の粘膜の一部。歯の周囲の歯ぐきを整えて歯が見える範囲を広げる「審美的歯冠長延長術」とは、アプローチする場所と目的が異なります。

なぜ、粘膜を切除すると上唇が上がりにくくなる?

笑うときには、上唇を引き上げる筋肉が働きます。リップリポジショニングでは、上唇の内側の粘膜を切除・縫合し、唇が上方へ移動できる範囲を小さくすることで、歯ぐきの露出軽減を目指します。

 

「筋肉の働きが関係するなら、必ず筋肉を切るの?」と思う方もいるかもしれません。

 

もともとの術式は、筋肉の切断を伴わない方法です。筋肉への処理を組み合わせる方法もありますが、すべてのリップリポジショニングで行う操作ではありません。

リップリポジショニングには、どのような術式の工夫がある?

粘膜の切除・縫合を基本として、固定の仕方や、上唇を引き上げる筋肉への処理を工夫した術式もあります。

以下は、施術への理解を深めるための一般的な術式を紹介します。

縫合・固定の方法を工夫する

粘膜を縫い合わせることに加え、骨を覆う「骨膜」という組織に縫合して固定する方法があります。組織を固定し、術後の位置を安定させることを目指す工夫です。

 

骨膜への固定を加えることで、笑顔になった際の歯ぐきの露出を従来より抑えられるとされています。[2]

上唇を引き上げる筋肉への処理を加える

上唇を引き上げる力の影響を抑える目的で、筋肉の一部を切離する「筋切開」を組み合わせる方法もあります。

 

粘膜の切除・縫合のみの方法よりも、筋肉への処理を加えたことで、歯肉露出過多つまりガミースマイルの改善結果が安定していたという研究報告があります。[1]

 

ここで大切なのは、固定や処理を加えるほど誰にでも適した方法になるわけではないこと。術式の名称だけで判断せず、どの組織に何のための操作を行うのか、リスクも含めて確認しましょう。

リップリポジショニングで期待できる効果と限界は?

笑ったときに上唇が大きく持ち上がるガミースマイルでは、上唇の動く範囲を抑えることで、歯ぐきが見える量の軽減を目指せます。一方、歯や骨格の位置を変える施術ではありません。

歯ぐきを減らさず、唇から見える範囲を調整する

リップリポジショニングでは、歯ぐきの量そのものを減らすのではなく、上唇に隠れる範囲を調整します。歯ぐきが目立つ理由が上唇の動きにあるのか、それ以外の要因も関係しているのかで、施術の選択が変わるのです。

 

歯ぐきが歯を広く覆っていたり、骨格の影響が大きかったりする場合には、この施術だけでは希望する変化が得られないこともあります。

 

原因や施術の選択肢を全体から知りたい方は、ガミースマイルとは?原因や特徴、治療法を歯科医師が解説もご覧ください。

 

ビアンカクリニックでは、審美的歯冠長延長術や歯列矯正の併用を検討することもあります。単独で何が変わり、追加の施術が必要なら何を補うのかを確認することが、施術への理解につながります。

「手術を受ければ、後戻りしない」とは限らない

リップリポジショニングは、効果の永続性を保証する施術ではありません。術後に減った歯ぐきの露出が、時間の経過とともに増える「後戻り」の可能性があります。

 

研究では改善が維持された報告がある一方、数ヶ月で歯ぐきの露出が施術前の状態に戻った報告もあり、経過は一様ではありません。[2,3]

 

後戻りがご心配な方は、カウンセリングでご相談ください。上唇の動きや歯ぐきの状態、ご希望の変化を確認し、患者さまに合った施術プランをご提案します。

リップリポジショニングのメリットと注意点は?

上唇の動きに外科的に働きかけられる一方、切開を伴うため、回復期間やリスクへの理解が欠かせません。

メリット|傷が表面からは見えない

上唇の内側を施術するため、顔の皮膚に切開線を置かずにアプローチできる点は特徴の1つです。ただし、口の中には傷ができるため、「外から見えにくい=傷ができない」という意味ではありません。

 

ビアンカクリニックでは、表面麻酔と局所麻酔を使用し、上唇内側の粘膜を切除・縫合します。使用する糸は基本的に吸収性で、抜糸は不要としています。

注意点|腫れや痛み、感染などのリスクがある

施術後には腫れ、出血、痛みなどが生じる可能性があり、感染や後戻りにも注意が必要です。上唇のつっぱり感や感覚の変化などのリスクもあります。

 

笑顔の動きを調整する施術だからこそ、歯ぐきの露出量だけでなく、術後にどのような動きや感覚の変化が起こり得るかも、事前に確認しておきましょう。

リップリポジショニングについてよくある質問

ガミースマイルの治療法を探している方が気になる質問にお答えします。

Q1.ガミースマイルを「縫うだけ」で改善する施術ですか?

基本的なリップリポジショニングは、上唇の内側の粘膜を一部切除し、縫合する施術です。

 

粘膜の切除を伴うため、単に糸で留めるだけの方法とは異なります。

Q2.筋肉も切るのでしょうか?

必須ではありません。筋肉への処理を行わない方法と、筋切開などを組み合わせる方法があります。

 

実際に行う操作は、状態や希望にもよるため、医師へ確認ください。

Q3.歯を削る必要はありますか?

上唇の内側の粘膜を切除・縫合する施術であり、歯を削ること自体は基本的な操作に含まれません。

 

歯列矯正など別の歯科施術を併用する場合は、その内容を分けて確認する必要があります。

Q4.固定方法を工夫すれば、後戻りを防げますか?

固定や縫合の工夫によって安定性を高められる可能性はありますが、後戻りを確実に防げるとはいえません。

Q5.リップリポジショニングと歯冠長延長術を併用するのはなぜですか?

上唇の動きと、歯ぐきが歯を覆う範囲の両方が関係する場合には、異なる原因へそれぞれ働きかけるためです。

 

すべての患者さまに併用が必要なわけではありません。

ガミースマイルの改善は、施術の仕組みを知ることから

リップリポジショニングを検討するときは、「何mm歯ぐきが見えなくなるか」だけでなく、上唇のどの部分に、何を目的として操作を行うのかを理解することが大切です。

 

術式の工夫と、効果が維持されるかという点も分けて考えましょう。

 

BIANCA CLINICでは、歯科医師がリップリポジショニングを担当しています。さらに美容外科医による美容観点からの施術の追加もご提案可能です。

 

ご自身のガミースマイルに対して何が期待できるのか、希望する笑顔とともにご相談ください。

 

▶リップリポジショニング(上唇粘膜切除術)の症例・料金・施術詳細

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参考文献

[1] Tawfik OK, et al. Lip repositioning with or without myotomy: A randomized clinical trial. Journal of Periodontology. 2018

[2] AlJasser RN. A Modified Approach in Lip Repositioning Surgery for Excessive Gingival Display to Minimize Post-Surgical Relapse: A Randomized Controlled Clinical Trial. Diagnostics. 2023

[3] Adel N. Modified Lip Repositioning Surgery with and without Dual-layered Suturing for Treatment of Gummy Smile Patients. Plastic and Reconstructive Surgery – Global Open. 2024

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